ビートルズの2023年に出た通称青盤のCDの値段がこなれてきたので遅ればせながらの安い輸入盤買ってみた。
このアルバムの売りは最新のリミックスが全曲に施されているのと、新曲Now And Thenを含めた9曲が新たに追加されたって事。ただ旧音源を聴き慣れたオイラには個人的にはリミックスされた音源が少々違って聴こえてくる程度だし、また新曲も元々アルバムに収録されるレベルの出来ではないデモ音源を作り直した代物なのでそれほどの有り難みは感じられない。
このCDに関してオイラ的に特筆すべきは、やっぱりペパー軍曹のサイド−2のに数録されたジョージ作のWithin You Without Youがビートルズの重要な代表曲として21世紀になってようやく認知され本作に収録された事ですかね。
60年代中盤にサイケデリックなサウンドがロック・アルバムに取り入れ始められた頃で、さまざまのロック・バンドが特にインドの楽器、シタールなんかを取り入れ一味違うアジアン・テイストを曲にもたらしたものの、それはあくまでも添え物的なものだった。しかし、ジョージのそれは西洋音楽とは異なるスケールを用い、リズムも従来のロックとは異なるインド独特のリズムが刻まれている本格的なものだった。
当時はまだまだこの手の音楽が幅広く認知されていなくまたオイラもその手のサウンドはちょっぴり苦手で、ペパー軍曹のレコードのサイド−2は2曲目のWhen I’m Sixty-Fourに針を落とし鑑賞したものだった。
ジョージ主催のバングラデシュのコンサートのオープナーを務めたラヴィ・シャンカールの演奏においても、曲がスタートする前の楽器のチューニングが終わったところで観客から盛大な拍手があったので、ラヴィがチューニングで拍手を貰ったことに感謝し今から本番が始まるので楽しんで下さいと言ってたのが当時まだまだインド音楽が広く認知されていなかったを物語っている。
時は流れ、今ではインドの映画や音楽も数多く流入しまた幅広く認知されていて感慨深いものがある。
またかく言うオイラも今ではペパー軍曹のサイド−2は当然の如く1曲目のWithin You Without Youからスタートする。
因みにこのCDではジョンのドラッグ系Lucy In The Sky With Diamondsでハイになりすぎた気分を、続くWithin You Without Youが中和し落ち着かせてくれる曲順になっているのが秀逸だ。