2004年に突然発売されたカントリー・ロック・バンド、ポコのライブ盤、The Last Roundup。
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ジャケ・デザインを眺めるといつもの馬の蹄鉄の上にPOCOと記されたお馴染みのロゴがなかったので、当時これってオフィシャルのライブ盤では無いと思ったものの、収録されている殆どの曲が彼らがABCレコードに移籍し発売された3枚のアルバムからされているのをみてつい買ってしまった。この頃の彼らの作品ってあまり売れなかったのだがメンバー4人が安定した演奏を披露し、オイラとしてはこれぞカントリー・ロックのポコって印象で以前のエピック時代の作品より断然いいと思っている。
購入してからアルバムのクレジットを読むと、その当時のプロデューサーだったマーク・ハーマンがABCレコードのためにプロデュースしたと書かれていた。即ちこれってまさしくオフィシャルのライブ音源で何らかの事情でお蔵入りしたものが約27年の時を経てようやく日の目を見たことに。
英文のライナーを読んでみると、1975年ABCレコード移籍第一弾のアルバム、Head Over Heelsが全米チャートで43位とまずまずの成果を収め更なる飛躍をと、1976年にRose Of Cimaronを出すも、旧レーベルのエピックが2年間のライブ・レコーディンを行ったPoco Liveを営業妨害的に同時期に出した。まあ同時期に発売したことで売り上げにその相乗効果が出ればよかったものの、何故かこの新譜はチャート83位と振るわなかった。前作よりポップなキャッチーさが少なめで全体的にカントリー寄りのサウンドが気に入られなかったのかも…
そこでポコの面々は翌年の作品、Indian Summerで何とか挽回を図る事に注力し、レコード会社もIndian Summerツアーでのライブ・レコーディングを企画した。
Indian Summerは57位と少しは前進したものの、ツアー終了後ベースのティモシー・シュミットがランディ・メイズナーの抜けたイーグルスへの加入を決め、またドラムスのジョージ・グランサムも他のバンドに加入するような話も浮かび上がり、残ったラスティー・ヤングとポール・コットンは新しいバンドを結成てな方向性を打ち出していた。
ポコが解散する状態でライブ盤を出すのも何だかな〜って事でお蔵入り。
ところが最終的にはラスティーとポールは新しいメンバー3名を加入させて新生ポコを結成し、1979年に完成したアルバム、Legendが全米14位、シングル・カットされたCrazy Loveも17位と大ブレークし1968年にバンドが結成して以来一番の売り上げを記録。
新生バンドの大躍進によって旧メンバーで録音されたライブ盤はイメージが異なる理由で発売されず忘却の彼方へと….
2000年にラスティー、ポールとジョージの3人が再会し新たにベース奏者が加入しポコとして活動を再開、2002年に13年ぶりのスタジオ・アルバム、Running Horseを出したことから、もういいかなと2004年に蔵出しされたこのライブ盤が発売された。
ただ当の本人達は当時の記録があまり残っておらず、Rose Of Cimaronの最後に登場するストリングスのサウンドなんてあったっけ?てな落ちとなった。