17.11.02 絵島・明石
平安から鎌倉にかけて活躍した歌僧に西行法師がいる。
私はもう15年以上前から、西行法師のマガジンを出している関係で、
西行史跡を訪ねることも多い。厳密にいうなら私の旅は西行関連史跡を
訪ねてのものでもある。西行とともに芭蕉関係史跡を訪ねることも多い。
今回は近場なので日帰りでもあり、とても旅などとは言えない。
これまでには東北をはじめたくさんの所に行ったが、今回は見残している「絵島」と「明石」に行ってきた。
「絵島」は淡路島の北端にある。明石までJRで行き、明石港からフェリーで渡った。
西行家集である山家集から「淡路」の歌を抜粋してみる。
今回、行ったのは03番歌にある「絵島」
【淡路】 淡路の国。瀬戸内海東端にある島。現在は兵庫県
01 淡路がた磯わのちどり聲しげしせとの鹽風冴えまさる夜は
(岩波文庫山家集94P冬歌・新潮版548番・万代集)
02 あはぢ潟せとの汐干の夕ぐれに須磨よりかよふ千鳥なくなり
(岩波文庫山家集94P冬歌・新潮版549番・西行上人集・山家心中集)
03 千鳥なく繪嶋の浦にすむ月を波にうつして見る今宵かな
(岩波文庫山家集95P冬歌・新潮版553番・西行上人追而加書・夫木抄)
04 あはぢ嶋せとのなごろは高くとも此汐わたにさし渡らばや
(岩波文庫山家集168P雑歌・新潮版1002番)
05 小鯛ひく網のかけ繩よりめぐりうきしわざあるしほさきの浦
(岩波文庫山家集116P羇旅歌・新潮版1378番)
「絵島の浦」
淡路島北端の津名郡岩屋町にある景勝地。明石の対岸に位置する。
「しほさきの浦」
不明。和歌山県潮岬説がある。淡路島南端の潮崎説が有力。
「明石」
01 月さゆる明石のせとに風吹けば氷の上にたたむしら波
(岩波文庫山家集81P秋歌・新潮版376番・西行上人集・山家心中集・玉葉集・夫木抄)
02 夜もすがら明石の浦のなみのうへにかげたたたみおく秋の夜の月
(岩波文庫山家集247P聞書集)
「明石」の歌は7首を数えるのだが、ここでは割愛する。
「絵島」は歌枕というには、歌人たちには詠まれてこなかったようだ。
手元の「平安和歌歌枕地名索引」にも取り上げられていない。
手元の「平安和歌歌枕地名索引」にも取り上げられていない。
和歌としてよりは記紀にある国生み神話の「おのころ島」伝承で名高いのだろう。
島は小さくて、ものの数分もいれば、すべて見て回ることができる。
時間もあることとて、絵島から数キロの位置にある「明石海峡公園」に向かう。
予想以上の良い公園であった。とてもすべてを見て回ることができないので、
いつかまたこの公園に来たいものだと思う。
明石海峡公園から岩屋のほうに戻って、フェリーで明石に向かう。
今回は絵島の「月を波に写して」の状態を見ることもなかったが、それも仕方ない。
明石で落日をと思って撮影ポイントを歩いて探し回ったのだが、探して歩いているうちに
陽は沈んでしまった。ああ、やんぬるかな。
明石は地名の「あかし」に掛けて、月の名所とも言われる。
事実として「明石と月」の歌はとても多い。平家物語や源氏物語でも記述されている土地だ。
しかしながら明石の月もしっかりとは見ないで、JR舞子駅まで戻って明石大橋の撮影。
撮影場所が近すぎたと思う。もう少し離れた撮影ポイントに行くべきであった。
撮影場所が近すぎたと思う。もう少し離れた撮影ポイントに行くべきであった。
それにしても夜景撮影はやはりむつかしい。
かくして、私の17年11月2日が終わった。できればもう一度、明石と淡路島には行きたいものと思う。
かくして、私の17年11月2日が終わった。できればもう一度、明石と淡路島には行きたいものと思う。
この日の画像は例によってOnedrive入れています。よろしければご覧願います。