ヒロヒコの "My Treasure Box"

宅録、DAW、ギター、プログレ、ビートルズ、映画音楽など趣味の四方山話

プログレ 今日の1枚 #4 AIRBAG エアーバッグ

2013年04月03日 | プログレ
 The Dark Side Of The Moon(邦題「狂気」。ちなみに先日3月24日がUKにてのリリース40周年にあたるそうだ。) はピンク・フロイドの代表作である。ロック・リスナーにとって知らぬ者はいないほどの名作だ。クリムズンが好きだった私も高校生の頃このアルバムを聴いてフロイドが大好きになった。この大ヒットアルバムの次に注目されながらリリースされたのがWish You Were Here(邦題「炎」)だったのだが、これを初めて聞いた時は「狂気」ほどの感銘は受けなかった。今ならタイトル曲はアコギの練習曲としても愛聴しているのだが。その後制作されたThe Wall ではAnother Brick In The Wall Pt.2 がシングルカットされ大ヒットし、頻繁にラジオでかかるバンドの仲間入りをした。
 前置きが長くなったが、実はフロイドの一連の注目作の中、The Wall の前にリリースされたAnimals* という地味であまり高い評価を得なかった(?)アルバムが私はけっこう好きなのである。中でもDogsという曲は名曲だ。何か独特のコード進行をもち、それが攻撃的かつ美しい。そして、今回紹介するAIRBAG というノルウェーのバンドがそんな時代のフロイドを彷彿とさせる素晴らしいアルバムを作っている。All Rights Removed である。2011年発表の彼らの2作目だ。
 一聴すればこのバンド、フロイド的サウンドだと誰しも思うのではないか。私としてもやはりAnimals時の雰囲気を強く感じる。だが、決してフロイドのコピーで終わっているのではない。ヴォーカルの声質は全然違うし、キーボードのサウンドも今風。曲のコード進行も独特だと思う。ただ、ギターはサウンドもフレーズもD・ギルモアの影響を強く感じさせるので、そこは確かにフロイド「的」ではある。曲中複雑な細かいキメがほとんどなくて、二つのコードが繰り返される中にギターなどのソロが被さりゆったりと曲を盛り上げてくれる。安心して身を任せられるロックという感じだ。うん、やっぱり今風のフロイドを聴いている気がして心地よい…。
 久しぶりにフロイドのアニマルズも聴いてみようか。
(*アニマルズ制作時に、フロイドの次のアルバムでは楽器をいっさい使っていない、というニュースがラジオの番組等で流れていた。それを聞いた人たちは皆???という感じだっただろう。結局ふたを開ければ楽器は普通に使われていたが、なぜそのような話になったのか不明である。動物の声が沢山入っているからだろうか…。)