


最近100円ショップで買った木箱を使って小型スピーカー・スタンドを作成し、デスク・トップとして両スピーカーから約70センチの距離に鎮座して音楽を楽しんでいる。
10年以上前に買った実売価格1万円ちょっとの小型ステレオ・コンポ用のスピーカーではあるが、近場に設置して聴いてみるとこれはこれで中々迫力のあるサウンドであり、これが結構ツボにはまる。
今まで深夜にそこそこの音量で聴く場合は周りの迷惑にならないようにオープンエヤ・タイプのヘッド・フォンを使っていたのだが、新しい環境では絞った音量で十分なためヘッド・フォンがお役御免ってことになった。
今宵は、迫力のあるブラス・サウンドのロック・バンド、1969年のシカゴのデビュー・アルバム、Chicago Transit Authorityを至近距離で聴いてみる。
(ジャケ表)
(ジャケ裏)
メジャー・レーベルからのデビューで2枚組アルバムとかなり気合いの入った出来の内容となっている。
フラワー・ミュージックでは世の中動かないってことで、当時のカウンター・カルチャーを代表するちょいとハードなロック・サウンドを用いて結構アグレッシブに政治的メッセージを発信していた。
日本じゃ三波春夫が、コンニチワ〜 コンニチワ〜 世界の国から〜 ….1970年のコンニチワ〜♪♪って歌ってた頃だからギャップがすごい。
ところでシカゴのロックを聴いてどれだけの日本のリスナーが政治について目覚めたお方はいたのかな?
多分、Does Anybody Really Know What Time Is It? (一体現実を把握している者はいるだろうか)って問いかけに私を含めてほとんどがNoと答えたのではないかと….
(SONY・CBS設立10周年記念盤の1976年のセカンドプレス、1枚目の2曲目にDoes Anybody Really Know What Time Is It?)
まあそこまで目くじらを立てなくとも、聴く人が楽しければそれでいいのだと思う。
本日はアメリカのシンガー・ソング・ライター、Jim Croceの1972年通算三枚目のソロアルバム、You Don’t Mess Around With Jim。
(ジャケ表)
(ジャケ裏)
デビューは1966年の自主制作アルバム、Facets。もう一枚60年代末にアルバムを出すも全く売れず、その後様々な職につく。
しかし音楽でもう一度食べて行くと腹をくくり、新しい曲をレコーディングし売り込みをかけたものの、多くのレーベルから良い返事を貰えなかった。
最終的になんとかABCレーベルと契約に漕ぎ着けた。
(ABCレーベルは現在存在していない。イギリスのBBC傘下のレーベル、Demonによる再発盤)
そしてアルバム、You Don’t Mess Around With Jimがなんと全米1位を獲得の大ヒット。
歌が特にうまいとか、曲が画期的なものとか、また風貌がハンサムなポップスターとは全く無縁の苦労人Jim Croceが成功したのは、彼の飾らない優しさとか誠実さなんかが丁度求められていた時代だったのではないかと ….
と違いの分からぬ男が知ったかぶりして論じたところで、大して響かない。
You Don’t Mess Around With Jimって言われそう。
まあ、興味のある方は、是非ご一聴。