三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

板金屋さんらしい外観の家

2011年07月26日 05時34分18秒 | Weblog





先日の十勝から見学のみなさんの訪問先から。
こちらは1軒目に伺った住宅です。
建て主さんは板金屋さんということで、まぁなんともわかりやすい外観。
きっと仕事の上でもモデルハウスのように使っているようだと推測がつきます。
聞いてみたら、外壁に使った鉄板は8色あったそうで、
しかも、それぞれ1枚ものと半割したものと2種類。
なので、それをグラデーションになるように重ねて貼っていく作業は
たぶん、幾何級数的に計算が複雑。
実際は、現場で適当に割り付けていったのだろうと思われました。
設計者に聞いても、この外壁の仕上げ工事費は???。
施主としての板金屋さんが、自らの職業的創造力を存分に発揮した(笑)。
まぁ、ようするにお金の問題ではなく、
「作る」という行為を純粋に楽しんだ、というような家づくりなんですね。

外観から、そういう雰囲気は誰にでもわかりやすく伝わってくる。
こういうこと、いろいろな言い方をしたりしますが、
結局は、人間がものを作り上げるということは、
単純に楽しく、面白い営為なのだということだと思います。
建築家にわざわざ頼んで家を建てよう、などと考える人って
自分でも、創作へのなにがしかの思いや気持ちを持っている。
作り上げていく楽しさを、理解しているのですね。
だから、そういった話を建築家と交わしながら、
自分でもやってみたくなってくる。
もちろんモチは餅屋で、のような専門的知見はお互いに尊重するけれど、
そのこころは共通で、理解し合える。
この外壁には、そういった物語性がわかりやすく表現されていて
大変、楽しく伝わってくる。
「あぁ、家を建てるって面白いよなぁ、やっぱり」
っていうこころが、いっぺんに共通認識でわかる。

わたし自身も、
そうか、こういうシンプルに家づくりを楽しむって、
しばらく、考えたことがなかったなぁと思わず不意を突かれた次第です。
コメント
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