19世紀中頃南北戦争が終わった頃、稀代のアウトロー、ジェシー・ジェームスが世に出てくる。
その荒くれたそのイメージを拝借したのかどうか、ジョー・ウォルシュが在籍した事で有名なハード・ロック・バンド、ジェームズ・ギャングが69年にYer’Albumを携えてデビューを飾る。
3枚のスタジオ・アルバムを出し、満を持してかってクラシック・ミュージックの殿堂とも言われたニューヨークのカーネギー・ホールでのライブを敢行し、その実況録音盤Live In Concertが1971年に出た。
当時のレコードに封入されていたライナーには“頭をかきむしる、衝撃の超ヘビー・ロック”てな文言が踊っているが、衝撃の超ヘビー・ロックなんて今は昔、音圧重視の音が巷に溢れていて今時超ヘビーって言われても流石にピンとこない。
更に頭をかきむしるって動作も、高性能なフケ取りシャンプーが世に出てあまり見かけることは無くなった。
ところでこのバンド、ギター、ドラムスとベースのシンプルなトリオ編成であるが、曲によってはキーボード、ドラムスとベース、またはアコギ2本にベースと楽器編成を変えてライブを行っている。 まあトリオなので手が足りないってのもあるが、限られた人員で一本調子なライブにならないよう演奏形態に変化をつける工夫が中々面白い。
ヒット曲、Walk Away入って、またジェフ・ベック時代のヤード・バーズ時代の作品、Lost Womanは18分弱にわたる熱演。
イーグルスの連中とは同じ事務所で仲が良かったって事でイーグルスに加入したジョー・ウォルシュ。
もっと歴史的にみれば、ジョー・ウォルシュが在籍していた頃のジェームズ・ギャングの初期3枚のアルバムのプロデュースをしていたのが、グリン・ジョンズに変わって3枚目のアルバムの途中からイーグルスのプロデュースを引き受けたビル・シムジク。(このライブ盤ではプロデュースはジェームズ・ギャング自身で、ビルはエンジニアを引き受けている。)
道理で、イーグルスの芸風が初期のライトなカントリー・ロックからジワリとヘビーな方向に変わって行ったのも納得。