おかずブログ

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道すがら

2014年10月26日 | 歌稿


道すがら

人の世を掴んで生きた道すがら老いの坂道待つ魔物あり

逃れえぬ手に囚われて嬰児に戻らむ時計あえかに求む

季節過ぎ巡る矢車ただなかを嬰児奔り旅路重ねて

かざす手は陽に透け見える来し方の有象無象を閉じ込めており

皺の寄る掌に地や天や自身にも愧ずべきことの無きを信じて

その部屋に神も仏も振り捨てて恃みなき朝胸を張り入る

あるいはの危惧を収めてはらからの心配顔に眼で応えつつ

無影燈灯るベッドに臥して待つ満ちたりて過ぐ明鏡止水

摘出の痛みも知らず目覚むれば黄泉路迷い路世を隔ており

転移なし医師の言葉に安堵してにわかに戻る乏しき未来


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6 コメント

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京の風さん (カズ)
2014-11-09 00:11:46
コメントありがとう。

手術は麻酔が効いていたので痛みも感じないままに終わったのですが、治療薬による副作用がたくさん出て、たとえばひどい時にはアイスクリームが主食になっていたりしました。他のものは刺激が強くて痛みがあるので食べられなかったのです。
まあそんなことがあったのも今は昔の話。
今は余生とも言えます。自分なりにいろいろと楽しみ勉強もしなければと・・・思いを新たにしていますよ。
今後ともよろしくね。
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pikoさん (カズ)
2014-11-09 00:03:35
読んでいただいてありがとう。

まるこさんあてのコメントに書いた通りで、なんともみみっちい。
年齢的にも遠い所に来たわけですから、それなりの心の資産を蓄えておけば良かったのに、それがないから、詠むのを休んだりします。まあ歌についての資産もないのですけどね。

「未来」の言葉を暗喩に使うべきでしたね。
どうも平々凡々とした用い方をしていけません。その自覚はあるのですけどね。
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ありがたく (カズ)
2014-11-08 23:55:56
まるこさん

4月から9月での約半年間はズルをして歌を詠みませんでした。いい機会だ思って自分に言い訳して、さぼったのですよ。
今回、形だけですが歌らしきものを作りました。
今後は一か月に一度詠まないといけません。
たかが10首だというのに重荷に感じています。
困ったことですね。
もう言い訳はできないので、なんとか詠みますね。
また覗いてみてください。
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よかったね (京の風)
2014-10-27 14:23:21
 長く待っていましたカズさんの詠ですが
 拝読していて気持ちが少し重なり
 何もしてさしあげられない。。
 老いる悲しみを共有しましょうなんて云えば
 カズさんは強い人だから
 お怒りになられるかしらね「ごめんね」
 
 何か言いたかったの。
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目覚められたのですね (pico)
2014-10-27 00:09:44
遠いところまで出向かれたような・・・。
そのような思いでいらっしゃることでしょう。
心の推移が詠みこまれていて、心に沁みました。乏しい未来? いえいえ、透明な澄んだ未来がひらけますように。
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Unknown (まるこ)
2014-10-26 21:58:06
診断されてから完治されるまでの心の葛藤を御歌に詠まれたのですね。
あまりに重きと感じるものがあり、カズさんの苦悩が胸に迫ってきました。
ご自身を掘り下げられることの深さにただただ驚くばかりです。

いいお歌を読ませていただけました。
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