香が散る

本を読むのが大好き、少し前からノロノロですが走るのも好き
そんな、代わり映えのしない、でも大切な日々を書き綴っています

おおきなかぶ、むずかしいアボカド

2011-07-09 18:59:24 | 本のこと
村上春樹さんのananで連載していたエッセイ
『おおきなかぶ、むずかしいアボカド』村上ラヂオ2

大好きな春樹さんの久し振りのエッセイは
絵も大好きな大橋歩さんで、涙ものです

春樹さんの、人は人、自分は自分、人それぞれ
そんなスタンスがとことん貫かれている気がして気持ちがいい
最初に何故エッセイを書く気持ちになったのか書かれていて
(もう、春樹節炸裂です)
大橋歩さんの絵を毎回楽しみにしていたことに触れていますが
あとがきが大橋歩さんで、
大橋さんにとっての村上春樹さんは特別な作家で
この仕事をとてもうれしく思われているという
これまた両思いににんまり

中のエッセイひとつひとつ、
心に響いたり納得したり笑ったり
本当にお勧めなので、是非、読んで下さいまし
それぞれの最後に小さな字で書いてある
「今週の村上」も必読の面白さです

本当は、気になっていることや、よかったことを
うわーーっと語りたい気持ちでいっぱいなのだ
なので、ネタバレしないように、少しだけ・・・

地下鉄銀座線の話で、昔は駅に停車する直前に照明が消えたと
(浅田次郎原作の映画「メトロに乗って」でそういう場面がありました)
その瞬間が好きでいつも
「そうだ、人が目的地に着く直前には常に深い闇が訪れるんだ」
と思い、いつも思い出し口ずさむ音楽があるとか

高校生のころ、たくさんの本を読んだ事
ああ、わたしも春樹さん程じゃないにしても読んだなぁ
フランソワーズ・サガン、アガサ・クリスティ、
太宰治、夏目漱石、佐藤さとる
あの頃読んだ文庫本は、色あせてしまって
でもまだ本棚にあるわなんて思い出したりして
春樹さんの、「ただ本を読んでいるだけで幸福だった」
の言葉に頷くばかり

どうして、日本の本屋さんでは男性作家と女性作家にわけているのか
わたしもなんでかなぁ、探しやすいとかなのかなぁと不思議に思っていた
宮本輝さんと村上龍さんに挟まれているのですという文章を読み
はい、知っていますよ。
良くそこらへんはチェックしておりますなんて返事したりして

音楽はときとして抱え込んだ悲しみやつらさを付着させ
自分自身がその重みでばらばらになってしまうことを防ごうとする
なんていう文章にノックアウトなのです

まだまだ興奮覚めやらずですな

今日は,自転車でエルムトンネルの入り口まで行って
北大の中を通って、紀伊國屋札幌本店までゆっくりと走って
また、北大の中を横道にそれながら、ゆっくりと走ってきました
池の蓮の花がきれい

サクシュコトニ川沿いの小さな道はお気に入り

疲れたけど、気持ちよかった