先日、久しぶりに「狸小路」を歩いてきました。
わたしが小学生から高校生の頃、よく歩いていた街です。
まぁ、やや気が引けるほどの昔になってしまったわけですが(笑)
いまから50年近く前ですから、もう半世紀。
いやはや、こんなふうに回顧するような時間が経過するとは
ホント、夢のようですね。
で、狸小路。
なんとも懐かしいというか、まだやっているのか?であります。
札幌という街も、子どもの頃の30万人程度の人口規模から
現在の190万人という都市に巨大化して
そういう意味では、都市としての空気の連続感が持ちにくい。
わたしは、いまは西区山の手という地域に住んでいて、
会社事務所も自宅から歩いて5分という、
小さいエリアで日常を過ごしておりまして、札幌も街中にはめったに行かない。
むしろ、仙台の方が街中は詳しいかも、というような感覚。
そういうことなので、タマに来るとほとんどタイムスリップしたようです。
この秋には、「SAPPOROスタイル」というライフデザイン系の探求をしようという企画を
ある大学の先生と練っているのですが、
そういう風に考えていると、
この狸小路界隈って、それなりに仙台の繁華街にも似た場末感が味わえる。
そこそこの生活感の残滓があって、しかもアーケードという昭和の都市的風景。
ディスプレイも、無国籍的和風とでも感じられる雰囲気。
そこに中国語が乱れ飛んでいる、というのも、なんとも似合っている(笑)。
よく見ていると、最近の店舗は以前の単品販売商店主流というものから、
昭和レトロ風の飲食系店舗がどんどん増えている印象。
歩いて暮らしていた「原札幌」って言うような風情が漂っておりました。
もうすこし、コントラストを効かせれば、いい感じが出せるかも知れないなぁ、
などと、やや場の雰囲気にのめり込みそうな気分。
そういえば、東京都下でもこういう昭和レトロの街並み再生を
都市の魅力にしようという試みがされていましたが、
さっぽろ狸小路にも、そういう味わいが巧まずに出てきているのではないか。
短い北の街の夏に、こんな風情もいい。
北海道でも、ほんの一時、湿度が高く気温も高い時期
濃密な日本的都市の空気感を味わえた瞬間でした。