如月の日々に
如月の霞の中に春立てばやがて盛りの花も待たれて
裸樹のままに呼ぶ声届きおり花の豪奢を見据えてあれと
いざなわれ弥生卯月の花の道狂いの国にこの年もまた
雪の日を一人命をちぢ込めて盛りの花を待つも嬉しき
絢爛を拒否して生きた道すがらふとかすめるは花の甘美さ
年降りて洗濯ものは多過ぎてまずは命と由布院の宿
清らかな湯に浸かりまた思いはす一世のうちの彩りの道
菅公は左遷のはての大宰府に人は観光恥じ入るばかり
憤激を納めてあるか飛梅は白き花弁を空に広げて
経ることの中にたまゆら人ありて盛りの花を切に待ちおり