香が散る

本を読むのが大好き、少し前からノロノロですが走るのも好き
そんな、代わり映えのしない、でも大切な日々を書き綴っています

それでも猫は出かけていく

2014-10-07 22:16:52 | 本のこと
ハルノ宵子さんの
『それでも猫は出かけていく』



いつでも猫が自由に出入りできるよう開放され、
家猫4匹に加えて、外猫、通りがかりの猫など、
常時十数匹が出入りする吉本家。
そこは、ツワモノ揃いの猫たちばかり。
思想家の父・隆明が溺愛したフランシス子、
ツンデレ捨て猫のシロミ、
傍若無人のチンピラ猫トリオ、
万年風邪っぴきのモテ猫レオ・・・。
吉本家に集う人と猫のしたたかでしなやかな
生態をハードボイルドに描いた、
ユーモア&感動の名猫エッセイ!


思想家・吉本隆明さんを父に
作家・よしもとばななさんを妹に持つ
漫画家でエッセイストのハルノ宵子さんが
お父様、お母様を続けて亡くすまでの
8年間の猫と吉本家の記録エッセイ
ほぼ日の猫屋台を読んで知った本です

ハルノ宵子さんはとても猫が好きで大切で
でも、とても冷静に物事を捉えて行動しているのです
野良猫の♀を捕まえて避妊させたり
野良猫たちの生存率、病気、生態が
赤裸々に、でも淡々と書かれていて
そして、愛情たっぷりで、なんだか感動しました
自宅の猫たちも、外に出るのは自由
でも、必ず自分に問いかけるそうです
「もしもの事があった時、本当に後悔はしないのか?」
「しない」って・・・
猫たちの病気の治療のこともちゃんと考えます
「焼いたらお骨がボロボロだった、
などど怖がる人がいますが、
死んでからお骨がボロボロでなんぼのもんじゃい!と思う
生きている間が華なのです・・・と
生きている限りは手厚く、そして避妊は非情に、が方針
納得というか、説得力というか、気っぷがいいというか
たくさんのデメリットもちゃんと受け止めていて
格好いい人だなと思います

とても良い本を読めてよかった
そして、ほぼ日で連載している猫屋台
どんな風になるのか、とても楽しみです