CLASSIC ROCKを聴こう! PLUS

1960年から1980年代のロックを紹介していきます。またPLUSと言うことで、ロック以外の話題も!

飾り無しのシンプルなロック

2025年02月27日 | AMERICAN ROCK/POPS

本日はジョン・メレンキャンプの1994年の通算13枚目のスタジオ・アルバム、Dance Nakedでも。

レコード会社から思いもよらず前作のアルバムが彼らの期待している方向性とは違うと告げられた。それに戸惑ったジョンではあるが、多分一般のリスナーにはそれほど刺さらなかったのではと解釈したジョンはよりポップでラジオ・フレンドリーなこの新作を僅か2週間で完成させた。

このアルバムの注目曲はなんと言っても、ヴァン・モリソンのWild Nightのカバー。本人の好きな曲だけあって、女性ベーシストのミシェル・エンディゲオチェロとデュオで歌う軽快なアレンジも絶妙。

前作と比べて少し目先を変えたアルバムに仕上がったが、実際のところ前作、Human Wheelsは全米7位にチャート・インしミリオン・セラーを達成。また本作もチャートは13位と少し後退したもののミリオン・セラーに輝く。

これから思うに、セールスが低迷しない限り本人のやりたいようにやらせば良いじゃなないの?


すげ~プログレ・バンド

2025年02月26日 | PROG ROCK

本日はカナディアン・プログレ・バンド、ラッシュの1981年に出たライブ・アルバム、Exit …. Stage Leftでも。

(過去のスタジオ・アルバムのジャケに登場した主役が全員登場! ファースト・アルバムのアートが見当たらないけれど....  あったー!、操り人形が座っている箱に書かれているRUSHのロゴね。)

1980年のPermanent Waves Tourと1981年のMoving Pictures Tourからライブ・レコーディングされた50本のテープから厳選して編集された事から演奏は完璧。

普通プログレ・バンドと言えばマイナーな存在でピンク・フロイド、イエスやジェネシスなど大御所バンドを除けばアルバムのミリオン・セラーなどなかなか達成することが難しいのだが、このバンドはいとも簡単にミリオン・セラーを連発。

ライブでもたった3名で結構難しい事こなし分厚い音を出している。

すごいの一言。

専門誌はジェネシスを含めた5大プログレ・バンドではなく、ラッシュを含めた6大プログレ・バンドって書き直して欲しいね。


Apple Corps.の出鱈目経営

2025年02月25日 | BEATLES-BADFINGER関連

1968年1月、ビートルズは自身の会社Apple Corps.を設立。

数多くのライブ活動で叙情に実力を付けてきたアイビーズのマネージャーはアップル・レーベルが新人アーティストの発掘をスタートさせたと聞き付け、すぐにデモ・テープをアップルのマネージメントに手渡すことに。

ピート・ハム作のThey’re Knocking Down Our Homeをポールが絶賛、さらにジョージとジョンも気に入った事から5年間の契約をバンドと結ぶことに。

トニー・ヴィスコンティがプロデュースを引き受けデビュー・アルバム、Maybe Tomorrowが1969年に完成するも、なぜかアップルのマネージメントが英・米での発売を取りやめた。原因は多分先行シングルのMaybe TomorrowとThey’re Knocking Down Our Homeをカップリングしたシングルを出したもののヨーロッパ大陸ではそこそこ受け入れられたものの、肝心のイギリスでは空振りだったのがその理由だと推測される。

(みんな若々しくていい顔している。因みに左端のロン・グリフィスはこのアルバムのあとバンドから脱退することに)

そのためアルバムはイタリア、ドイツと日本のみで発売され、希望に満ち溢れれた彼らにとっては散々なスタートとなり、さらにアップルはバンド名を変えて再出発する事を示唆。

翌年バッドフィンガーとして再デビュー、リンゴ主演の映画のサントラ・アルバム、Magic Christian Musicを発売することに。その内容は前作から再録7曲とポールがテコ入れのために作ったCome And Get Itなど7曲の新曲が加えられ、シングルのCome And Get Itが英・米でそれぞれ4位・7位とヒット、アルバムもアメリカでチャート55位まで上り詰めた。

バンド名を改名させられる屈辱を味わった彼らであったが、オイラとしてはアイビーズのデビュー・アルバムは初々しくて好感が持てたし、バッドフィンガー名義のMagic Christian Musicにはデビュー・アルバムから7曲も収録されている事から彼らのソングライティングの技量には問題がなく、むしろアップルの彼らを売り出すマーケティングのスキルがイマイチだったと思っている。

Apple Corpsが誕生して、ビートルズが先頭を切りHey Jude、Get Backなどのシングルや、ホワイト・アルバム、アビー・ロードとレット・イット・ビーのアルバムで世界的大ヒットを連発させ巨額の利益を生み出したものの、ビジネス・センスのないはちゃめちゃなマネージメントによる多角経営は1974年頃までには崩壊し、結局残ったのはビートルズの曲の管理のみとなった。

短命だったバッドフィンガーもその犠牲者だったと思う。


ハードなサウンドに拘らず

2025年02月24日 | BRITISH ROCK

60年代中期から後期にかけてサイケデリック・ムーブメントなる新しい動きが登場し数多くのバンドが追従した。

そのムーブメントにあえて逆らったのが、キンクスのリーダーのレイ・デイビス。

1967年のアルバム、Something Else By The Kinksからそれまでのエレキ・ギターによるエッジの効いたロックだけでなく、別のジャンルにも踏み込みアクセントを加えた。特にWaterloo Sunsetはビートルズのポールがお得意とする郷愁を誘うシンプルなメロディーのバラードでそれ迄のキンクスのイメージを覆した。

1968年には2年の歳月をかけて制作した、The Kinks Are The Village Green Preservation Societyがようやく発売された。当初LP2枚組で制作するもレコード会社から拒否され、レイがシングル・アルバムとして再編集するなど紆余曲折があったらしい。

(2016年に出たモノ・ボックスからの一枚。このアルバムの中古ってあまり出回っていなくて、たまにオークションで見かけても高い!)

田舎によくある緑豊かな公園(ヴィレッジ・グリーン)を保護する架空の団体がタイトルのコンセプト・アルバムで、イギリスのノスタルジーや田舎の生活に敬意を表した内容と言われていて、それに伴ってハードな演奏はなく全体的にシンプルで大人しめ。

デビュー当時のキンキー・サウンドは一体どこに行ってしまったのか!

玄人筋からは傑作といわれたものの、それ迄の一般のファンは引いてしまい当時はチャート・インさえしない失敗作と言われた。

オイラはのんびりしたこのアルバム結構好きなんだけれどね….

しかしながら、2018年に50周年記念として再発されたこのアルバム、なんと全英チャートで48位を記録。

発売から50年経って、ようやく時代が追いついたってところですかね。


今ではお勧め出来ないNo.1ヒット・レコードかも

2025年02月23日 | ELTON JOHN

長年エルトンのバックを務めていたベースのディー・マレーとドラムスのナイジェル・オルソンがバンドから解雇され、新生エルトン・ジョン・バンドがスタート。

その第一弾が1975年のアルバム、Rock Of The Westiesで、その先行シングルとして発売されたIsland Girl共々全米1位を獲得した。

ただそれまでの無敵の勢いでチャート1位を確保したとも言え、その絶対的な人気に翳りが出てきたと感じさせたアルバムでもあった。

それまでのスタイルとは異なりこのアルバムではロック色が全面に出て荒々しさをより感じさせ、かってのシンガー・ソング・ライター時代の売りのイメージだった繊細さが引っ込んでしまったのが残念。

本日は先行シングルのIsland Girlでも聴いてみよう。

アップ・テンポでキャッチーなこの曲はトロピカルな雰囲気も持ち合わせ大ヒットしたものの、むむ〜、ちょっと歌詞にひっかかりが….

6フィート3インチのビッグなジャマイカのおネイさんが、レキシントン・アベニューと四十七番街が交差する白人の街ニューヨークのマンハッタンで一体何をするつもり?

因みにその理由は明らかにされてはいないけれど、ライブでも1990年以降は演奏されていないそうな。今じゃあらゆる所からクレームきそうで...

まあ、70年代って全体的に大らか過ぎてユルユルでなんでもありだったね。


聴かないレコード

2025年02月22日 | Bowie, T.Rex, Hoople and Glam.

1972年、T.Rexのマーク・ボランは1971年に契約の切れたフライ・レーベルから離れて自身のレーベルT.Rex Wax Companyを立ち上げた。

その第一弾のシングルがTelegram Samだった。シンプルなブギー・サウンドにマークの妖しいボーカルとトニー・ヴィスコンティのオーケストレーションが絡み独特なサウンドを形成した。

シングルは全英1位と大ヒット、セカンド・シングルのMetal Guruもチャート1位を勝ち取り、それらを収録したアルバム、Sliderも前作のElectric  Worrier(電気の武者)には及ばずも全英4位とイギリスにおけるスター・バンドとなった。

この曲とMetal Guruは妙にハマって買った始めの頃はよく聴いた。両曲ともアルバムのそれぞれのサイドの1曲目に収録されていて、1曲目の演奏が終わると何度もリピート。

これだったら、扱い易いシングル盤を買えばよかったのだけれど….

あれから50数年が過ぎ去り、ある日ふと通販サイトを見るとこの思い出多きシングル盤が再発されているではないか!

(ギブソン・フライングVを手に取りポーズ)

速攻でポチったものの、ピクチャー・ディスクなので開封する事なくずっと飾っている。

まあ、たまには無駄遣いしてもいいかも....


ゼップのライブはやっぱりBBC

2025年02月21日 | LED ZEPPELIN関連

1997年、前作のCodaから15年ぶりのアルバムが登場。それがレッド・ツェペッリンのCD二枚組のライブ・アルバム、BBC Sessionだ。

デビューしたばかりのバンドの存在を知らしめるにはやっぱりシングルをラジオ曲でオン・エアーして貰わないと中々認知されない。

しかしながら、3分程度のキャッチーなラジオ・フレンドリーなシングル・ヒッターとは対極の彼らの芸風だったので、ラジオ番組に出演してスタジオ・ライブのような形式で数曲を演奏しトータルで味わってもらおうとBBCの番組に幾度か登場した。

本作は1996年から1971年にかけて番組でオン・エアーされた演奏をまとめたもので、彼らの初期の熱い演奏が楽しめる。

デビューから2年以内の音源ということで、ボーカルがスタジオ盤と同等のハイトーンで歌われているのが売りですかね。彼らの公式ライブ・アルバムは本作だけではないが、キーが引き下げられた後年のライブ音源はスタジオ・アルバムを何度も繰り返し聴いてきたオイラとしてはコレじゃないと感じたものだ。

このBBCのシリーズ、ビートルズ、ストーンズ、クリームなど数多くの著名ミュージシャンが同じように音源を残していて結構耳にする。

すんばらし~の一言。


Let It Bleed

2025年02月19日 | ROLLING STONES関連

1969年のアルバム、Let It Bleedは前年のロック・バンドの復活作とも言えるアルバム、Beggars Banquetと同じ方向性を持った好アルバムに仕上がった。

(2002年に出たSACD。少し抑え目の音圧で上品な仕上がり。近場に置いたサブ・ウーファから出てくる低音により全体的に立体感が出て、2chで聴くより心地よい。)

ちょうどブライアン・ジョーンズがドラッグ中毒によって解雇されあこのアルバムに対する貢献度は低く、さらに新ギタリストとした加入したミック・テイラーも参加した曲が2曲だけとか時のアルバムではあるが、ブルースを基調としたエレクトリック・ロックだけでなくアコギ伴奏のカントリー、更には重厚なクラシック系London Bach Choirをバックに高らかに歌い上げるYou Can’t Always Get Whatr You Wantなど盛りだくさん。

たとえ血が体から流れ出しても止血しないが如く、もう俺たちの好きなようにやらしてと言うメッセージなのかな。


Something Wrong

2025年02月18日 | BEATLES-BADFINGER関連

ビートルズのメンバーの中でオイラの一押しはやっぱりジョージ。

能力の高い先輩たちに囲まれて、腐る事もあったかも知れないけれど自身の真摯で且つ弛まぬ努力によってその隠された才能がついに花開いた。

1969年、アルバム、アビー・ロードからCome togetherとカップルでシングル・カットされたSomethingが英・米でついにA面扱いで発売された。

バンザイ~!

と思いきや、日本での販売元、東芝音工では両曲A面扱いと宣うも何を血迷ったのか実際ジョージの曲はリンゴの切り口がレーベルに印刷されたシングルのB面に収録。

本家の英アップル・レーベルがA面に収録しているのにそれを無視するなんと間抜けな判断とジョージのファンは呟いた事だろう。

音工やっちまったな〜

因みに、バンド結成15周年を記念してシングル盤が1977年に再発された時はSomethingがA面に収録された。

これでようやくNothing Wrong。


一気にスターになってしまうと、まあ色々あるわな

2025年02月17日 | AMERICAN ROCK/POPS

70年代半ばにジム・スタインマンがプロデュースしたブロードウェイ・ミュージカルに出演したミート・ローフ。その歌唱力を買われ、1977年にジムの作詞・作曲によるアルバム、Bat Out Of Hellにてデビューを飾る。

このアルバムが大ヒットし一気に大スターの仲間入り、何しろアメリカだけで通算1,400万枚売れたからね。

ジムはその第二弾のアルバム、Bad For Goodの制作に取りかかかるも、肝心のミート・ローフが仕事のオーバー・ロードや生活における不摂生からなのか声帯を壊した。アルバムはお蔵入りかと思われたが、レコード会社の要望からジムや他の起用したアーティストらのボーカル・コーラスを取り入れてアルバムは1979年に完成。ただミート・ローフのボーカルと比べると悪くはないがやっぱり迫力が足りなかった。

てな事で、1981年にミート・ローフのボーカルによる第2弾のアルバム、Dead Ringerを制作。

ただこのアルバム全英・全米チャートそれぞれ5位・45位とそこそこ売れるも驚異的な前作と比べるとかなり物足りなく感じた。

またこの後ジムとの利益の取り分で揉めたのかこの後二人は暫しの間袂を分つことに。ミート・ローフはジムの手を借りずにアルバムを制作も不発、対して彼が歌う予定であったジムの作品、Total Eclipse Of The HeartとMaking Love Out Of Nothing At Allはボニー・タイラーとエア・サプライらが歌い大ヒットさせ明暗が別れた。

因みにDead Ringerってそっくりさんという意味がある。いまいち売れなかったのは、Bat Out Of Hellの大ヒッチの後すぐにアルバムを出せなかったことが原因なのか、はたまたミート・ローフのそっくりさんが関わったアルバムだと思われたのかな?


摩天楼は本日も曇天なり

2025年02月16日 | AMERICAN ROCK/POPS

本日は社会が直面している様々な問題を独特なフュージョン・サウンドに乗せてシニカルに歌うスティーリー・ダンの1976年の5枚目のアルバム、The Royal Scam(幻想の摩天楼)でも。

 

メンバーがウォルター・ベッカーとドナルド・フェイガンの二人っきりとなって2作目のアルバムで、但し1974年にグループを脱退したデニー・ディアスは本アルバムではゲストとしてギターを弾いているそうな、ライブ公演などバンドとしての活動から解放され彼らの望み通りアルバム制作により注力できる様になった。

ベッカーやディアス以外にもラリー・カールトン、ディーン・パークスのエリオット・ランドールら腕利のセッション・ギタリストを集めギターを中心にサウンドが展開し、非常に歯切れがよくて心地よい。

ただ大都会の摩天楼界隈って一見華やかに見えるもその裏では魔物同士の壮絶な戦いが日々続く。

いくら飯の種とはいえ、どうも安心して住めるところでは無いみたい。


トラファルガー

2025年02月15日 | BRITISH ROCK

本日は1971年、ビージーズのメジャー・デビューから数えて7枚目、またバリーと喧嘩して脱退したロビンがカム・バックして2枚目のアルバム、Trafalgar。

(19世紀初頭、ネルソン提督率いるイギリス艦隊がフランスとスペインからなるナポレオンの連合艦隊をトラファルガー岬沖海戦にて勝利した。)

アルバム全編はバラードで構成され少々地味、しかしながらシングル・カットされたHow Can You Mend A Broken Herart(傷心の日々)は彼らにとって初の全米1位を記録。ただアルバムは全米34位と中ヒット。更にイギリスのチャートではシングルとアルバムの両方が何故かチャート・インさえせず。

やっぱりバラードばっかりじゃ全体的に冗長な印象をもたらし売れ行きに影響したのかも….

かってイギリス軍は海戦では勝利したものの、本作のイギリスにおけるレコード商戦では敗北。


ロッドのソロ4作目

2025年02月13日 | BRITISH ROCK

第1期ジェフ・ベック・グループ解散後、ロッド・スチュワートとロン・ウッドは、スティーブ・マリオットの抜けたスモール・フェイセズのメンバーと合体しフェイセズを結成、また並行してロッドはソロ活動も行うことに。

そのソロ活動による第4弾のスタジオ・アルバムが1972年のNever A Dull Moment。

前作のEvery Picure Tells A Storyに収録されたMaggie Mayが大ヒットしアルバムも同様に大いに売れた。

同じ方向性で制作された本作も大ヒット。アルバム・タイトル通り、退屈さを感じさせない。

因みに個人的にはマーキュリー・レーベル時代のロッドの方が後のアメリカに進出したワーナー時代より好みかな。

アメリカに渡ってからはどうも売れ線を狙って妙にスマートにまとまり過ぎるって感があるのがオイラの見解。

マーキュリー時代の荒削りなロッドに一票!


テキサス・ロック炸裂

2025年02月12日 | AMERICAN ROCK/POPS

1973年の前作、Tres Hombresが全米チャート8位の大ブレークしたZZ Top。

ブルースとブギーを基調にしたテキサス出身の3人組ロック・バンドのシンプルで粘っこさ控えめのキレの良い演奏は後味スッキリ。

続くアルバムは1975年の通算4枚目に当たるFandango!。ここでもチャート10位に食い込み人気を確定。

(ワーナー・レーベルからの再発盤。当時はロンドン・レコードと契約していたものの70年代末にワーナーと契約。後の再発盤はワーナーから出る事に)

本作は片面がライブ録音もう片面はスタジオ録音の変則仕様ではあるが、ライブとスタジオ録音の境界線はあまり感じられなく同じ様なノリで小気味良く聴ける。

ただ日本じゃそれほど人気がなかったのが残念。