CLASSIC ROCKを聴こう! PLUS

1960年から1980年代のロックを紹介していきます。またPLUSと言うことで、ロック以外の話題も!

はらいそとは?

2018年06月29日 | JAPANESE
英語で天国もしくは楽園という意味のParadiseはポルトガル語では、Paraiso(パライソ)である。

それが宣教師経由で日本に伝わり少しなまって“ハライソ”と発音さたそうな。

そして1978年、ハリー・細野とザ・イエロー・マジック・バンド名義でたアルバムに“はらいそ”と名付けられた。

ジャケ表

ジャケ裏

二つ折りのインナー、内側の見開きに歌詞と演奏メンバーなどが記載されている。

村井邦彦率いるアルファー・レーベルからのリリース

買った当時は、あまりピンとこなかった。

何しろ、海外のロックをそのままコピーして日本語で歌うような直輸入ロックではなく、古今東西のオールディーズを鍋に掘り込み、電子音楽のスパイスを効かせたごった煮のような感じで、ゆる〜く展開する各楽曲は、当時私のような聴き手にはなかなか焦点が定まりにくく、一聴した感想は何かのジョークかと思えた。

しかしレコード棚からこのアルバムを取り出して改めて聴いてみると、40年前にレコーディングされたとは思えないほど古さを感じなかった。

ヒーリング・ミュージックと言えば良いのだろうか、本当にリラックスできる。

古文で出てくる四面楚歌をもじった中華フレイバーの“四面道歌”やその他の細野晴臣作オリジナル曲もいいが、ジャパニーズ・ルンバ、安里屋ユンタやフジヤマ・ママなどカバー曲のとぼけた感じがすんばらし〜!

この後、坂本龍一、高橋幸宏らとイエロー・マジック・オーケストラを結成し、世界に打って出るわけだが、このアルバムは決してイエロー・マジック・オーケストラの前座的作品ではない独立したアルバムであることを付け加えておきたい。

なるほど40年経ってようやくその価値が分かったってことは、自身が 鈍感人間と呼ばれる故だとも言える。

なんと日本盤には珍しいライナー・ノートが付いていたではないか! やっぱり、私の様な理解に苦しむリスナーに救いの手をって事かな?

無垢なネーチャー・ボーイから嫉妬心の強いおっさんへ

2018年06月28日 | BEATLES-BADFINGER関連
今日インターネットでマザー・ネーチャーなる単語に遭遇した。

翻訳するなら、母なる自然とでもなるのだろうか…..

しかし私のようなビー・ファンともなると、ポールの自作自演曲で、1968年にホワイト・アルバムに収録された、アコースティック系サウンドのMother Nature’s Sonを連想する。


当時、ビートルズの面々は、ヨガの導師、マハリシに興味を抱きその教えなる物を直接感じてみようじゃないかと、インドに渡った。

その時得られた様々な印象から、ポールはMother Nature’s Sonを作曲。

Mother Nature's Son

Born a poor young country boy
貧しい田舎の少年として生まれた
Mother Nature's son
母なる自然に育まれた少年
All day long I'm sitting
一日中座って
Singing songs for everyone
歌をみんなのために歌う

また、ビー・ファンなら“あ〜あれか”と知っている通り、ジョンもインドでの滞在で感じたことを同じくアコースティック調の歌にした。

(I’m just a) Child of Nature

On the road to Rishikesh
リシュケシュへ向かう道中
I was dreaming more or less
夢を見ていた
And the dream I had was true
その夢は本当だった
Yes, the dream I had was true
それは真実だった
I'm just a child of nature
俺は無邪気な少年
I don't need much to set me free
自由はそんなにもいらない
I'm just child of nature
無邪気な少年さ
I'm one of nature's children
その連中の一人さ

ただこの楽曲、ホワイト・アルバムには収録されなかった。

1968年、ジョージの家で行われたデモ・セッションのテープ(ユー・チューブで聴ける、ホント便利な世の中になったものだと)やLet It Be… Nakedの全く聴くことのない2枚目のCD、 Fly On The Wallで20数秒聴くことが出来る。

そこで初めて聴けば、“あれ、これって彼のソロ・アルバム、Imagineに収録されたJealous Guyじゃない!”とびっくり。


(I’m just a) Child of Nature がホワイト・アルバムに収録されなかった理由は、色々と諸説があるようだが、私的には、

1.インド滞在中にマハリシの行動に不信感を持ったため、インドでの瞑想からインスパイヤーされた曲をボツにした。代わりに、マハリシに対する批判とも取れる曲、Sexy Sadieを収録?

2.ポールのNature’s Sonとなんとなく発想が被ったため、ボツ?

3.同じようなアコースティック系の曲に、Juliaが既にあるのでChild of Natureは今回もういいやと収録を却下。後のソロにでもとっておこう。

などと妄想する。

そして、1971年のImagineで歌詞とアレンジを変えてJealous Guyとして蘇る。

無垢なネーチャー・ボーイから嫉妬心の強いおっさんへと転換するわけだ。

なるほど、これはよく分かる。

小さかった時は、あまり周りにも無関心で自由気ままに生きてこれたが、歳を重ねて物欲の世界に身も心も十分浸されると、人によっては周りと比較して嫉妬心なるものが芽生えてくる。

助手:博士は生まれて此の方ずっとネーチャー・ボーイですから、嫉妬心なんてありませんよね?

博士:それって、ちょっとボケてて 周りのこともあまり意識せず、さらに物事をそれほど深〜く考えない鈍感人間ってことかね?

助手:褒め言葉ですよ。あまり嫉妬心を持ち過ぎるとろくな事になりかねませんからね〜

博士:嬉しいような、悲しいような。

Show Me The Wayって急に言われてもね〜

2018年06月26日 | BRITISH ROCK
いつの間にか、ここあそこに白髪が散見される今日この頃。

更に現状を把握するために後頭部に手を当ててみると、 かなり薄くなっているのが分かる。

歳をとると仕方のない事、いずれは誰しも不毛地帯となる。

70年代、長髪を誇っていたハンサムなロッカーも今や見る影もない。

本日はこのお方、ピータ・フランプトン。 21世紀になってからは、見る影もなくあのフサフサとした長髪は何処へ?と言うことで。

今日聴いたのは、彼が大ブレークする前夜の 1975年に出した、ハンブル・パイを脱退後の通算4枚目のスタジオ・アルバム、Frampton.


アルバムに自身の名前、もしくはバンド名を冠する場合は、大体デビュー・アルバム若しくは巻き返すための一球入魂作が相場である。

今回のアルバムは、後者の意味があると思う。

それまで出したアルバムは、内容は良くとも残念ながらアメリカでは、チャートに100位以内に入ることが出来なかった。

メジャーのアーティストに成るにはやはり巨大なアメリカで売れないと。

そこで今回のアルバムは、アメリカのマーケットをターゲットとしたメロディアスなロック・ナンバーが売り。全米32位に食い込み健闘。

曲の親しみ易さに彼のギターテクとルックスが相乗効果となり、レコーディング・メンバーを率いたその当時のツアーの模様を次作のライブ・アルバム、Frampton Comes Alive!として発売し、空前の大ヒットを果たす。

博士:わしもそれにあやかろうと学生時代はロン毛にしたのじゃったが、チートもブレイクせんかったのう〜

助手:そりゃ、ハンサムでなく、短足で楽器も満足に弾けないとなれば、いくらロン毛であっても、そこらにたむろして居る一般的な兄ちゃんと何も変わりゃしませんよ。

博士:その通り。仕方のない事じゃった。

そしてその数年後、ロン毛でビーチ・サンダルの陸サーファーの出で立ちから、会社訪問のために濃紺のスーツと耳全体が見えるリクルート・カットになった時は、これでわしの青春も終わったのかと感じたのう〜

オォ〜 神よ! この私にこれからの生きていく道をお示しあれ〜

Show Me The Way

ジャン〜ジャンジャジャ、ジャン〜ジャンジャジャ、ジャン〜ジャンジャジャ〜♪♪ とアコースティック・ギターのイントロに続いてギター・ソロを模したトーキング・モジュレータの効果音が鳴り響く。

I wonder how you're feeling
ご機嫌いかがですか
There's ringing in my ears
何か聞こえる
And no one to relate to except the sea
だけど関わる者は誰もいない、 海だけが心の拠り所
Who can I believe in
誰を信じればいいのやら
I'm kneeling on the floor
床にひざまづく
There has to be a force
きっと力が湧くはず
Who do I phone
誰に尋ねていいのやら
The stars are out and shining
星が空で輝いている

But all I really want to know
本当に知りたい
Oh, won't you show me the way, every day
どうすればいいのか教えて貰えないだろうか?
I want you to show me the way, yeah
教えて欲しいよ!

神様:日頃不信心な者が困った時の神頼みって、ちょっと虫が良すぎるんじゃねぇ?  自力で解決しなさい!

博士:ハハッ〜

てなことで髪の毛は少なくなったけど、今日までなんとなく自力で生き延びてきました。

ELPにそっくりなバンドがあるって? 何処のどいつだ!

2018年06月22日 | PROG ROCK
イエスのそっくりさんと言えば、アメリカのプログレ・バンド、スター・キャッスル。

ELPのそっくりさんと言えば?

そう、ドイツ出身のバンド、Triumvirat(ドイツ語でトリアンヴィラートと発音するのだろうか、意味は三頭政治)である。

ネズミがジャケットの写真に使われているのは、多分Triumviratの最後の3文字のRatからきているのではないかと。

ELPと同じ3人編成のバンドで、キーボード、ベースとドラムでの演奏が基本。


CDを聴いてみれば、ELPと同じ様な演奏のフレーズも登場するが、彼らよりもライトでメロディアス、すなわちイージー・リスニング的ポップ路線。

1975年に出たアルバム、Spartacusは、ご存知ローマ時代の最強グラディエーターだったスパルタカスの反乱を描いたコンセプト・アルバムで、英語の歌詞で歌われる。



アメリカでジャーマン・プログレ・バンドとしてチャート27位に食い込んだのは成功の部類で、プログレ特有の難解さによる一見さんお断りという姿勢ではなく、誰もが受け入れられる聴き易さを示したからではないかと思う。

しかしながら、このバンド、その後メンバー・チェンジを経て数枚のアルバムを出したものの80年代初め頃に空中分解してしまった。

やはりイエス、KC、ピンク・フロイドそしてELP達の様に後世まで名を残すには、誰かのそっくりさんと言われていてはダメで、圧倒的なオリジナリティーを持つ必要があると感じる。

ところで3人編成のハード・プログレ系の演奏するバンドで思い出すのが、マイナーな存在ではあるが青森出身のバンド、人間椅子だ。

今でも、ユー・チューブなんかで視聴できると思うが、彼らのKCのLarks’ tongues In Aspic, Part IIのカバーが秀逸。

手数の多いドラムの叩き方が、オリジナルのビル・ブルフォードよりハード・ロックよりの演奏で で違和感をもつKCファンも居るみたいだが、私は単なるKCのカバーではなく人間椅子の個性が出てなかなかよろし〜と思う。

人間椅子にはカバーであっても、彼ら独自の色を出して更に突っ走って行って欲しい。

ディランを聴く、その8 箱物に挑戦 ! バイオかブート?

2018年06月21日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

モノ・ボックスとかコンプリート・ボックス、更にはブートレッグ・シリーズなどと謳う箱物がバンバン登場して、今ではディランの豪華セット限定盤はさほど珍しくは無くなってしまった。

ディランというより、もうイランという感じで財布の紐を引き締めねばならない今日この頃である。

ディランのオフィシャルの箱物は、1985年に登場したBiographが最初だったのではなかろうか。

(ボックスを保護するシュリンクが破れない様に、シュリンクの上からテープで補強。)

1962年から1981年にレコーディングされた音源で、21曲のレア音源 を含む計53曲がその制作の時系列を無視してランダムに散りばめられたLP5枚組のボックス・セットが出て大ヒットした。

オン・タイムでは買っておらず、90年代のCD3枚組で再発された物をようやく手にした。

ギター一本での弾き語り古いフォーク・ソングがキタ〜と思えば、次にバンド・アンサンブルによる後年の楽曲が来たりと、単なるベスト物とは異なり変化に富んで個人的には楽しめた。

そして次の箱物と言えば、海賊盤駆逐作戦発動だったのか、1991年にThe Bootleg Series Vol. 1-3が急遽登場。


1961年から89年までのアウト・テイク、ライブを含む未発表曲、計58曲が時系列に従っててんこ盛りに収録された、CD3枚組のボックス・セットである。

ディランの場合、オリジナルのスタジオ録音の楽曲とライブ演奏でのアレンジが全く別物の様に異なっていたり、オリジナルよりもアウト・テイクの方が案外良さげに聴こえたりするので、ファンとしては彼のブートレッグ・シリーズは一概にオリジナルで出されたアルバムよりすべて劣っているとは言えないのが厄介なところ。

CD1には61年から63年頃までに収録された、ギター一本での弾き語り22曲のオン・パレード。

ギャ〜!

その手のアレンジが一般的だった60年代初期であれば、まあなんとか聴き通すことも出来たのであろうが、今改めて聴けばどれもがよく似た単調なアレンジの数え歌調の場合、英語の歌詞の意味を即時に理解出来ない私の様なリスナーにとっては些か退屈。

それに、収録された楽曲全てが素晴らしい出来なら話は別だが、中には個人的になんじゃこりゃ!とカスに聴こえる曲もあるしね〜

しかしCD2になるとお馴染みのメロディーが登場、ここでなんとか聴き続ける意欲を萎えさせるのを抑え、 CD3へとなだれ込む。

考えてみれば、ディランのブートレッグ・シリーズとは、数多くの未発表バージョンの中から良い出来にもかかわらず日の目を見なかった曲を探し出す作業と言うか、まあ宝探しの旅の様な物だと….

通と思しき人のCDのレヴューなんかでよくある、“よくこんな音源がオフィシャルで出てきて、感涙ものだ〜!とか生きててよかった〜!” な〜んて気持ちはあまり起らない 。

まあこの手の箱物に挑戦できる人は、基本的に自称ディラン研究家か私の様な自・他称暇人でなければならないかと….

個人的にBiographの選曲に少し不満はあるが、どちらかと聞かれればバラエティー性が感じられるバイオがブートに判定勝ちかな?


四流コレクターのビー・コレ、その6 まだまだあります雑魚コレの巻

2018年06月17日 | BEATLES-BADFINGER関連
海外からやってきた大手チェーンが、日本では不思議と生きながらえていて、発祥の地にあった店舗がなくなってしまうケースが結構ある。

最近では、トイザラスがアメリカで経営破綻を起こし、今年の3月にはアメリカにある店舗全店を閉鎖と報道された。

近場のショツピング・センターに入居しているトイザラスはアメリカのトイザラスとどのような資本関係になっているのか詳しい事は分からないが、今の所ピンピンしている。

音楽関係では、タワー・レコードとHMVなんかがよく似たような事例だろうか?

シンガポールでも数十年前に、タワー・レコードとHMVが目ぬき通りにあるビルの数フロアを借り受け、メガ・ストアを出店 。

私もシンガポール在住時代はよく通ったものだ。

彼の地の小さなCDショップは、当時彼らの進出によって抹殺の憂き目にあったのだが、やがて21世紀になりCDの店舗販売冬の時代を迎えると、いつの間にか両メガ・ストアさえも消えてしまった。

日本にやってくる会社は多分日本の特殊なマーケット事情で独自の進化を遂げ、更に本社から独立することによって生き延びてきたのではないかと思う。

まあそれはさておき、ビーコレでHMVといえば思い浮かぶのがこれ。

1987年ビートルズのEMI主導で CD化された際、英国のHMVからCDのボックスセットが販売された。

話の種にと、サージャント・ペパーのボックスだけ取り敢えず所有している。

(オリジナルのレコードのジャケ写真と異なる写真が採用され、当時は目新しく感じた)

(箱の中身はナンジャラホイと開けてみると、既発のサージャント・ペパーのCDが真ん中に鎮座)

(付録は、オリジナルのレコードにもついていた、カットアウトと8ページの写真集兼解説書)


(今まで見たことのないモノクロ写真)

(オォ〜と、オマケがもう一つ、サージャント・ペパー20周年記念の缶バッチ)

しかしながら、昨年発売サージャント・ペパーの50周年記念盤が出て、当時のいろいろな写真や資料なども同時にオフィシャルでバンバン出てきたので、今となってはこのCDボックスの希少性はなくなってしまったようだ。

仕方がない、このCDボックスも我が雑魚コレの末席を飾るべく、記念として当分の間所有しておこう。


日本を除いて、今はなきワールド・ベスト・ミュージック・ストアのロゴが物哀しく感じる。

四流コレクターのビー・コレ、その5 団子? ミート・ボール? いや違った、ミート・ザ・ビートルズ三兄弟だ!の巻

2018年06月16日 | BEATLES-BADFINGER関連
2004年の某日某所での出来事。

助手:博士、大変です! アメリカのキャピトル・レコードが、アメリカ編集盤のボックス・セット、The Capitol Albums Vol. 1を紙ジャケCDの形式で出すって言ってましたよ〜

博士:何! それは大変な事じゃ。1980年代後半にジョージ・マーチンが中心となってデジタル・リマスターを英盤のオリジナルで出すと言うことになり、キャピトルはアメリカ編集盤をそれ以降出すことはなくなってしまったからのう〜

好き嫌いは別として、アメリカ独自のジャケット、選曲とアルバムごとの曲数の違いなどコレクターとして捨て置くわけにいかぬ。

そして、あの風呂場で演奏したかのごとく、鋭いエコーのかかったステレオ音源や、モノ録音を使用せず、ステレオ録音から強引にモノラル音源を作成した、例の“偽モノ”バージョンもマニアにとってはヨダレ物じゃ!

販売と同時に購入じゃ!

てなことで、このボックス・セット購入に至る。国内盤ボックスはCD4枚組みでお値段なんと一万円也、日本語の解説書が付いていないが背に腹は変えられないと言うことで言うことで、お安い〜アメリカ盤を購入。

早速ボックスを開封とすると、縦長のスリーブ中には中央で2つ折れになる内箱が入っていて、片方に4枚のCDそしてもう片方にはブックレットが収納されていたわけだが、間抜けな両端解放仕様のこの内箱では、外装スリーブを垂直に立てて内箱を取り出すと、下に位置する内箱から収納物が地面に落下と悲惨な目に会う。


その2年後、Early Beatles、Beatles VI、Help(サントラ盤)、Rubber Soulの4枚組The Capitol Albums Vol. 2が発売。


迷わず購入に至る。

しかしその後、残りのアメリカ編集盤をまとめたVol. 3は発売されることなく、このシリーズもいつの間にか忘却の彼方へと。

2014年の某日某所での出来事。

助手:博士、大変です! アメリカのキャピトル・レコードが、アメリカ編集盤全てを網羅する ボックス・セット、The U.S Albumsを紙ジャケCDの形式で出すって言ってましたよ〜

それに例のYesterday And Todayのブッチャー・カバーも再現されるってことで。

実際のところ、トランク・カバーのシールが付いてブッチャー・カバーのジャケットに、それを貼ったり剥がしたりとして遊ぶ子供騙しのもの。そんな事するならトランク・カバーのデフ・ジャケをオマケに付けろって!

(このボックス・セット、更に間抜けなことに、一部のアメリカ編集盤の特徴ある音源を除いては、英盤の音源に差し替えという暴挙に。これでは厳密に言って米編集盤を忠実に再現した決定版とは言えず、The Capitol Albums Vol. 1とVol. 2の音源もマニアにとっては重要となる。)

博士:何! それは大変な事じゃ。2006年にThe Capitol Albums Vol. 2を出して以来、このシリーズは消え去ってしまったからのう〜

販売と同時に購入じゃ!

てなことで、このボックス・セット購入に至る。国内盤ボックスはCD13枚組みでお値段なんと3万2千4百円也、紙ジャケの出来が日本盤と比べると劣るし更に日本語の解説書が付いていない欠点はあるが、背に腹は変えられないと言うことで言うことで、これまたお安い〜アメリカ盤を購入。

となんとなく10年前と同じストーリーに。

これが音楽業界が編み出した、彼らの生き残りのための秘技“地獄ループ”である。

多くのコレクターがこの技にはまってしまい、ヒイヒイ言っている。

まあ、これを快感だと感じ更に地獄ループに留まりヒイヒイ言ってるコレクター達も散見できる。

ところで、The Capitol Albums Vol. 1は当時買えなかったわけだが、日本盤は不評を買ったコーピー・コントロール仕様だったので、あまり人気がなく売れ残りが発生し、後年2−3千円代と大幅な値下がりがあったとき、発作的に購入した。

(外箱の下部に表記された、燦然と輝くコピー・コントロールのロゴ。どうだ!これでPCにリッピング出来まい!参ったか!な〜んて)

そして、2014年The U.S Albumsが発売されたことによって、ついにミート・ザ・ビートルズ三兄弟を発見することに至る。

(左端は米盤のミート・ザ・ビートルズ、中央は日本盤、米盤がCDが裸で入っていてキチキチのサイズだった。日本盤のジャケはCD保護のカバーを挿入する為少し大きめに制作またジャケ表面がコーティングされている、右端はThe U.S Albumsからの標準サイズのジャケットで、少し大きめとなる。)

オォ! これぞ団子、いや違った、ミート・ボール、いや違った、ミート・ザ・ビートルズ三兄弟!

助手:博士! 遂にやりましたね。

博士:苦節10年、理論上存在可能と推定されたミート・ザ・ビートルズ三兄弟の存在をこの目で遂に確認することが出来たのじゃ〜!

ウゥゥ〜(感極まって咽び泣く)

ところでThe Capitol Albums Vol. 2も後年値段が大幅に下落したとき、これまたすくい上げた。


紙ジャケは、The Capitol Albums Vol. 1の時の様な寸足らずではなく正規のサイズに。そして、商品の脱落奉仕のため箱も縦長のものからブリック・タイプと呼ばれるものに変更。輸入盤も縦長ボックスだけでなくブリック・タイプのボックスも発売される。

音楽業界もなかなか学習能力あるじゃないの。

四流コレクターのビー・コレ、その4 無駄遣いはおやめ下さいの巻

2018年06月15日 | BEATLES-BADFINGER関連
一流ビー・コレクターともなると、ゴールド・パーロフォン・レーベルの Please Please Meから始まる英初回プレス盤のレコード全て集めたり、アメリカ編集のブッチャー・カバー付きのアルバム、Yesterday & Todayの初回盤、若しくはブッチャー・カバーにトランク・カバーを貼り付けたセカンド・プルーフと呼称されるレコード盤を持っていたりする。

そしてさらに通になれば、メジャー・デビュー前のビートルズが、1962年頃にトニー・シェリダンのバック・バンドとして録音した、マイボニー・ツイストなる幻の日本盤シングルなんかを掘り起こしてくる。

(当然のごとくこのシングル盤を持っていないので、 画像はネットからお借りしました。どうもすいません。)

当時のグループ名は、トニー・シェリダンと彼のビート・バンドと記載されていたそうな。

あまり詳しくない人が聞けば、このおっさん一体何の事宣っているの?てなことになるのは間違いない。

50−60年前のレコードで、コンディションの良い中古を探すとなると、レコード一枚あたりの中古市場のお値段なんと数万円から数十万円となる。

とてもじゃないが4流コレクターの私には無理な世界。

私としては普通安くてかつ一般的にはあまり見向きもされないようなものを発作的に購入し、それを眺めて一人ニンマリすることになる。

と言っても、まあビーコレ・コンプリーニストにとってはそれらの商品も当然完クリされていると思われる一般的な商品ではあり、さほど自慢できるものでも無いのだが…..

本日は、1995年から1996年に発売されたビートルズのアンソロジー・シリーズのコレクションについて語る。

アンソロジー・シリーズといえば、ビートルズの活動時期におけるライブ・アクト、アウト・テイクやデモなど未完の音源を集め、全3巻に纏めたものだ。

私の購入履歴は、当時、アンソロジー1(なぜかこれだけ日本盤)、2(EU盤)と3(EU盤)のCD3巻をオンタイムで購入。

(まあここまでは普通だが、一般的なファンであれば、このようなものを買う必要はなく、オリジナルの音源を楽しめば良いと思う。)

そしてDVDとハード・カバーの豪華本も出たのでこれらも購入。

(海外に住んでいた頃買ったので、当然日本語の字幕は付いていない。ただし、英語の字幕をつけてDVDを視聴すればリスニングの勉強になる事請け合い)

(これも海外に住んでいた頃買ったので、当然本文は英語で書かれている。ただし、辞書を紐解きながら訳していけばリーディングの勉強になる事請け合い)

さらにレコードでも出たので、アンソロジー2(US盤)と3(EU盤)を購入。

(何故かアンソロジー1のレコードを買っていないと言う中途半端さが4流コレクターのなせる技。)

懲りずにほとんどショップなんかではほとんど目にしないロング・ボックスに入った輸入盤CDも購入。

(不覚にもアンソロジー3を買い損ねる、中途半端なコレクションとなる。)

これら以外にも、CD1枚の仕様でアンソロジー・シリーズのサンプラー盤なんかもあったが、もう面倒臭くなって入手断念。

3部作の通常盤は、マックのアイ・チューンにCDから音源をダビングしたが、今では聴くことはほとんどない。

そしてDVDは買った当初に興味のあるセクションのみ視聴。完クリにはならず。

豪華本に至っては、収録された写真をチラ見し、解説文は何しろ全て英文なので気になった箇所だけチラ見のみに終わる。

更にレコードとロング・ボックスはあえなく未開封新品のまま撃沈。

まあこの手の音源で構成された企画物は、ビートルズに限らず一回聴いてお腹いっぱいって感じで、今企画物を聴くとすればチューリップによるカバー盤でオーケー。

(何しろ、 ビートルズの曲を財津氏と気楽にハモれるからね。)

と言うこの体たらく。

いらない物をたんまり買ってしまったことに今更ながら気付き、反省の日々を送る。

しかしながら、今回それらの写真を撮ってブログにアップしたので、少なくともこのブログを見ていただいた方々にその存在を知らしめることとなり、このまま死蔵となるよりは少しは浮かばれたのではないかと思う。

チ〜ン〜

四流コレクターのビー・コレ、その3

2018年06月15日 | BEATLES-BADFINGER関連
助手:博士!こんなのも出てきましたよ。

博士:オォ〜 チューリップ、ビートルズを歌うってやつだな。

助手:確か、1976年6月にリリースされた9作目で、アルバム・タイトル、All Because Of You Guys(邦題:全て君たちのせいさ!)という企画物でしたね。


収録曲は
A面
All Because Of You Guys – Prologue
We Can Walk It Out
Your Mother Should Know
I Need You
Another Girl
Here There And Everywhere
The Night Before

B面
Blackbird
Wait
For No One
Lady Madonna
Martha My Dear
Two Of Us
Hey Jude
All Because Of You Guys – Epilogue

とチューリップのオリジナル曲にサンドイッチされた形で、ビートルズの楽曲のカバーが収録されていますね。

博士:少しおふざけもあるのじゃが、ほぼ原曲のアレンジで演奏しておるのう〜

助手: ジョージのI Need Youを除けば、ビートルズのカバーというよりは全てポールの作品をカバーしてますね。

博士:まあ、チューリップのメンバー全員がビートルズ・ファンらしいのじゃが、中でもリーダーの財津和夫氏はよくポール風な曲を作曲しアルバムの中で歌っておる事からして自然にそのようになってしまったのかも知れんのう〜

助手:財津氏には、ジョンの曲よりポールの曲の方が歌いやすかったのかも知れませんね。

博士:このアルバム、彼らの趣味を反映した企画ものと言うよりは、彼らの息抜き若しくはお口直しの様な感じのアルバムと言った方がよかろう。

助手:そうですね。同年の9月に出た次作のオリジナル・アルバム、Melodyは日本的なねちっこい雰囲気満タンのロック・アルバムで、ビートルズのようなさらっとしたロックとは対極に位置するような仕上がりでしたからね。


博士:ほぼ原曲のアレンジ取り入れたカバーなら、ビートルズのオリジナルを聴いていればそれで済む事と言うビー・ファンもいるかも知れないが、まあ、ワシとしては及第点のアルバムじゃ。

英語を母国語とする歌手がカバーすれば、発音なんか自身が歌いやすいように 崩して歌ってることが多いのじゃが、このアルバムでは、粗相の無いようにと発音が綺麗すぎていかにも外国人が歌ってますよ〜って感じが初々しくてなんとも言えんのう〜

だから4流ビー・コレクターとしては、このアルバムはトロ身にあたり外すわけにはいかんのじゃよ。

助手:博士はかなり屈折してますね〜

久々にエリック・クラプトンでも

2018年06月13日 | Jeff Beck, Eric Clapton and etc.

CDの背にある表記を見ながらCD収納棚をサーフしていると、クラプトンのアルバムに目が止まった。

461 Ocean Boulevardというアルバムだ。


なんで目が止まったかと言うと、このCDはDeluxe Editionという2枚組限定盤で背表紙が他のCDより大きかったから。


2004年に再発されたCDで、ディスク1には5曲のボートラ収録、そしてディスク2は当時のライブ演奏が11曲収められている。


( CD2枚組のデジパック仕様の輸入盤。当時シンガポールに住んでいてそこで買った。お値段30.95シンガポールドル。当時のレートだと、2千円ぐらいだったか)

オリジナルの461 Ocean Boulevardは1974年に発売されたのだが、その当時懐具合が寂しくレコードを買えなかった。

当時関西のFM放送に毎週五日ウイーク・デイの夕方6時にアルバム丸ごとオン・エヤーする番組があって、エヤー・チェックすることにした。

エヤー・チェックって言葉今や死語になってしまったが、お金のなかった当時はバーゲンで安物のカセット・テープを買って、ステレオ・レシーバーからの音源をカセット・デッキで録音と本当に良くお世話になったものだ。

この番組は、DJが前もって“3曲続けてどうぞ”なんて合図を送ってくれるのでアルバムの全曲をDJの声が全く被らないで録音出来るという、エヤー・チェッカーにとっては神みたいな番組だった。

ただ、アルバムの収録時間が長すぎて番組に収まりきれない時は、いつも最後の曲が犠牲となってフェード・アウトして放送終了となった。

461 Ocean Boulevardも最後の曲、Mainline Floridaも途中でフェード・アウトし尻切れとんぼの録音となったのを覚えている。

働きだして、大人買いできるようになってからこのアルバムのレコードやCDなどを買い集め、Deluxe Editionも購入した。

しかしながら、オリジナルの461 Ocean Boulevardの音源は、エヤー・チェックしたカセット・テープ時代からかなり聴いてきたので、このDeluxe Editionは開封したもののほったらかしの状態であった。

と前振りが非常に長くなったが、そういや ディスク2の音源今まで聴いたことなかったな〜と思い出し、発売後14年経ってようやく日の目をみることになった。

このライブは、1974年に461 Ocean Boulevardが発売された同じ年の12月、ロンドンにあったロックの殿堂、ハマースミス・オデオンでのライブ。

そのため演奏メンバーはスタジオ録音とほぼ同じメンバーで、1曲目から3曲目にアコースティック・ギターも聴こえるゆったりした演奏だったので、461 Ocean Boulevardのようにレイド・バックしたものかと思いきや、エレキがメインの演奏となるとクラプトンがギンギンにひきまくり、力強くロックしていました。

461 Ocean Boulevardでバック・コーラスを務めたイボンヌ・エリマンも迫力ある歌唱を披露し大変満足。

こんな出来の良いライブ音源今まで聴かなかったなんて!

お金のなかった頃は、今のハイレゾと比べると音質の悪かったエヤー・チェックしたテープではあったが、もっと一曲一曲丁寧に聴いていた気がする。

大人買い出来るようになって、買った時点で満足してしまいそのまま棚の片隅に無駄に埋もれてさせてしまう。

(なんとレコードや通常盤のCD以外に、デカ・ジャケCDなるキワモノも買っていたとは。 とほほ...)

本当ダメな私。

反省の日々。


サウンド・オブ・サイレンスの謎

2018年06月09日 | S&G and etc.

超有名なサイモンとガーファンクルの大ヒット曲。

しかし、この歌のタイトルいつも不思議に思っていた。

何故なら、この歌のタイトルは英語表記ではThe Sounds Of Silence.

Soundsが複数形だから正確にはザ・サウンズ・オブ・サイレンスとなる。

日本語で表記する際、日本人は冠詞にそれほどこだわりを持たない為Theの省略は納得できても、Soundsをサウンドとするのは如何なものかと思っていた。

Wikiで調べると、オリジナルはThe Sounds Of Silenceだったが、1972年発売のSimon & Garfunkel’s Greatest Hitsというアルバムで、ひっそりと The Sound Of Silenceに改題されているではないか!

まあ、そうであっても改題される前のすべての初期アルバムやシングルの邦題は単数の発音でサウンド・オブ・サイレンスとなっている。

で本日ここで登場するのが、映画“卒業”のシングル・サントラ盤。

レコード番号LL-2169-Cは、日本コロンビアから1968年に発売されており、アメリカのコロンビア・レコードが日本での販売権を日本コロンビアからソニーに移行させる少し前のものである。

(卒業の卒の漢字が、九と十を組み合わせた古い俗語の漢字”卆”となっていて時代を感じさせる。しかもダスティン・ホフマンが若い!)

(日本コロンビアから発売されたCBSのレーベル。)

The Sounds Of Silenceは、1ー5番まで歌詞があり、4番目の歌詞を除いて最後にThe Sounds Of Silence~ ♪♪と歌って締めくくられるわけだが、このシングル盤についていた歌詞カードを参照すると、1番から3番目までの歌詞には、単数形のThe Sound Of Silenceと記され、5番目の歌詞はThe Sounds Of Silence~ ♪♪となっている。


確かに耳を澄まして今一度じっくりとレコードを聴いてみれば、1番から3番目まではサウンド〜♪♪と聴こえ、最後の5番はサウンズとしっかりSの付いた歌唱となっていた。

ちなみに、その後ソニーから出たシングル盤の歌詞カードには、すべてSの付いたThe Sounds Of Silenceとなっていた。

(ソニーから出た再発盤、B面がMrs. RobinsonからThe Big Bright Green Pleasure Machineに差し替えられている、ジャケの写真もコピーのコピーだから、ちょいとピンボケ気味)

(CBSソニー・レーベル)

(ホント!全部The Sounds Of Silenceとなっている。)

英語の発音にあまり拘らない日本人なら、複数形のサウンズよりサウンド記載とした方が、“音”という意味を捉えやすいと判断したからなのだろうかね?

まあ、普通レコード会社の営業担当が邦題を決めるので、結構適当〜っていうのもあるのかもしれない。

暇人のつぶやきでした。


3分間の至福を味わう

2018年06月07日 | CCR and John Fogerty

久々にシングル盤を出して聴いてみた。

CCRの1969年のスマッシュ・ヒット、 Proud Mary。



この歌しか浮かばない印象的なオープニングと間奏でのギター・リフ。

ミディアム・テンポの進行でシンプル且つ明るく覚え易いメロディー。

誰でも歌える サビの部分のコーラス。

これが約3分の長さに収められているので、ラジオ局も使い易い。

いいね〜

しかしながらこのシングル盤をレコード・プレーヤーで演奏するとなると、最初にクリーナーで軽く埃を落とし 、シングル盤用のスペーサーを使ってターン・テーブル上に設置。

回転スピードを45に設定後、プレーヤーの針を盤に慎重に落として、すぐさまリスニング・ポイントに移動し着席。

3分後リスニング・ポイントから立ち上がり、プレーヤーからレコード盤を回収しレコード袋に挿入。

レコード鑑賞している時間よりも確実に長くかかるこの一連の儀式は結構大変である。

CDもPCもない時代、私も含めた昔の人は3分間の至福の時を味わうため、この儀式を繰り返してきた。

だから、今よりも結構気合いを入れ大切に聴いていたと思う。

まあ、いつでも手軽に出来るってなると、やっぱり有難みは薄れてしまうからね。

それじゃ、今宵はガンバってシングル盤20枚連続で聴くってのはいかが?

いやぁ〜 それはちょいと時間がかかり過ぎになるので… (汗;)

やっぱりヘタレのおっさんでした。


Lord Is It Mine(すべては闇の中)

2018年06月03日 | PROG ROCK
日本の全国各地に数多くの神社・仏閣が存在する。

その多くがお金をかけて綺麗に整備されているのを海外の人が見ると、日本人って信仰深い人種なんだと思うに違いない。

しかし、実際のところ一般的には“困った時の神頼み”って感じでそれほど信仰心が深いって訳でもない。

おみくじで凶が出たとしても、ちょっとだけお賽銭を弾んで“後よろしくお願いします〜”って感じではないだろうか。

実家の法事にしても、お坊さんが一生懸命お経を読んでいるすぐ後ろで、足に痺れがきて不謹慎にも早く終わってくれないかな〜と、全く形だけの信仰心。

歌の世界でも、歌詞にお釈迦様が登場することはほとんどないのだが、彼の地ではLordという言葉が頻繁に出てくる。

やはり、あちらに住まわれている人の方が信仰心は厚いのではないか?

今日は、英プログレ・バンド、スーパートランプが1979年に出したアルバム、Breakfast In Americaを聴いてみた。


ジャケットのデザインを見ればあれだと一発でわかるアルバムで、英プログレ・バンドで全米一位の売り上げを獲得するなんてピンク・フロイドぐらいで、当時はびっくりしたものだった。


Logical Song やBreakfast In Americaを筆頭に、アルバムから4曲ものヒット・シングルを出した訳だが、その陰に隠れてひっそりと佇む美しい曲、Lord Is It Mine(邦題、すべては闇の中)が中々よろし〜


下手な訳で申し訳ないが、 誤訳を恐れず翻訳に挑戦。

I know that there's a reason why I need to be alone
孤独になりたい理由があるのは分かっている
I need to find a silent place that I can call my own
自分だけの物と呼べる静かな場所見つけないと
Is it mine, Lord, is it mine?
主よ、あなたはそこにいらっしゃいますか?
You know I get so weary from the battles in this life
私がこの世での戦いに疲れすぎていることはご存知だと…
and many times it seems like you're the only hope in sight
いつもあなただけが希望の存在に思える。
Is it mine, Lord, is it mine?
主よ、あなたはそこにいらっしゃいますか?

When everything's dark and nothing seems right,
すベてが闇で、正義なき時
there's nothing to win and there's no need to fight
勝利は無く、戦う必要もない

I never cease to wonder at the cruelty of this land
この地で残酷さに驚くことは決してやめない
but it seems a time of sadness is a time to understand
だけど悲しみを覚える時間は理解をするために費やされるのか….
Is it mine, Lord, is it mine?
主よ、あなたはそこにいらっしゃいますか?

When everything's dark and nothing seems right,
すベてが闇で、正義なき時
You don't have to win and there's no need to fight
勝利することも、そして戦う必要もない

If only I could find a way to feel your sweetness through the day
一日中あなたの慈愛を感じるために、私だけが道を見つけられたらと
The love that shines around me could be mine.
私の周りを照らす愛は私の物となるだろう
So give us an answer, won't you,
答えをいただけますでしょうか?
We know what we have to do,
何をすべきか分かっている
There must be a thousand voices trying to get through.
苦難を乗り切るための千の声がある違いない

感動の名作!

ただ、このアルバム自体がアメリカを風刺したコンセプト・アルバムとして言われているので、反対にアメリカ人の信仰心を揶揄っているのかもしれない。

まあ私としては、真の信仰とはお金じゃないって言っている様な….

これからは、神社仏閣を訪問する際は、お賽銭なしで心から神様・お釈迦様にお祈りしようかと…

いや〜 それはさすがにまずいかと。

“はい!高須クリニック” じゃちょっと違うような...

2018年06月01日 | PROG ROCK
70年代、イエスといえばプログレ・バンド。

残念ながら今の世の中、イエスとくれば高須クリニックとなる 。

70年代当時ののんびりとした感覚は、情報化時代の到来と共にサーキュレートする情報のスピードがアップすることにより、ほぼ絶滅してしまったようだ。

私の仕事でも、海外とのコミュニケーション・ツールは国際電話やテレックス、さらにFAXの時代を経て 今やインターネット全盛の時代となった。

ネットで情報があっという間に伝わる事から商売のスピードも格段に上がり、 さらにネット環境があれば世界中ほぼ無料でコミュニケートできる事もあって、昔のようにのんびり構えていると商機を失ってしまう厳しい世の中になった。

プログレの音源なんかも、当時流行ったレコード 一面を埋めてしまうような長尺の曲を正座してじっと聴く人って絶滅危惧種かもね。

早送りや、スキップの機能で興味のある所だけ聴くって芸当も簡単に出来るから、無駄に時間を使わない。

かく言う私も、アイチューンの曲目リストから聴きたい曲だけをピック・アップしてプレイ・リストを作成してバック・グラウンドで流すというライトな聴き方がメインになってしまった。

古いレコードの音源を聴くには、先ずレコードの洗浄から始まり、しっかり乾燥させた後ターン・テーブルに載せて聴くわけだが、肝心の音楽鑑賞している時間より洗浄・乾燥に費やす時間がかなり長くなる。

1日が24時間しかないから、出来るなら好きな曲を数多く手軽に聴く方が理にかなっている。

しかしながら、イエスというバンドは省略が効かない音作りをしているので、初めから終わりまでじっくりと聴く必要がある。

特にバンドの各時代の制作時におけるメンバーやプロデューサーの交代によって芸風が異なるため、アルバムごとの鑑賞がしっくりくるのではないかと個人的に思う。

本日は、1970年の出た彼らの2作目のアルバム、Time And A Wordを聴いてみた。

英盤のジャケット、いいんじゃない?

米盤のジャケット、このアルバムではスティーブ・ハウがまだ加入していないのに、ジャケットには登場となんといい加減

バンドの全盛期と呼ばれる時代のメンバーだったリック・ウェイクマンやスティーブ・ハウがまだ加入していない頃の作品で、もし後追いで傑作だった“こわれもの”や“危機”を先に聴いてしまったなら、ちょっと物足りない印象は出てくるかもしれない。

しかし1970年のオン・タイムで聴けたなら、新しいロックの到来となったのではないだろうか?

オリジナルソングもいいけど、リッチー・ヘイブンスのNo Opportunity Necessary, No Experience Neededやスティーブン・スティルのEverydaysのカバーに施されたイエスでしかできないアレンジなんかに興味がいく 。

No Opportunity Necessary, No Experience Neededは、元歌に西部劇の主題歌のメロディーを散りばめたアレンジがなされていたり、Everydaysなんかもイエス独特のハードなインプロが加わってスティーブン・スティルスがバファロース・プリングフィールズで歌っていたフォーク調のものとは一味違う仕上がりになっているのが楽しめる。

今回、ロックとオーケストラとの融合という事で、ストリングスをダビングした。

メロトロンはアップ・テンポの曲には対応できないし、シンセも当時はまだ生のストリングスを完全に再現するには至らなかったので、実験的なストリングスのダビングは致し方なかったのかもしれないが、それによってギターの名手ピーター・バンクスの音が後ろに引っ込んでしまったのは残念。

ピーターはその後イエスを脱退し、新バンド、フラッシュを結成しギターを思う存分弾きまくる事となる。

フラッシュのファースト・アルバム、いいんじゃない?

ところで、結構横文字が出てきますな〜

イャ〜 別にカッコつけようとした訳でもないのですが、“はい!高須クリニック”よりは“イエス!高須クリニック”の方がしっくり来る感じに思えたので文全体もそれに準拠した次第で….(汗)