CLASSIC ROCKを聴こう! PLUS

1960年から1980年代のロックを紹介していきます。またPLUSと言うことで、ロック以外の話題も!

デビュー・アルバム、その2 レオン・ラッセル

2019年10月31日 | AMERICAN ROCK/POPS

デビューといっても60年代は既にセッション・ミュージシャンとして数多くの有名ミュージシャンのアルバムに参加していたし、またマーク・ベノとのデュオという形ではあったが1968年にアルバムを出している。 

今回は彼のソロ・デビュー と言うことで、1971年にセルフ・タイトルのアルバムを紹介したい。

 

南部のルーツ・ミュージックをごちゃ混ぜにしたロック仕立ての楽曲で構成されたこのアルバムは中々聴き応えのある名盤となっている。 

このアルバムの参加ミュージシャン達を見ればよく分かる。デビュー・アルバムなのによくもこれだけ有名どころを集めたものだと感心する。

 

しかしながら、玄人好みと言うかこれまた日本のレコード会社の担当者の売れ筋アンテナには引っ掛からず、本邦初見参はなんとまあ彼のサード・アルバム、Carneyが発売された1972年。  

ピロピロピロピロピロピロピロピロとお馴染みのピアノのイントロで始まるA Song For you。

(1975年の再発盤)

当時、We are alone now and I’m singin’ this song for you〜♪ って意中の女の子の前で歌うことが出来りゃきっとモテただろうな〜 

えっ!冗談は顔だけにしろって?  

ガラガラ声で音程外しまくって、ウイ〜 ア〜 アロ〜ン ナウ アンド ディス ソング フォ〜 湯〜 なんて歌えば石が飛んでくるって? 

どうもすいません。


デビュー・アルバム、その1 アメリカ

2019年10月31日 | West Coast Rock

デビュー・アルバムって、特にヒット曲は無くとも初々しさをそこかしこに感じ、無名がゆえにもし後にブレイクを成し遂げれば余計に感慨深いものを感じるかも。 

イギリスのアメリカン・スクール出身で、ロンドンのトライデント・スタジオで録音された異色のセルフ・タイトルのデビュー・アルバムが1971年の暮れに発売される。

(パーム・ツリーのデザインのレベールってことは、1976年の国内再発盤) 

CSN&Yを思い起こさせる様なアコースティック・サウンドと3人の爽やかハーモニーが売りであった。 

新人バンドとしてはそこそこのセールスはあったらしいがデビューという事で、まだまだ演奏や歌唱に拙さを感じどちらかと言えば全体的に地味と言うか大人しいサウンドだった。 

レコード会社はテコ入れとして、翌年シングルで発売されヒットしたA Horse With No Nameをアルバムに加えた。これが功を奏してアルバムはなんと全米1位となるヒットを飾った。

(サイドー1の4曲目のChildrenと5曲目のHereの間に急遽挿入されたA Horse With No Name、印字の太さが少しだけ違っているのが分かる) 

ニール・ヤングばりの歌唱で淡々と歌われるシンプルな曲なのだが、これが妙に耳に残る。

 

名もなき馬と共に旅に出る。

始めの頃は世の中の様子を眺めて過ごし、苦難に満ちた不毛の砂漠を歩み、やがて海へと辿り着く。

都会は相変わらず不機嫌で愛なき不毛の世界、でも何にもない不毛の砂漠ではね、自分が誰だって気にする奴は居ない。

そう! そんなに気張らないで肩の力を抜けばそのうち自由にやっていけるさ。

 

名前のない馬、これってデビューしたアメリカ自身、そして当時のアメリカ社会を風刺して歌っていると思え、これがリスナーの共感を得たのではないかと… 

そんなわけ無い〜って

 


Wesに捧ぐ

2019年10月28日 | JAZZ・FUSION

本日は1993年に出たLee RitenourのWes Bound。

 

尊敬するWesの曲をカバーしたり、WesのBumpin’のオマージュらしきRitenour作、A Little Bumpin’やBob MarleyのカバーなどなどRitenourのギターはWesファンをくすぐる様な弾きっぷりでなかなかよろし〜

 

ただリズム隊(ドラムスのHarvey MasonとベースのMelvin Davis)とキーボード(Bob James)はチョイと現代的なフュージョンよりかな? 

休み明けの月曜出勤での疲れを癒すにはこれが一番! 

勤労者に捧ぐ!は如何?


週末の昼下がりはこの1枚、その2

2019年10月27日 | BRITISH ROCK

1977年に発売された、エレクトリック・ライト・オーケストラの7枚目の2枚組スタジオ・アルバム、Out Of The Blue。

 

2枚組アルバムはややもするとまとまりに欠け冗長なアルバムとなってしまうきらいがある。 

収録時間が通常の倍となるため、収録曲が足りない場合はその穴埋めとして世に出すにはまだまだ未完のアウト・テイクだった曲を採用したり、無理矢理曲の尺を伸ばしたり、更にはシングル・アルバムでは収録出来なかった個人的な好みの実験的な曲を組み込んだりする。 

これがリスナーに受け入れられればそれに越したことはないが、一枚のアルバムにまとめた方がよかったのではないかと思われる2枚組アルバムがそこかしこに。 

このOut Of The Blueはどうかと言えば、アップ・テンポの曲、メロディーの美しいバラードなどが配置され単調にならないように工夫されなかなかよろし〜 因みに1983年のアルバム、Secret Messagesは当時2枚組アルバムの構想だったけど、結局レコード会社からクレームがついてシングル・アルバムになった経緯が。

(最近2枚組で再発されたSecret Messages、いまだ開封されず

欲を言えば、何故このアルバムに収録されなかった言うほどの出来のLatitude 88 Northの様なストリングス控え目のシンプルな曲なんかを本作に収録すればもっとメリハリの効いたアルバムになったのではないかな〜と個人的に、あくまでも個人的に思うけど…. 

本日取り出したのは、数年前に買ったピクチャー・レコード。 

せっかく買ったのに封を切らないで置いておいたのだが、本日開封して聴いてみた。  

まあピクチャー・レコードと言えば通常のレコードとプレスの行程が違っていて、通常は塩ビの分厚い塊をシンプルに上下からスタンパーでがっちりとプレスし円盤とレコードの溝を同時に作り、ピクチャー・レコードの場合は予め印刷された塩ビ製円盤の上に薄い透明のフィルムをかぶせその上からスタンパーでプレスするので、当然整形力という観点では通常盤の方がしっかりと溝が切れているのではないかと思うのだが...

一聴して音の良し悪しを判断するほどの聴力を持っているわけではないが、ピクチャー・レコードの場合通常とは異なる薄いフイルムをプレスする行程でミス・プレスを起こす可能性が高いのではないかと。 

今回、2枚組を通して聴いて三面まではノイズもなくニンマリ、ところが四面の出だしにミス・プレスがあり音飛び発生! ガクッ。

(第三面異常なし!) 

(第四面異常あり!、艦載機出撃!)

やっぱり、 ピクチャー・レコードは誰かが言った様に鑑賞するのではなく観賞というかプレス・ミスを嘆く感傷って事なのかもね。


週末の昼下がりはこの1枚

2019年10月26日 | West Coast Rock

1971年発売された、Doobie Brothersのセルフ・タイトルのファースト・アルバム。

とは言え、当時の日本のレコード会社の洋楽担当者のアンテナに引っかからなかったのか、本邦初登場は 5枚目のアルバム、Stampedeが発売された1975年だった。 

ギターのトム・ジョンストン、ドラムスのジョン・ハートマンそしてベースのグレッグ・マーフィーの当時パワー・トリオと称されたバンド、Pudが西海岸でシコシコと活動していた。 

そしてベースのグレッグが脱退した際、ギターのパット・シモンズと新たなベーシスト、デイブ・ショーグレンが加入し此処にDoobie Brothersが誕生! 

後のアルバムと比べると、確かにアコギ主体のサウンドで少しばかり地味なのは致し方ないが、初っ端のNobodyとかそこかしこに後に大ブレークするギター・バンドとしてのDoobie Brothersの鼓動が感じられるし、ランディー・ニューマンの曲のカバー、Beehive Stateなんかはほぼ完成の域に。

 

マイク・マクドナルド正式加入後のTakin’ It To The Streetあたりからのあらぬ方向へのサウンドの変化に何と無く不穏な雰囲気を感じ、次作のLivin’ On The Fault Lineを聴いて、なんじゃ!これは〜と相成った私なんかは、このファースト・アルバムに未完のDoobie Brothersとは言え非常に愛着を感じるのだ。 

雨模様のどんよりした雰囲気を西海岸のカラッとしたサウンドで是非とも吹き飛ばして欲しいものである。

いまだに髭モジャで精力的にバンド活動を行なっているトムとパットも髭なしのこんな若き頃があったのだと....


祝日の昼下がりはこの22枚

2019年10月22日 | BEATLES-BADFINGER関連

つい先日ビートルズの23枚組み7インチ・シングルのボックス・セットが発売されるってことで、またか〜と思われた私のような中級ビーコレの方々結構いらっしゃったのではないかと。 

もちろん超級コレクターのお方々は、有無を言わずに当然買い物かごに予約商品として入れていると思われるのだが、中級コレクターとなると大枚を叩くため購入の重要な理由づけが見出せない場合は中々ポチッとはいかないだろう。 

今回のボックスの売りと言えば、音質面を除けば従来の正規シングル盤22枚に1995年のシングルFree As Birdと1996年のシングルReal Loveをカップリングした両A面シングルが付加されたのと、シングル各国盤のジャケをアトランダムに各シングルのジャケットとして使用されていることぐらいかな。 

実は1982年に同様の7インチ・シングルのボックス・セットが発売されていて、当時は22枚の正規盤と4枚の後発シングル、トータル26枚組で7インチのレコードは各ジャケのデザインを模したピクチャー・ディスクだった。 

むむ〜、これと比較すると、今回のボックス・セットはちょっと残念と言うか私のような中級ビーコレにとっては中途半端であまり付加価値のない商品かもね? 

もし将来断捨離と称して溜まりに溜まったレコードやCDを処分する時、中古屋に足元を見られて二束三文で買い叩かれ、ショップにひっそりと並ぶのも癪に触るわけで… 

アビー・ロード50周年も少しばかり買うのを躊躇しているところで、今回のボックス・セットはやっぱりスキップかな? 

てなことで、昼下がりシリーズ第二弾は日本で1993年に出たCD Singles Collectionでも。

 

4枚の後発シングルなしの22枚組みではあるが、1982年の7インチ・ボックスと同じピクチャー・ディスク。

 

やっぱりビートルズの真髄はモノ・シングルだぜ〜と言うお方にとってはこれが一番。 

エェ〜! CDプレイヤーで聴かないの? 

でヘッヘッヘ〜、だってCDいちいち入れ替えるの面倒じゃん! アイ・チューンにダウン・ロードして一気に聴いた方が楽チン。 

ビートルズ愛に欠けてるね。これが4流コレクターと呼ばれる所以なのか? 

どうもすいません。

 



祝日の昼下がりはこの一枚

2019年10月22日 | Southern Rock

バンド内の趣味のバンドと言うか、1975年頃からオールマン・ブラザーズ・バンドのメンバー3名、チャック・リーヴェル、ラマー・ウイリアムスにジェイモーが集まってジャム・セッションを楽しんでいた。 

翌年オールマンが解散と相成ったので、バンド内バンドがセッション・ギタリストを加えた4名でついに1977年にアルバム・デビューを果たすことに。 

バンド名の由来は、リーダ格のチャック・リーヴェル(C.Leavell)を文字ってシー・レヴェル(Sea Level)となったそうな。 

そしてサウンドは、後にストーンズ、クラプトンそれにジョン・メイヤーなどのアルバムにセッション・プレーヤーとして重宝されるチャック・リーヴェルが好んだオールマン時代のライブで繰り広げられるジャズ系長尺インプロビゼーション辺りを中心にオールマンぽいサザーン・ロックもチラホラ登場って感じですかね。 

泥臭いR&Bがサウンドが売りの一般的なサザーン・バンドとは一線を画す。 

初っ端のRain In Spainなんかは個人的にジョー・サンプルのソロアルバムなんかを思い起こさせる雰囲気が感じられ中々よろし〜

そしてサイモンとガーファンクルで有名だったスカボロ・フェヤーもピアノ・インスト・アレンジで取り上げていて興味深い。 

ただ、日本盤ライナー・ノートはちょっと大袈裟に持ち上げ過ぎでいただけない。 

まあ、レコード会社から宣伝としてお金を貰って執筆しているので仕方ないんだけどね〜

(アゲ過ぎてどうもすいません)


土曜日の昼下がりはこの一枚、その2

2019年10月19日 | BRITISH ROCK

眠気をこらえるために、もう一枚聴いてみることに。 

1972年のThe Whoのメンバー、ピート・タウンゼントのソロ・アルバム、Who Came First。

(1992年RYKOから再発されたCD。リミテッド仕様と言うことでCD収納はプラ・ケースではなくCDサイズのハード・カバー・スタイルになっている。) 

私が記憶しているには当時発売されたLPの邦題が、このお方をなんと心得おる!畏れ多くも先の副将軍水戸光圀公にあらされるぞ!じゃなくて、なんと現人神(あらひとがみ)だった。 

このアルバムは、元々ピートにとっての精神的な指導者、インド人の導師、メーハー・ババのために制作された二枚のプライベート・アルバムと没になったThe WhoのアルバムLife Houseからの曲の寄せ集めだった。

その二枚のプライベート・アルバムが、アメリカでブートとして出回って好評を博していたことから、正式にリリースとなった。 

ここでは現人神はメーハー・ババのことを意味すると思われるのだが、流石に日本では畏れ多いイメージがあったってことで、その後再発CDに於いてはオリジナルのタイトル、Who Came Firstに統一された。

(畏れ多くもインド人の導師、メーハー・ババ様にあらされるぞ!)

歌詞に関しては、少しばかり観念的な表現も無きにしも非ずだが日本人が聴く分には特に問題はなく、またThe Whoような派手なハード・ロックではなく全体的に穏やかなサウンドにまとめられ、そのメロディーを楽しめる。 

オォ〜、神の啓示があったのか、眠気は無くなり三度寝はこれで消滅。 流石メーハー・ババ導師様! 

いや、そんなわけないか。


土曜日の昼下がりはこの一枚

2019年10月19日 | JAZZ・FUSION

今週はプライベートで結構忙しかったので、ちょいと寝不足気味だった。

今朝もいつも通り近所を3−40分ほど軽くジョッギングし7時頃に帰宅したものの、あまりの眠たさについ二度寝してしまい起きたらもうお昼前。 

こんな時には、開き直ってまったりと午後を過ごそうと取り出したのは、1975年カーネギー・ホールで収録されたジョージ・ベンソンのライブ盤、In Concert-Carnegie Hall。

 

1976年の大ヒット作、Breezin’を生んだワーナー・レーベルへの移籍直前にCTIレーベルから発売。 

後にCD化された時にはボートラが収録されたが、このレコードでは表裏各2曲収録の計4曲であっと言う間に聴き終える。 

CTIレーベルお得意のイージー・リスニング系ジャズ路線よりもジャズ寄りの演奏でギターを弾きまくるって感じかな。ヒューバート・ロウズのフルートも炸裂、さらにはサマータイムではお得意のボーカルも披露。

ところでサマータイムの歌詞って黒人ブルース括りのちょいと辛辣な内容だけど、そのメロディーは結構気怠い雰囲気を醸し出し下手すれば三度寝、今度起きたら真夜中かもね。


あなたはこの波状攻撃に耐えられるのか!

2019年10月17日 | BEATLES-BADFINGER関連

でっ、でっ、出たぁ〜! 

アビー・ロードの50周年盤が先月出たばっかりなのにね〜 

昨今の再ブームで少しばかりアナログが盛り返したけど、売り上げ自体は昔と比べると大したことがないし、CDやダウン・ロードでの販売もいまいち頭打ちというか、音楽メディアの販売は尻すぼみ。 

仕方無しに、思い付く限りの再発のプロジェクトが目白押し。 

ビートルズの7インチ・シングル、二十三枚組みのボックス・セット発売!

 

今までシコシコ集めてきたけれど、年齢と経済力を考えるともうそろそろ打ち止めの時なのかなと思う今日この頃。


 


太陽の町

2019年10月14日 | JAPANESE

先日アメリカのニューヨーク州から知り合いが我が家を訪問した。 

トランプ大統領の評判だとか、民主党から次期有力大統領候補となった女性議員ウォーレン氏の評価、アメリカの歯医者や医療保険などなど、地元のアメリカ人の視点で色々興味深い話が聞けて楽しかった。 

さらに他の興味深い話としては、電車に乗ると申し合わせたように多くの乗客が何かしらスマホをいじっているのを見て驚いたそうな。 

かって四つ折にした新聞とか文庫本を片手に親指で器用にページをめくっていたのが現在スマホに取って代わったので我々とすればそう違和感はなかったのだが、確かに車社会のアメリカ人からみれば混み合った列車内において集団でスマホをいじっているその異様な光景に遭遇すれば驚くのも無理はないかと… 

ウェブ・サイトでニュースを見たり、アプリを使ってメッセージの送信そしてゲームをしたりと確かに退屈な通勤の暇つぶしにはなる。 

しかし天邪鬼な私は車内ではスマホを一切触らず、通り過ぎる朝の光に輝く街並みをただボンヤリ眺めながら通勤に勤しむ日々。 

そんな時浮かんで来るのがこのメロディー。 

井上陽水のアルバム、二色の独楽に収録された太陽の町。

 

前作が累計140万枚のミリオン・セラーを記録したアルバム、氷の世界と比べると売り上げも落ち内容もやや地味に聴こえたかもしれないが、今更ながら名曲ぞろいのアルバムだと思う。 

かがやき あふれる

緑と光の町を (緑はちょっと少ないけどね)

 

走り抜ける

まぶしさの中を

ふりかえらず

立ち止まりもせず〜♪

 

振り返っている暇もなくどんどん過ぎ去る朝日に輝く街の風景。 

なかなかよろし〜


でヘへへ〜、ソロ・アルバム出しました〜

2019年10月14日 | PROG ROCK

イエスのベーシスト、クリス・スクワイヤーが1975年出した初のソロ・アルバム、Fish Out Of Water。

イエスのアルバム、Relayerが出た翌年各メンバーがソロに取り組んだ時期のものである。 

イエスの四枚目のアルバム、Fragileに収録されていたクリス作のThe Fish (Schindleria Praematurus、何でも魚の種類の学名でシラスウオ属のPraematurusという種類の魚らしい)に引っ掛けたアルバム・タイトルだと思われる。 

クリスのあだ名がFishだったことからアルバムタイトルもそれに因んで、Fish Out Of Water、すなわち水(イエス)から飛び出たばかりの魚(クリス)が、ソロ・アルバム出しました〜。 

クリスのボーカルはジョン・アンダーソンのボーカルに少しばかり似ているし、スティーブ・ハウのギターソロは無いもののクリスのおなじみのリード・ベースが唸るイエスとよく似たサウンド。

(珍しくギター弾いてますね) 

しかし客演としてドラムスに元イエスのビル・ブラッフォード、サックスにメル・コリンズを起用することによって、何となくではあるがクリムゾンの雰囲気も漂ってきて、ガチなプログレ・ファンは少しばかりニンマリってトコですかね。 

因みに、A Fish Out Of Waterって、陸にあがった河童、場違いとか勝手が違うと言うような意味で使われます。

(釣り上げられたFish、15分の大作が収録されている) 

確かに初ソロって事で少しばかり勝手が違うと言うか、それを払拭するためちょっぴり力が入り過ぎたかも….


三枚目ってやっぱり鬼門なのかね

2019年10月08日 | PROG ROCK

三枚目と言う言葉の由来は歌舞伎で飾られる八枚の看板(もしくは番付)から来ているそうな。 

一枚目は主役、二枚目が男前で三枚目は道化役。即ち今で言えばお笑い担当かな?

プログレ・ロックの雄、Asiaの三枚目といえば1984年のAstra。

(ギターはスティーブ・ハウに変わってマンディー・メイヤー、スティーブとは芸風が異なるが中々の実力者) 

残念ながら、前二作と比べるとアルバムの売れ行きは芳しくなかった。

アルバムも三枚目ってなると、二番煎じと言う評価を恐れて敢えて挑戦的に路線変更し違いを出そうと試みるも、気合が空回りして結構ずっこけてしまうことがよくある。 

しかしこのアルバム、今一度聴いていただきたい。 

三枚目の道化役と言うイメージは全く感じられず非常にハンサムなアルバムで、 前二作に決して引けを取らない出来だと思う。 

特にシングル・カットされたGoなんかは何度もリピートして聴き、個人的には一作目に収録された大ヒット曲、Heat Of The Momentより贔屓にしていた。 

(Get Up And Go、立ち上がって行け〜) 

ちなみに四枚目は大物と言う意味があるそうで、ジョン・ウェットンはその称号が授けられるのを待ちきれずバンドから離脱してしまった。 

ああ〜 もったいない。 


国境の上に立って眺めてみれば

2019年10月07日 | West Coast Rock

ザ・イーグルスは1974年にサード・アルバム、On The Borderを出す。 

(予算の関係で当時買ったのはアメリカ盤、解説も何にもなくただ薄っペらい白い紙のスリーブにレコード盤が収まっていた)

ファーストとセカンド・アルバムはカントリー・フレーバー漂う爽やかなウエスト・コースト系のサウンドが中心で結構いけてると思いきや、全米チャートではそれぞれ21位、41位と内容の割には以外にも伸び悩んだ。 

次作ではロック・バンドともっとソリッドなサウンドを追求したいと、過去2作のプロデューサー、グリン・ジョンズに申し出るもあえなく却下。 

ストーンズやツェッペリンら、有名ロック・バンドのエンジニアもしくはプロデューサーとして数多くの仕事をこなしてきた超ベテランのグリン・ジョンズからすれば、ロック・バンドとはザ・フーの様なバンドを指しイーグルスはやっぱりカントリー・ロックを極めるべきだという彼の考えがあったのだろう … 

不満を持ったイーグルスの面々はグリン・ジョンズのもとで行われたロンドンでのレコーディング・セッションを切り上げ、彼らの要望に応える新たなプロデューサーを探すため、アメリカに帰国。 

バンドが自由にやりたいと思う事を容認し、バンドの良さを引き出す手法を取るビル・シムジクがプロデューサーに就任し、更にギターの演奏をソリッドにするため、ニュー・メンバーとしてドン・フェルダーが加入し、レコーディングがロス・アンジェルスでスタート。 

ヘビーなOn the BorderとかGood Day In Hell、それに軽快なロック・ナンバーのAlready GoneやJames Deanをレコーディングしある程度位メンバーの想いは叶ったのかな? 

しかし、ロサンジェルス録音のシングル・カットされた2曲、Already GoneやJames Deanらは残念ながら思った程のヒットにはならず、なんとロンドンで録音されたカントリー・フレーバーが色濃いスロー・バラードのThe Best Of My Loveが皮肉にも全米1位を獲得。 

むむ〜 国境の上に立ち、ロックン・ロールかカントリーか?さあどちらの方向に向かうべきなのか暫し熟考…. 

そして彼らは次作でそのどちらも包み込む更なる進化を遂げ、プログレッシブ・カントリー・ロックンロール(勝手に作った造語)なるボーダーレスな新たなジャンルに踏み入れることになり大成功を収める。

本日はボーダーで決まり!


アビー・ロードって

2019年10月07日 | BEATLES-BADFINGER関連

むむ〜 

アマゾンのアビー・ロード50周年記念盤のレビューを読んでいると結構ネガティブな御意見が投稿されていたような。 

先立つものがなく、その新しい音源がないのでなんとも言えないが、肯定的なレビューでも聴きやすくなったとかボーナス・トラックが良かったてな御意見もありまして、それほど感銘を受けたものでもなく、むしろ2009年のリマスター音源に軍杯が上がるなどちょいと残念という意見がチラホラと見られた。 

アルバムに関しては元々オリジナルが素晴らしい出来で 内容に関しては優れものとの評価が与えられている、実際今回のリミックスに関してはそれ程でもと言う感じであろうか? 

ところで、2000年に出たアンソロジーの本を紐解くと、この様な会話が記されている。

 

拙い英語力による超和訳で申し訳ないが、 

ジョージ・マーチン曰く、 

かってのサージャント・ペパーのように本当に価値のある何かを生み出すためにポールとスタジオの戻ろうとしたんだ。そこで曲を寄せ集めて長いバージョンに。 

ジョンは、私がポールと組んで他のメンバーの作品も取り込んで作ったアビー・ロードのサイドー2にとても反対していたね。ジョンはいつだってテディー・ボーイだった。彼はロックン・ローラーで、曲を個々に独立して収録したかったんだ。 だから、折り合いをつけ訳。

彼は元々反対の立場だったけど、サイドー2においても手助けしてくた。スタジオにやってきて少しばかり付け足したり、つづれ織りの如く音楽を縫い合わせるアイデアを提供した。 

全員が恐ろしいほど素晴らしく作業したからこそ、このアルバムが大好きだ。 

ジョンは、  

俺たちにはコンセプトなんて無いんだよ。俺にとってアルバムってのは、シングルにならなかった音源の集まり、ちなみに俺自身はシングルが好きだね。思うにポールはアルバムのコンセプトもしくはそれらしき試みを持っていたよ。つまりメドレー化を思いついたようなね。

でも俺はアルバム・コンセプトなんかには興味がないし、興味はサウンドにあるんだ。出来上がる曲なんでもそのままであるってのが好きなんだ。わざわざアルバムをショー仕立てに作る事には興味はないね。

単に14曲のロックを収録するって事!

 

すなわち、アビー・ロードとは二つの指向性に折り合いをつけた妥協の産物と言えるかもね。 

どうせリミックスやるのなら、今回ボーナス盤としてジョンの当初の意向を受けた個別収録の14曲によるのソリッドなロック・アルバム、オルターネイト・アビー・ロードを作って頂きたかった。 

と、新しい音源を聴いていないのにもかかわらず、またまた余計な事を…