「悲しくて やりきれない」(昭和43年)
ザ・フォーク・クルセイダーズ
サトウハチロー 作詞
加藤和彦 作曲
胸にしみる 空の輝き
今日も遠く眺め 涙を流す
悲しくて 悲しくて
とてもやりきれない
この やるせない モヤモヤを
誰かに 告げようか
白い雲は 流れ流れて
今日も夢はもつれ わびしく揺れる
悲しくて 悲しくて
とてもやりきれない
この 限りない 空しさの
救いは ないだろうか
深い森の 緑に抱かれ
今日も風の歌に しみじみ嘆く
悲しくて 悲しくて
とてもやりきれない
この 燃えたぎる 苦しさは
明日も 続くのか
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私の記憶が正しければ、私がまだ子供の時、母はよくこの曲を口ずさんでいた。
急にそのことが、私の心に満ち潮のように押し寄せてきた。
さっそくレンタルしてきた。
別に塞ぎ込むほどの「悲しさ」を感じているわけではない。
決定的な「悲しさ」を得たわけでもない。
でも、何となくモヤモヤした感じを払拭できなかった一週間を、
誰かに、何かに代弁してもらわないと気が狂ってしまいそうだった。
人の悲しさのツボは、それぞれ。
幼子を抱え、毎日残業に明け暮れて家へ帰ってこない旦那を待ち、母もきっと悲しさを抱えていたのだと思う。
仲良し親子と自分たちでも実感している我々母子だが、私は母とは異質の悲しさを、自分でも気付かないところで感じているのだ。たぶん。
そう思うと、人間って、なんて孤独な生き物なんだろうと考え込んでしまう。
喜びのツボもきっと人それぞれなんだが、寂しさは感じない。
不思議。