いざなわれ (2015/10)
秋の部屋陽射しは届き穏やかに記憶の国に降りて往きおり
老い進み記憶の襞をかきわけて時を戻して来し方見入る
色の濱歌のひとつにいざなわれ浦廻に探すますほの小貝
群青の色より出でし水島に赫たたえたる小貝拾いに
秋さなか富士の高嶺は雪いだく初冠雪を逸りつつ見つ
風もなく煙も立てず雪かむる富士に想いを託して過ぎる
整える容に飽きず富士を見て沁みいるところ浮島ヶ原
今昔の懸隔縫って難所なる薩埵の峠も易々として過ぐ
くらぶ山義経晶子いませども昏き道行き昏きに染まる
在ることは在るままでなく一つずつ抜け落とすこと今日は歯を抜く
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