昼休み。
いつもの仕出弁当(レディースランチ)を食べる。
そのあと、株板を見たり(日経平均16,000円台回復♪)、後輩姫君とお喋りをしたあと、喫煙所へ急いだ。
愛煙家に人権がない当社(本社)は、アンネの日記の隠れ家みたいな部屋でのみ、コソコソと煙を吸うことが許されている。
昼休みを逃すと、午後はずっと吸えないので、いつも13時寸前までたっぷりと煙を入れ続ける。
喫煙所にあるフロアに入ると、なぜかたくさんの若人と人事部の人がいた。
どうやら来年の春に入社する予定の若人と人事部との懇談会が開催されているらしい。
きゃぴきゃぴした笑い声を聞きながら
「ふっ、若いぜ。まだまだ世間の荒波を知らないからなのね。せいぜい学生最後の冬を楽しむが良いわ。ふふふ」と意地悪なこと考えつつ、その場を通過しようとした。
そのとき。
「亮子ちゃーん」
と呼ぶ声がするではないか。
人事部の某女性だ。
どうやら写真を撮ってほしいとのこと。
面倒くせー。
私、人事部じゃないのによー。
写真は撮られるものだとしか認識していない私は、あまりカメラというものに触れたことがない。
しかし、よいこの私はそんな心理を隠し、満面の笑みを称えて応える。
「いいですよぅー」
やがて、カメラを渡す人事部の某さんの顔が引きつっていくのを感じた。
それもそのはず。
今日の私は、髪を下ろして、膝上15センチというミニスカートに8センチのピンヒールというイデタチだったんである。
私が入社するときもそうだったんだが、当社は、身なりにうるさい。
髪は縛れだとか、髪の色はレベル7までだとか、スカート丈や爪の色に至るまで、入社当時にみっちりと指導されるんである。
接客をしない本社はユルユルだが、新卒は店舗に配属されることが前提なので、全員あれこれうるさく言われるのである。
店舗から本社に異動になった私は、その異常さに改めて気付くことが多い。
人事部はその指導をする人々の集団なので、みんなきっちりとしている。
もちろん若人たちもリクルートスーツにケの生えたようなものを着用している。
そんなきっちりした雰囲気の中に…アウトローな女が約1名…。
それは…私。
「はい。撮りますよう。いちたすいちは…」というレトロな発言もズレていたらしく、失笑と沈黙が流れた。
「ありがとうございましたー!」
そんな素直な若人の声に、私は「頑張ってくださいね」と言いながら、なんちゃってanego的な笑みで応えた。
引きつり笑いをする人事部にさっさとカメラを返し、喫煙所にてやっと一服。
ぷっはー。
私にもあんなに素直な時期があったのね。
…。
社会人生活、何ページ目で間違えたんだろ。
いつもの仕出弁当(レディースランチ)を食べる。
そのあと、株板を見たり(日経平均16,000円台回復♪)、後輩姫君とお喋りをしたあと、喫煙所へ急いだ。
愛煙家に人権がない当社(本社)は、アンネの日記の隠れ家みたいな部屋でのみ、コソコソと煙を吸うことが許されている。
昼休みを逃すと、午後はずっと吸えないので、いつも13時寸前までたっぷりと煙を入れ続ける。
喫煙所にあるフロアに入ると、なぜかたくさんの若人と人事部の人がいた。
どうやら来年の春に入社する予定の若人と人事部との懇談会が開催されているらしい。
きゃぴきゃぴした笑い声を聞きながら
「ふっ、若いぜ。まだまだ世間の荒波を知らないからなのね。せいぜい学生最後の冬を楽しむが良いわ。ふふふ」と意地悪なこと考えつつ、その場を通過しようとした。
そのとき。
「亮子ちゃーん」
と呼ぶ声がするではないか。
人事部の某女性だ。
どうやら写真を撮ってほしいとのこと。
面倒くせー。
私、人事部じゃないのによー。
写真は撮られるものだとしか認識していない私は、あまりカメラというものに触れたことがない。
しかし、よいこの私はそんな心理を隠し、満面の笑みを称えて応える。
「いいですよぅー」
やがて、カメラを渡す人事部の某さんの顔が引きつっていくのを感じた。
それもそのはず。
今日の私は、髪を下ろして、膝上15センチというミニスカートに8センチのピンヒールというイデタチだったんである。
私が入社するときもそうだったんだが、当社は、身なりにうるさい。
髪は縛れだとか、髪の色はレベル7までだとか、スカート丈や爪の色に至るまで、入社当時にみっちりと指導されるんである。
接客をしない本社はユルユルだが、新卒は店舗に配属されることが前提なので、全員あれこれうるさく言われるのである。
店舗から本社に異動になった私は、その異常さに改めて気付くことが多い。
人事部はその指導をする人々の集団なので、みんなきっちりとしている。
もちろん若人たちもリクルートスーツにケの生えたようなものを着用している。
そんなきっちりした雰囲気の中に…アウトローな女が約1名…。
それは…私。
「はい。撮りますよう。いちたすいちは…」というレトロな発言もズレていたらしく、失笑と沈黙が流れた。
「ありがとうございましたー!」
そんな素直な若人の声に、私は「頑張ってくださいね」と言いながら、なんちゃってanego的な笑みで応えた。
引きつり笑いをする人事部にさっさとカメラを返し、喫煙所にてやっと一服。
ぷっはー。
私にもあんなに素直な時期があったのね。
…。
社会人生活、何ページ目で間違えたんだろ。