60年代末から70年代にかけてツェッペリン、パープルやその他諸々の英ハード・ロック・バンドが台頭し少々押され気味だったアメリカン・バンドではあったが、その中で持ち前のハードなサウンドで気を吐いたのはグランド・ファンク・レイルロード。
1971年の5枚目のスタジオ・アルバムはE Pluribus Funkも米チャーチ5位まで上り詰める大ヒット。
ちなみにE Pluribus Unum(イー・プルリブス・ウーヌム)とはラテン語で“多数からひとつ”という意味で17世紀に制定されたアメリカ合衆国のモットーで、鷲がそのモットーが書かれた布を加えている図柄が国の認証とかコインのデザインに使用されているいて、のはよく知られているところ。 それを文字ってアルバム・タイトルをE Pluribus Funkとした。日本盤の邦題はそのような面倒な説明を避けるためか、2曲目に収録されているPeople,Let’s Stop The War、すなわち“戦争をやめよう”となった。
(1971年プレス、米盤。シルバー・コインを模した変形ジャケ。そう、俺たちがアメリカ代表のハードロック・バンド!)
今回はカバー曲がない全曲マーク・ファーナーのオリジナルと結構制作のハードルが高かったものの、基本的にはトリオ編成のユニットでいつもながら愚直でシンプルなハード・ロックをわずか1週間程度で録音を完了させる離れ業をやってのけている。
60年代半ば、ニューヨック・メッツのかっての本拠地シェア・スタジアムでビートルズが行ったコンサートにおける観客動員数の記録を上回るノリに乗った彼ら。
ライブに於いて観客を一気に乗せる技はシルバーでなくまさしくゴールド・コイン。