CLASSIC ROCKを聴こう! PLUS

1960年から1980年代のロックを紹介していきます。またPLUSと言うことで、ロック以外の話題も!

最後のグラム

2024年11月03日 | Bowie, T.Rex, Hoople and Glam.

時代の進行と共にそれまでの流行りが廃れ、新たな物がトレンドとなるのは世の常。

いつまでもグラムってわけにもいかずこの辺りで一区切り、スパイダーズ・フロム・マーズのギタリストでもありボウイーのグラム時代の片腕でもあった盟友ミック・ロンソンとは別れ、グラム最後の作品となるアルバム、Diamond Dogを制作することに。

当初ジョージ・オーウェルの小説、1984をベースにした作品に仕上げようとしたものの原作者の遺族から拒否され軌道修正し、自らが半人半獣の預言者てなプロットで展開していく事に。

先行シングルとして1974年2月に発売されたのがRebel Rebel(愛しき反抗)だった。この曲はグラム時代の重要な曲のひとつと言われていて、英・米シングル・チャートでそれぞれ5位・64位と注目を集めた。

(約9年ほど前に40周年記念の7インチ・ピクチャー・ディスクを買ったものの、ターン・テーブルに乗ることはなく眺めるだけのボンビー症なオイラでした。因みにこのギターであのリフを弾いたのだろうか?)

個人的にはシングル盤を聴くよりは、スローで始まる組曲Sweet Things/Candidate/Sweet Things(Reprise)の最終部でのアップ・テンポな演奏を受けて唐突にボウイの印象的なギター・リフから始まるアルバム・バージョンの方が結構ガツンとくる。


宇宙からの帰還

2024年06月03日 | Bowie, T.Rex, Hoople and Glam.

昨日Amazonプライムでリドリー・スコット監督、マット・デイモン主演の2015年の映画、The Martian(邦題オデッセイ)を久々に見た。割と抑え気味で自己主張し過ぎないマット・デイモンの演技はよりリアリスティックさを感じさせた。

そして科学者マークは地球に無事生還し大団円となる。

メデタシ、メデタシ。

ただ原作を読んでいないので作者の意図かどうか判らないけれど、アメリカが救援物資を送るためのロケット打ち上げに失敗した事から、某国が代わりにロケットを打ち上げ救援物資を送り届けたストーリーは今現在における某国のイメージからしたら有り得ないかな?

ここ10数年ほどは某国資本のハリウッド進出によって某国の俳優達がハリウッドのスクリーンに以前のような敵役ではなく準主演で正義の味方を演じてきたけれど、ここ最近はちょっと風向きが変わってきたかな?

(ちょっと、マーベリックさん!背中にやばいものが....)

本日はThe Martianの主人公と同じように行方不明になるトム少佐を歌ったデビッド・ボウイの1969年の2作目のアルバム、Space Oddityでも。

この歌ではトム少佐がミッション遂行中行方不明になるも、1980年のアルバム、Scarly Monstersで姿形は変わっても改めて登場したので何とか生き残り無事地球に生還したのかな?

今回は2000年に再発された180グラム重量盤で聴いてみた。CDのサウンドとは一味違ってアコギの演奏がよりくっきりと浮かび上がり60年代末期のサイケデリック風フォーク・ロックは今も心地よく聴こえる。


我が家の古~いCD

2024年05月20日 | Bowie, T.Rex, Hoople and Glam.

1972年のデビッド・ボウイの5枚目のアルバム、Ziggy Stardustは重要なアルバムと認知され過去何度も再発されている。

CDに関しては1984年にRCAから初めて発売された。マスター・テープの音源をデジタル化しカセット・テープに落としそれをCDにトランスファーしたものらしい。ちなみにデジタル技術黎明期だった80年代は取り敢えずやっつけ仕事のCD化てな事で、音質のよくないCDも多々見かけた。

1990年に入るとアメリカのRykodiscがRCAからマスター・テープを借りてリマスターを行い、ボートラが6曲追加されたRyko/EMI盤の登場となる。

1999年に再度リマスターされたCDが登場。またアルバム30周年記念として2002年にリマスター、そして2012年にも40周年記念盤としてまたまたリマスター盤が登場。

これだけ新規にリマスター盤が登場するともう何が何だか…

個人的には1990年のRyko盤が迫力を求めた音圧重視のリマスターとは一線を画した抑え気味の丁寧なリマスターが施されていて悪くないと感じる。また年を経るごとに劣化するマスター・テープのことを考えると、まあプラシーボ効果なのかもしれないが、後年のリマスター盤よりもまだテープ劣化による歪みが少なく原音により忠実な感じがするのだが…

盲目的に最新リマスター盤を賞賛するのではなく、たまには昔買ったCD聴いてみると音が案外良かったなんて発見があるかも。

それに古いCDを買取屋に持って行っても、レアなものでない限り1枚10円ぐらいだからね。

1990年のスターマンと2002年のスターマンの音源を比べると、ほぼ同じような波形で1990年のほうが若干絞り気味。2002年盤は早くフェード・アウトする。

どちらの音も悪くないと思う。


電気の武者

2024年05月17日 | Bowie, T.Rex, Hoople and Glam.

あれっ? 車のドア・ロックが解除されない。所用で車に乗ろうとガレージに向かって、電子キーをポチっと押したもののなんの反応もない。

そういや電子キーのボタン電池長いこと替えてなかったと思い出し、すぐに近所のスーパーでボタン電池を購入。

再度ポチッとボタンを押すものの全く反応なし。

こっ、こっ、これってまさかの車載バッテリーご臨終のお知らせ? 

ここのところ全く車に乗る機会がまったく無かったので少しバッテリーが弱り気味だったのは自覚していたが、まさか今日がその日だったとは…

近所の修理屋さんの手がたまたま空いていたので、バッテリーの緊急チャージをお願いし交換も頼んだところ、バッテリーの在庫がなく取り寄せってことで、急遽近隣のなんちゃらバックスまで直行し新しいバッテリーと交換する羽目に。結局半日が吹っ飛び予定のスケジュールはメチャクチャ。

さらにバッテリーの取り替えは作業費を入れて税込お値段31,450円也。ガッビーン!、まだ月末まで2週間ほどあるのに…

こんな時、電気の武者ならバッテリーが弱っていてもスパーク・プラグによる点火一発でエンジン始動!

んなわけない。別に体が帯電しているわけじゃなく、ボランさん単にアコギをエレキに持ち替えただけ。

T.Rexと名前を改めて1971年に出た2作目、Electric Warrior(電気の武者)は全英1位に輝き、フォーク時代のアンダー・グラウンドから地表に登場し一気にトップに駆け上がった作品。

ボランさんの相変わらずお気楽な調子にオイラの怒りモードも多少は解消されたかな?

結構結構。

 


アルト・サックス快調

2024年05月14日 | Bowie, T.Rex, Hoople and Glam.

先日、ジャズ・フュージョン系のサックス奏者、デヴィッド・サンボーン氏がお亡くなりに…

最近こんな話ばっかりで少々気が滅入るも、不老不死なんて存在しないこの世では誰もが通る道なので仕方ないし受け入れるしかない。

本日は追悼の意を表し彼の作品でも味わってみるのだが、ちょっと趣向を変えて彼のリーダー・アルバムではなくDavid Liveを聴いてみる。

この作品は1974年6月から約半年にわたって全米を駆け巡ったデビッド・ボウイのダイアモンドドッグ・ツアーを収録したもので、グラム・ロック期の作品と当時の最新作Diamond Dogから選曲された7月のフィラデルフィア公演のものを使っている。

ボウイのグラム期のイメージを吹き飛ばすアメリカ向けって感じで結構ストレートなロック・サウンドで構成されていて、中でもデヴィッド・サンボーンがアルト・サックスを吹きまくり、ボウイの曲によく馴染んでいていい感じ。


Everything is Hunky Dory! (全て上手くいってる)

2024年03月01日 | Bowie, T.Rex, Hoople and Glam.
デビッド・ボウイーのべスト・アルバムと言えばファンによってそれぞれ好みがあるもの、やっぱりグラム・ロック時代のアルバムですかね。
 
個人的には1972年のZiggy Stardusrtを押したいが、その前作のHunky Doryも捨てがたい。
 
この当時は音楽的なアイデアがボウイーに無尽蔵に湧き出たかの如く短期間にどんどん作品化され、Hunky DoryはChanges、Oh! You Pretty Things、Life On Marsや他数多くの名曲が収録された。
 
またミック・ロンソンらのバックもボウイーの意を汲み取りその世界観をうまく表現出来ているし、当時ストローブスのメンバーやスタジオ・セッション・プレイヤーとして活躍していたリック・ウェイクマンの華麗なるピアノも聴きどころ。
 
アルバムは全英3位にランク・インされボウイーの出世作となった。
 
全て上手くいったみたい。
 

全ての若者に告ぐ

2023年08月11日 | Bowie, T.Rex, Hoople and Glam.

モット・ザ・フープルの通算5枚目、CBS移籍の初アルバム、All The Young Dudesが1971年に発売された。

前作、アイランド・レーベルからの最後のアルバム、Brain Capersが内容は悪くないのにチャート・イン出来ずバンド解散寸前まで行ったものの、当時彼らの才能を買っていたデビッド・ボウイがプロデュースを引き受け、またボウイの新曲も提供された。

それまでのハード系にグラム・ロックの味付けがなされ時代にマッチ、全英21位・全米89位を記録しバンドは息を吹き返した。

このアルバムには、ミック・ラルフス作のReady for Loveやルー・リード作のSweet Janeのカバーなど注目曲が収録されているが、中でもイアン・ハンターの絶叫調ボーカルをフィーチャーしたボウイのペンによるタイトル・チューン、All The Young Dudesが秀逸。

かってボウイがジギー・スターダストに成り代わり、人類は5年以内に終末を迎えるって歌った。

その続編って事で、

全ての若者よ! チンタラやっている場合じゃない。ニュースを知って現実を理解し行動すべきだと。

おぉ〜、勉強になります。

てな事で、オジンになってもヤフーのサイトで毎日ニュースしっかり読み続けております。

まあ、ろくでもないニュースばっかりだけれど...


Space Oddity(宇宙での異常)

2023年06月23日 | Bowie, T.Rex, Hoople and Glam.

デビッド・ボウイの1969年の2作目のアルバム、Space Oddityでも。

60年代末期のサイケデリック風フォーク・ロックって感じで、アコギのサウンドはエレキ一辺倒より柔らかく感じられて心地よく聴こえる。

このアルバムは1968年に公開されたSF映画、2001 A Space Odyssey(2001年宇宙の旅)とか人類初の月面着陸を試みようとするアメリカのアポロ計画なんかにインスパイヤーされたとか。

ただ、あれから50年以上経った21世紀も四半世紀を過ぎようとしているのに映画で描かれたような宇宙計画のレベルにはまだまだ到達していない。

異常事態によって宇宙で迷子になってしまったトム少佐もきっと痺れを切らしている事かと…

早くオイラを救出してくれ~!


音を絞ってクールに過ごす

2023年05月19日 | Bowie, T.Rex, Hoople and Glam.

時間に追われるヘビーな毎日。

週末の夜はちょっとひと息入れてみる。

デビッド・ボウイの1977年、通算11枚目のスタジオ・アルバム、Heroes。

ブライアン・イーノとトニー・ヴィスコンティのトリオで臨んだベルリン3部作の第2弾。

エクスペリメンタルなサウンドはアンビエント・ミュージックにも繋がり、部屋の照明を落とし音量を絞って聴いているとなんだか心がとても落ち着く。


革命の子供達は何処へ?

2023年01月23日 | Bowie, T.Rex, Hoople and Glam.

1972年のヒット・アルバム、The Sliderからシングル・カットされたMetal Guruに続いたヒット曲が1972年11月から始まった来日公演に合わせて発売されたアルバム未収録のシングル盤、Children Of The Revolutionだった。

初出は当時リンゴ・スターが制作・監督を手がけたT.Rexのドキュメンタリー的映画、Born To Boogieでのエルトン・ジョン(ピアノ)とリンゴ(ドラム)が参加したジャム・セッション・シーンで、シングル盤の音源はその後別にレコーディングされたそうな。

プロデューサーのトニー・ビスコンティが施した重いストリングスが絡み、摩訶不思議な印象のサウンドとなった。

新しい時代の革命を起こすのは子供達、決して馬鹿にしちゃいけんよ~って歌っていたけれど、矢継ぎ早に20世紀少年など数曲のヒット曲をチャートに送り出したその後はボランさんもちょっと息切れしたかな?

グラム革命もあえなくその終焉を迎えることに。

それでも、当時は色々な毛色のアーティストが入れ替わりに登場してきて楽しかったな。


温故知新、旧規格のCD、その2

2022年11月28日 | Bowie, T.Rex, Hoople and Glam.

1974年、アメリカ進出を目論みアルバム、Diamond Dogが発売。間髪を入れずにアメリカ・ツアーを敢行し同年10月にそのフィラデルフィアでの公演のライブ音源をレコード化した。

それがDavid Live。

レコードが発売された当時は、音が平坦だとかボウイのボーカルに薬のせいで張りがないとか色々と酷評された。それでもヒットチャートでは英2位、米8位と大健闘。

そして1990年RykodiscによってCD化された。レコード音源は持っていなかったのでこのCDを購入することに。

(ブルーを基調にジャケを制作)

レコード発売当時評論家からかなり腐されたみたいだが、このCD音源聴いてみると言われるほど悪くはないと思えたのだが…

そして2005年にはオリジナルのプロデューサであったトニー・ビスコンティが5.1CHのマルチ音源を制作した際、それをベースに新しく追加した曲を加えた新ステレオ音源も制作しCD化された。

(2005年盤は、ホワイトが基調となりイメージが激変)

2005年バージョンは1990年のミックスと比べると、少し音圧も上がり更に全体的にメリハリを加えたハッキリした音になったかな?

(2005年の波形は振幅が激しくメリハリ効いてます)

2005年盤ばかり聴いていて古い盤はご無沙汰だったけれど、古いCDには買った当時の思い出もあって、これはこれで聴く価値があるのかな。


テレビ、や~めた

2022年10月29日 | Bowie, T.Rex, Hoople and Glam.

最近殆どテレビを見る事はなくなった。

見るとしてもスポーツ中継か興味のある分野のドキュメンタリー物ぐらいですか。ニュースにしてもネットの方が早いし事足りる。

特に最近のバラエティー番組なんて個人的には最悪ですね。

画面になんらかのビデオ映像が流れていて、画面の隅にワイプされた芸能人が台本通り何かを呟く。更に、あたかもスタジオに一般の観覧者を入れているが如く、エェ~とかオォ~とかのわざとらしい効果音を流し、そして大して面白くもないやり取りに対して、スタジオ内から関係者と思える仲間内からの笑い声。

こんな土曜日の夜は、レコードでも取り出しリラックスして鑑賞するに限るってことで、取り出しましたるはこのブログでも登場している、T.RexのThe Slider。

 

シングル・カットされたTelegram Samもカッコいいし、Metal Guruのイントロだけ何度もリピート。しかし一番このアルバムで良いと思ったのはBallrooms Of Marsですかね。

マーク・ボランの特徴でもあるアコースティックな味わいの演奏で単純なメロディーが繰り返され、これが妙にツボにハマる。

かくして、土曜の夜は集合住宅ゆえ音量絞ってロックで行こう!


癒しのデビッド・ボウイ

2022年10月27日 | Bowie, T.Rex, Hoople and Glam.

1987年のアルバム、Never Let Mer Downの売れ行きが思ったものではなく、行き詰まりを感じたのか目先を変えてハード・ロック・バンド、ティン・マシーンを結成したものの成功を手にする事は出来なかった。

バンド活動を停止しソロに戻り1993年にはBlack Tie White Noseを制作、その合間にBBC TVのドラマのサントラ盤も制作し同年に登場。

それがアルバム、The Buddha Of Suburbia(郊外のブッダ)。

ただサントラ盤と言っても実際の映像にはタイトル・トラックのみ使用されたとのことで、ボウイのオリジナル・アルバムと言っても差し支えのない位置付けで後にジェケットのデザインを変えて欧米で再発された。

何故か当時日本盤が発売されなかった事から、日本では知名度の低いアルバムであるが、一聴してみると結構いけるじゃないの。

時折聴こえるジャズ・タッチのピアノや馴染みのフレーズなどアルバムのアクセントになっていて、彼の70年代を思わせる。

インスト・ナンバーが多いこのアルバム、ただ70年代と言っても個人的にはベルリン三部作時代のようなその当時の暗さや翳りを特に感じず、更にいえば全体的には安らぎと言うか穏やかな明るさを見出すわけで...

ボウイ的には不発に終わったティン・マシーンのプロジェクトはソロ・スタート再開のためのリハビリ的なものだったのですかね。

シーッ、聴けばわかるって。

 


視覚で勝負!

2022年08月19日 | Bowie, T.Rex, Hoople and Glam.

デビッド・ボウイーのファンならばこのアルバムは絶対無視できない存在。

個人的には彼のアルバムの中ではベスト3に入る。

1972年に発売されたThe Rise And Fall Of Ziggy Stardust And Spiders From Mars。邦題は ”屈折する星屑の上昇と下降、そして火星から来た蜘蛛の群れ”と言う一歩引く様なおどろおどろしいタイトルだった(後年にジギー・スターダストと単純化された)。

このブログでも何度かこのアルバム登場しているので本日は別バージョンで聴いてみる事に。

因みに、2002年30周年記念盤としてリマスター音源とアウト・テイクを含んだ2枚組CDが発売。そして翌年にはステレオと5.1chマルチ音源を収録したハイブリッドSACDがヨーロッパで発売された。5.1chマルチ音源はこのアルバムをボウイと共同プロデュースしたケン・スコットによってリミックスされた訳であるが、残念ながら我が家にはSACDのマルチ音源を再生する機材が無かったので猫に小判って感じになってしまった。

時は流れて、2012年にボウイの全作品の再リマスター企画がスタートした際、なんと2003年ケン・スコット・ミックスの5.1chマルチ音源がステレオ化されLPとして登場。

本日はオリジナル音源と聴き比べてみようって事で早速ターン・テーブルに乗せてみた。

むむ~、よく分からない。多分音の広がり方とか音圧に差があると思うのだが、老化現象による聴力の衰えでイマイチその差を明確に聴き取れないし、さらに記憶力の低下もある。DJスタイルで同じターンテーブル2台をミキサーと繋いで交互に聴けば、何とかなるのかも…

それでは本日は聴覚ではなく視覚で楽しむことに。

なるほど、あの電話ボックスってこんな所にあったのね。


これがいいのだ!

2022年07月23日 | Bowie, T.Rex, Hoople and Glam.

何事でも常に一流のステイタスを保ち続けるには相当のプレッシャーを覚悟せねばならない。

そのプレッシャーに耐えられず大きなストレスを抱え込み、酒や薬に逃げ込むことも多々ある。緊張をほぐすために少量からスタートするもやがて自身でコントロールできない容量を摂取する状態に落ちってしまう場合もある。

ボウイさん、新しい芸風であるプラスチック・ソウルでアメリカで大活躍も長年のドラッグ中毒で精神的に辛い思いをしたのだろうか、ドラッグと決別という思いなのかは定かではないが、アメリカからヨーロッパに活動の拠点を移し心機一転。

ブライアン・イーノと組んで新たの方向性を模索、その回答が1977年の通算11枚目のオリジナルアルバム、ベルリン三部作の第一部とも言われたLow。

(2018年のリマスター盤。RCAでは無くBOWIEのロゴGAレーベルに。)

サイド1はボウイの従来の雰囲気を少し引き締めた感じのポップ路線ですかね、ただサイド2は暗く冷たい、無機質なイメージで殆どがインスト・ナンバーで構成。イーノのシンセから紡ぎ出されるアンビエント、即ち空気のような味わいがそこかしこに…

確かに無の境地で薬なしにメンタルを落ち着かせる効果はあるかも... 

ただもうこれはロックと言えるのだろうか? とは言え、この実験的なアルバムが結構売れたのである。

当時の世の中疲れ始めていたのかも。よって、癒しが求められたのかな?

さすがボウイさん、今更ながら時代を一歩先取り。

凡人の私には聴いてびっくりで到底その発想など思いもつかなかって、時代がひと回りして今更ながら、これがいいのだ!と感じた次第。

因みに、ボウイの盟友イギー・ポップとメリー・ビスコンティなる人物がバッキング・ボーカルでこのアルバムに参加。

メリー・ビスコンティといえば、このアルバムのボウイとの共同プロデューサーであるトニー・ビスコンティの嫁さんで、多分そのつながりでアルバムに参加したのだろうか?

メリーとは、その昔ポールが売り出しに力を注いでいたウエールズ出身のフォーク・シンガーでアップル所属のアーティスト、メリー・ホプキンのこと。確かデビュー当時ポールのポップ路線とは相容れずGood Bye、そしてフォーク路線を貫いていくことに。

その彼女がフォーク路線とは全くかけ離れたボウイのSound And Visionでコーラスつけているとは!

彼女もこれがいいのだ!と思ったのかも...