○最初に
私のギターは、ほとんどがネットショッピングで購入した。これの不利な点は、当たり前だが、現物を手にすることができないこと。感触を確認したり実際の音を聞くことができないし、木製製品としての木目などの視覚部分も写真でしか判断できない。ここ数年間住んでいたほとんどの場所には楽器店がなかったので、仕方ないことではある。逆に良い点は、たくさんのショップの中から欲しいギターを比較検討できること。そして、メールで商品の問い合わせをすると、たいてい事務的な回答で終わるのだが、中には熱心に、細かく対応してくれる場合もあり、そのような時はとても参考になる。幸い、今まで購入したギターはどれもはずれがなく、とても満足している。売る側も責任を持って対応しているのだと思う。そういうわけで、購入に至る途中の経過も自分なりに楽しんできたところである。
○K・ヤイリ YW600-12(12弦)
自分がずっと大事にしてきたのはK.ヤイリの12弦ギターYW600-12である。77年製。30年以上前の学生の頃、アルバイトしてようやく購入したものだ。当時、プログレバンドのジェネシスが大好きで、彼らの曲には12弦ギターが大活躍していた。その影響である。理想の12弦を求めてお茶の水の楽器店を回って物色していた時に、谷口楽器で出会ったのがこの楽器だった。店によると、ヤイリが輸出向けに製作したものと言う。今あらためて見ると、ヘッドには「K.Yairi」と明確に刻まれているが、ペグの裏面に刻まれたロゴマークは「アルバレツ・ヤイリ」のものである(写真参照)。実際に弾いてみて他の12弦と違った美しい音色が聞かれ、また弾きやすく即座に気に入ってしまった。学生の身分ではかなり高額ではあったが、絶対にこれを手に入れようと決断したものである。
購入後、バンドで演奏するため、自分でピックアップをつけた。確かバーカスベリーというブランド製だったと思うが、たまたま手元にあったもので、両面テープで内部に貼り付けた。コネクターをピンジャック部分に付けるため、穴の部分を少し削った記憶もある。一応アンプから音を出すことができ、その結果バンドでの自分のメイン楽器となった。そしてもっぱらジェネシスのコピーに勤しんだ。当時何をやっただろう、スコンク、さざ波、サパーズ・レディの前半部分、ファース・オブ・フィフス、デュークス・エンド…。
後日談になるが、ジェネシスが初来日した78年、当時の某音楽雑誌に機材の紹介記事があり、ベーシストのマイケル・ラザフォードが演奏する12弦は「アルバレツ」製、即ちK・ヤイリの輸出用ブランドであることがわかり、ひどく驚き興奮したものであった。
12弦は、開放弦を生かしながらハイポジションを押さえることで、独特の不思議で美しい響きを得ることができる。それを生かしたオリジナル曲もいくつか作曲した。
今、このギターはケースの中で眠ることが多くなった。時々出して見ると、30数年過ぎてトップの色が濃くなり、良い意味で年期が入ったなと感じる。音も深みが感じられ、よく鳴ってくれる。ただ、ネックがそり気味になっているので修正を図りたいと思っている。要ヤイリさんに相談…。
私のギターは、ほとんどがネットショッピングで購入した。これの不利な点は、当たり前だが、現物を手にすることができないこと。感触を確認したり実際の音を聞くことができないし、木製製品としての木目などの視覚部分も写真でしか判断できない。ここ数年間住んでいたほとんどの場所には楽器店がなかったので、仕方ないことではある。逆に良い点は、たくさんのショップの中から欲しいギターを比較検討できること。そして、メールで商品の問い合わせをすると、たいてい事務的な回答で終わるのだが、中には熱心に、細かく対応してくれる場合もあり、そのような時はとても参考になる。幸い、今まで購入したギターはどれもはずれがなく、とても満足している。売る側も責任を持って対応しているのだと思う。そういうわけで、購入に至る途中の経過も自分なりに楽しんできたところである。
○K・ヤイリ YW600-12(12弦)
自分がずっと大事にしてきたのはK.ヤイリの12弦ギターYW600-12である。77年製。30年以上前の学生の頃、アルバイトしてようやく購入したものだ。当時、プログレバンドのジェネシスが大好きで、彼らの曲には12弦ギターが大活躍していた。その影響である。理想の12弦を求めてお茶の水の楽器店を回って物色していた時に、谷口楽器で出会ったのがこの楽器だった。店によると、ヤイリが輸出向けに製作したものと言う。今あらためて見ると、ヘッドには「K.Yairi」と明確に刻まれているが、ペグの裏面に刻まれたロゴマークは「アルバレツ・ヤイリ」のものである(写真参照)。実際に弾いてみて他の12弦と違った美しい音色が聞かれ、また弾きやすく即座に気に入ってしまった。学生の身分ではかなり高額ではあったが、絶対にこれを手に入れようと決断したものである。
購入後、バンドで演奏するため、自分でピックアップをつけた。確かバーカスベリーというブランド製だったと思うが、たまたま手元にあったもので、両面テープで内部に貼り付けた。コネクターをピンジャック部分に付けるため、穴の部分を少し削った記憶もある。一応アンプから音を出すことができ、その結果バンドでの自分のメイン楽器となった。そしてもっぱらジェネシスのコピーに勤しんだ。当時何をやっただろう、スコンク、さざ波、サパーズ・レディの前半部分、ファース・オブ・フィフス、デュークス・エンド…。
後日談になるが、ジェネシスが初来日した78年、当時の某音楽雑誌に機材の紹介記事があり、ベーシストのマイケル・ラザフォードが演奏する12弦は「アルバレツ」製、即ちK・ヤイリの輸出用ブランドであることがわかり、ひどく驚き興奮したものであった。
12弦は、開放弦を生かしながらハイポジションを押さえることで、独特の不思議で美しい響きを得ることができる。それを生かしたオリジナル曲もいくつか作曲した。
今、このギターはケースの中で眠ることが多くなった。時々出して見ると、30数年過ぎてトップの色が濃くなり、良い意味で年期が入ったなと感じる。音も深みが感じられ、よく鳴ってくれる。ただ、ネックがそり気味になっているので修正を図りたいと思っている。要ヤイリさんに相談…。