世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

秋の風鈴

2006年11月07日 03時48分18秒 | Weblog
秋の風鈴は物悲しい。

眠れないのでシャワーを浴びた。
湯上りの熱った身体が涼を求める。
窓を開けた。
その刹那、部屋に入り込んできた風が風鈴を揺らした。

季節に取り残された風鈴の音色は、夏のそれとは変わらないはずだ。
しかし、どこか儚げで、ひんやりとした空気に溶け込めない躊躇が感じられる。

先日の同窓会が夢のようだったので、つい、色々と思い出してしまう。
あの時代を思い出して一人でセンチメンタルに浸る自分は、荒涼とした毎日に不協和音を奏でる風鈴のようだ。

時代や季節に取り残されたものにだけに宿る音色を、眠れない夜にそっと奏でてみる。

この時間だけに許される、本当の私の音色。
この時間だから思い切り歌える、悲しい音色。
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