日本からシンガポールに来る際、契約を規約しようとすると契約の期間が半分以上残っていたので、契約解除の違約金をごっそり持っていかれかなり頭に来た覚えがある。
シンガポールでも、同様に携帯やブロードバンドの契約は2年縛りとなっている。
1年半ほど前のことだが、どのメーカーのモデルを選択しようかとカタログを見ると、中韓メーカーのオッポ、サムスンとかシャオミーなんてのが広告の前面に打ち出され、これらの中から買いなさいとでもいう印象を受けた。
わが国代表はなんとソニー一社のみで、エクスペリアの広告が寂しげに掲載されていた。90年代には、日本の多くのメーカーが携帯を製造していたのに今ではこの有様。
此処は一つ、日本のメーカーをサポートしようと、エクスペリアで2年契約を申し込むと、在庫がないといわれる。何処の携帯ショップに行っても同じ回答。
そうなると、かえって反骨精神に火がついて、どうしてもエクスペリアを手に入れるって事になって、結局、携帯が壊れてもメーカーの保障なしと言う平行輸入ショップで手にいれ現在に至っている。
つまり、携帯キャリアの2年縛りの契約をしないで、シム・カードを購入しプリペイドの残高が少なくなると、その都度プリペイドの料金をチャージしていく。
スマホになってから画面が大きくなったものの、インターネットでサイトをサーフする場合は文字が小さく老眼鏡が必要なので、基本的にスマホは電話での会話とショートメイルの送受信のみの使用に限定している。
それ以外はPCを使っていて、狭いシンガポールの場合はそれほど不便を感じない。
その様な使い方の場合は、2年縛りの契約より案外安く済むし、やっかいな途中解約の違約金を支払う必要も無い。
ところで有名ロッカー達も何年縛りの契約に苦しんでいるようだ。
何時ヒットするか判らないし、もしヒットしてもそれが何時まで続くるのか誰にも判らない。
稼ぎ時に稼いでおく事が出来ず、縛り契約によってその儲けはレコード会社やマネジメント会社の懐が潤すだけで、契約が変更されない限り何時まで経って貧乏暇なしの状態が続くこととなる。
そのため、頭に来たアーティストは当事者との訴訟覚悟で、実情をぶちまけ一方的に懐の潤った連中を扱下ろす歌で鬱憤を晴らすのだ。
有名なところでは、CCR時代の儲けがレコード会社とその取り巻き連中に吸い上げられ、堪忍袋の緒が切れた、ジョン・フォガティーである。
彼の1985年のソロ・アルバム、Centerfieldで、2曲披露している。それ以外にも、CCR時代のヒット曲Run Through The Jungleと同じコーラス・パートを使ったOld Man Down The Roadと言う曲も収録されていて、ファンタジー・レーベルによる過去の一方的な著作権料搾取に関して抗議している。
Mr. Greed(欲張り野郎)
Mr. Greed, why you got to own everything that you see?
グリードさんよ、何でみるものすべて自分のものにしちゃうの?
Mr. Greed, why you put a chain on everybody livin' free?
グリードさんよ、何で自由に生きてる人々を鎖で繋いじゃうの?
You're hungerin' for his house, you're hungerin' for his wife,
家でもひもじくしているし、カミさんに対してもね
And your appetite will never be denied.
あんたの食欲は尽きることは無い
You're a devil of consumption. I hope you choke, Mr. Greed.
あんたは、何でも食っちまう悪魔さ。喉が詰まったらなって思うけどね、グリードさんよ
[CHORUS]
How do you get away with robbin'? Did your mother teach you how?
どうやって盗みを隠し通せるの? あんたのお袋さんが教えたの?
I hear you got away with murder, did you do your mama proud?
殺人の咎めを受けたって聞くけど、あんたはお袋さんを誇りに思えるってことした?
Vanz Kant Danz
(元々はZanz Kant Danzはだったが、ファンタジー・レーベルの社長、Saul Zaentzからの訴訟を想定し、Vanzとスペルを変更した)
[CHORUS]
Vanz can't dance, but he'll steal your money,
バンズはダンスが踊れね~、金は盗むけどさ
Watch him or he'll rob you blind. [X4]
気をつけな、じゃねーと巻き上げられちまうぜ
[CHORUS]
Out in the street a crowd is gatherin',
人ごみの通り出かけて
Pushed down by the heat of the building, they're wantin' to dance.
ビルの熱気にやられて、何やら楽しみたいみたいだ。
Makin' their way up the street, a boy with a pig and a radio
通りに向って、豚野郎とラジオを伴って小僧が、
Little Billy can work on the crowd, put 'em into a trance,
ガキのビリーは人ごみの中で、みんなをいかれた状態にさせるのさ
For the little pig Vanz.
チビで豚野郎のバンズのために
バッド・フィンガーも一方的な契約でだまされた口で、1974年レコーディングされたものの、2000年までお蔵入りしたアルバム、Head Firstでベースのトム・エバンスがこう歌っている。
Hey, Mr. Manager(マネージャさんよ)
Waiting for the phone to tell me you and I are through
あんたと俺は終わったってあんたからの電話を待っている
And I'm not alone, I guess that everybody wants it, too
俺だけじゃねえ、多分他のみんなそう望んでるさ
You got no feeling, you've been dealing all the wrongs
あんた何も感じないんだね、すべて間違った取引だったってことを
Your lies are stealing Lord, I think you should be gone
神を騙すくらいのうそをつく、あんたは消え失せるべきだって思うけど
Hey, Mr. Manager, You're messing up my life
マネージャさんよ、あんた俺の人生めちゃくちゃにしているぜ。
Hey, Mr. Manager, Don't think I need that kind of strife
マネージャーさんよ、俺が争い事を必要としてるって思わないかい?
It's the same old story, we all know it to the end
毎度毎度の話、俺達結末なんてわかってるぜ
But without your boring glory, we could live again
あんたのちっぽけな見栄なんて無けりゃ、俺達またやっていける。
You got no feeling, you've been dealing all the wrongs
あんた何も感じないんだね、すべて間違った取引だったってことを
Your lies are stealing God, I think you should be gone
マネージャーさんよ、俺が争い事を必要としてるって思わないかい?
かくして、バッドフィンガーはその後栄光の座を手にすることも無く、トムとピートが自殺すると言う最悪の結末を迎えることとなる。
オォー、Queenもやらかしている。
それは1975年の4枚目のアルバム、Night At The Opera!
フレディーに華麗なピアノ演奏に続き、ブライアンのギター・オーケストレーションが続くミディアムテンポの曲で、コーラスもバッチリ決まっている。
ところが、中身はと言うと何やら顰蹙買いそうな強烈な文言がびっしり。
Dedicated …とサブ・タイトルがあるので誰かに対する当て付けかと。うわさでは彼らの最初のマネージャーに対する抗議のような。
Death On Two Legs (Dedicated …) 軽蔑の二本足野郎
You suck my blood like a leech
ビルの様に俺の血を吸いやがる
You break the law and you preach
法律を破りながらもお説教
Screw my brain till it hurts
脳みそに痛みを感じるまでねじ込む
You've taken all my money and you want more,
あんた俺のすべての金を奪って、まだ欲しいって言うの?
Misguided old mule
見当違いの古臭い頑固者
With your pigheaded rules
強情な決め事
With your narrow-minded cronies who are fools of the first division-
第一級のばかげたあんたのけちな取り巻き連中達
Death on two legs
軽蔑の二本足野郎
You're tearing me apart,
あんたは俺を引き裂いた
Death on two legs
軽蔑の二本足野郎
You never had a heart of your own
あんたはまったく自分の心を持っちゃいなかった
Kill joy, Bad guy,
快楽に死を、悪党め
Big talking, Small fry
大口たたきの、ハエ野郎
You're just an old barrow - boy
あんたは古ぼけた豚野郎さ
Have you found a new toy to replace me,
俺達の代わりの新しいおもちゃ見つけたかい
Can you face me
俺達に面と向かえる?
But now you can kiss my ass goodbye
俺のけつにキスをしてさよならさ
Feel good, are you satisfied
気持ちいいね。満足してる?
Do you feel like suicide (I think you should)
自殺したいって?(そうするべきだと思うけど)
日本じゃありえない歌の数々。
携帯の2年縛りの契約での違約金の支払いなんてまったく屁のような話に聞こえる怨念のこもった抗議の歌でした。