香が散る

本を読むのが大好き、少し前からノロノロですが走るのも好き
そんな、代わり映えのしない、でも大切な日々を書き綴っています

チヨ子

2011-07-17 22:21:11 | 本のこと
宮部みゆきさんの『チヨ子』

1999年から2010年までの個人短編集に未収録の
ホラー&ファンタジー5編を収録し
文庫本で発売されました
いきなり文庫本発売というのは『R.P.G.』以来

ホラーという文字で、実はちょっと腰が引けたのだけど
大丈夫と思い込んで読みました

「雪子」は、読み終わって、こわかった
小学生の頃、幼なじみ5人組のうちのひとりの女の子が殺され
犯人は見つからず,20数年の時が経っての同窓会の夜
亡くなった女の子の幽霊が見えるものと、見えないもの
どちらがこわいか・・・

「おもちゃ」は、宮部さんらしい人の悲しさがあふれていた
小学生のクミコが流す涙が、亡くなった人を救ってくれた気がした

「チヨ子」は、ちょっとこわいファンタジーかな
不思議な話だけれども、自分だったらと考えると
すこしこわいような気がする

「いしまくら」は、直木賞受賞後第1作目だそうで
わたしは、この話が一番心に残って好きだと思う
人は己の見たいものを見る。見るのは心の内側ばかりだ。
良いことも、良くないことも、美しいものも、醜いものも。

お父さんとお母さんの若い時のお話は、微笑ましく
最後はなんだかほっとして読み終えることができる

「聖痕」は、宮部さんの小説を読んでいて出会う
やるせない気持ちがつのる、ちょっとつらいお話

宮部さんの本はやっぱり読みやすくって、
昨日の夜から、今日の移動中と帰宅後少しで読み終えました
短編も、いいですね

今日は、近代美術館でやっている北京・故宮博物院展を見てきました
すっごく混んでてびっくり
音声ガイドを聞きながら、人ごみの中
それでもマイペースで廻ってきましたが
最初に入ってドーンと置いてある、皇后の座椅子に圧倒され
皇后たちの衣装には、目を見張り
西太后の肖像画の前で、しばしぼーぜん
衣装や置物、絵にたくさん描かれている龍や寅が
ユーモラスな顔で意外に感じたりした。
また、たくさんの国宝級の絵は、チャイニーズカラーというか
中国っぽい色使いで、奥行きがあまりないにもかかわらず
今にも物語が動き出しそうなものが多く、見応えあり
もう少し、人が少ないところで、ゆっくり見たかった

用事があって行った三越では
『レオナール・フジタとエコール・ド・パリ作品展』が
開催されていて、見ることが出来ました
フジタといえば、猫の絵
たくさんの表情豊かな猫の絵と、独特な肖像画は見応えありました
少しですが、シャガール、デュフィ、ヴラマンクの絵も
見ることが出来て、大満足でした