戦慄の王女ってタイトルで、クイーンのファースト・アルバムが欧米のマーケットに半年ほど遅れの1974年3月にようやく日本で発売された。
なんでも歓喜と陶酔の世界に誘惑するニュー・ヘビー・ロック・グループ。ツェッペリンやD・パープルを生んだブリティシュ・ロック界期待の新星、クイーンてな売り文句で登場。ただ1974年頃と言えばハード・ロックも既に廃れ気味で、レゲエとかフュージョンとかロックに新たな方向性が生まれ始め、ちょっぴり遅れて来た野郎どもって感じだったかな。
クイーンは1971年にバンドが結成され、ある程度曲も完成されてたにも関わらず、それから2年経ってようやくファースト・アルバムが完成。更にイギリスの音楽評家からはしょんべん桶なんて意味不明の言葉で酷評されたっけ。
もう少し早くアルバム・デビュー出来ていれば、この時代を先取りしたファースト・アルバムもブレイクしたのではないかと。
因みにクイーン自体は1974年当時には実際のところかなり進化を遂げていて時代の先を走っていた。そのため日本では1974年の6月にセカンド・アルバムのII、年末にサード・アルバムのSheer Heart Attackと一年になんと3枚のアルバムが矢継ぎ早に登場することになり、リスナーは彼らが時代を追い越すポジションに既に辿り着いていたその実力をようやく認識したのであった。
そして、先月そのファースト・アルバムがリミックスされQueen Iとして発売された。
当時バンドが意図したサウンドにリミックスされたのが売りで、ドラムスの音が強調され、また他のサウンドもクリアでより立体的配置され現代的なサウンドに生まれ変わった。
オイラは当時受験の年ではあったもののクイーン初期3部作を聴きまくっていたことからオリジナルの音が少々籠り気味の印象だったにも関わらず今でも愛着がある。ただいつもの事ながら愚かにもついこれ買っちまった次第でありまして。
暇つぶしに、Lairって曲の波形を比較してみた。1986年位初デジタル化した時はフラットなトランスファーで音圧低め。2001年と2015年のリマスターは音圧は上がったものの、ラウドネス戦争終結後の21世紀のリマスターなので上品な味わい。今回の2024年のリミックス盤は波形がオリジナルとかなり異なっていてなんだか別物って感じですかね。