200528空也の滝
先月、5月28日に「空也の滝」まで行ってくる。
「空也の滝」は愛宕山東麓の大鷲峰山腹にある。
昔、愛宕山に何度か登って、その下山に表参道ではなくて
月輪寺道を下って滝にまで行ったことがある。15年か、もう少し前の話。
たかだか、それほどの時間の懸隔しかないというのに、
なんとしたことか、すでに記憶は曖昧。
今回は自転車で嵐山→清滝→空也の滝というコース。
コロナ禍は下火になって新規感染者数も少なくなりつつあるが、
営業自粛要請は継続中でもあり、嵐山の景観は御覧の通り。
人でごった返していた頃は今は昔の話。地元民だけでは
本当に閑散としている。こんな光景は私も初めて見る。
嵐山から清滝トンネルを越えて渡猿橋。
ここには実際に軌道車のレールが敷かれていた。
戦前には汽車が通っていたのである。愛宕山は歓楽地で、
避暑やスキーに行く人も多かったという。山頂まで汽車・ケーブルを
乗り継いで下駄ばきで上がれたという。今では信じられない話だ。
この清滝トンネルは現在ではパワースポットとも言う。
天井の光が拡散していなくて、自転車のライトだけでは心もとなく、
ちょっと怖い。幅も狭くて車は一方通行しかできない。
さて、空也(903~977)の滝。
さすがにちょっとひんやりしている。滝の落差は15メートル。
それほど落差のある滝ではない。小瀑に分類されるのだろう。
滝を少し登った位置に月輪寺がある。空也は月輪寺に参籠したとかの話。
また、西行時代の藤原(九条)兼実も一時期、月輪寺に隠棲していて、
兼実、空也・親鸞などの木像が安置されているのだが、私は見ていない。
「空也の滝」の名称はずっと後に改称されたのか、都名所図会でも
「寒蝉(ひぐらし)の滝」とある。
残念ながら写真はうまく撮れなかった。雑に撮りすぎたようだ。
30分ほど滝の淵にいて、月輪寺には登らずに下山。
道はもちろん山腹の急斜面に作られていて、下には清滝川が流れる。
その斜面に北山杉が植えられているが、後継者がいないのだろう、
枝打ちもされないままに放置されているのではないかと思う。
その樹々が昨年か一昨年のか台風などの惨禍で倒れているのが多い。
倒れている樹もそのまま放置されている。
上の画像は近年まで管理されていたことを表している。
清滝川での魚釣り人あり。渓流釣りは今は何が釣れるのだろう。
平安時代はこの巨石などを縫って舟遊びが盛んだったともいう。
その光景を思わせる歌も数首が残されてはいるのだが、瀬の早い
清滝川を遡行するのは船頭は大変だったのではなかろうか?
嵯峨まで戻り祇王寺と滝口寺拝観。
苔の庭の写真は祇王寺。
以下の写真は三秀院と帰宅途中で撮影。
当日の画像はワンドライブにあります。御覧願います。