世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

クマになった父親

2009年07月25日 22時00分56秒 | Weblog
本日のタイトル…映画「星になった少年」っぽくね?


先日の帰省のとき。
母は言った。
「あ、そろそろクマに餌をやらないと」
と。
真面目に言ったんである。

一瞬何のことだ?と我が耳を疑った。
なんてことない。
父に昼食(冷やし中華)を作ることを指していた。

母よ…いつの間に飼育員になったんだ?
しかも父。
クマになったんだ?
たしかにメタボだけれども。
種族とか超越しちゃったんだ。
ダーウィンもビックリだYO!

昔は互いを尊重しあう夫婦だったのに。
飼育員とクマという主従関係で結ばれているこの夫婦って一体…。
敬語で会話をしていたあの頃のあの夫婦像は幻だったのだろうか。

今日、母はクマ父の歌まで披露していた。
「森のくまさん」の替え歌である。

「ある日
 我が夫
 メタボに
 なっちゃった
 あらあら困った~
 あらあら困っちゃった~」

2番と3番もあるのだが、ここでは割愛。

クマと飼育員の関係といえば、先日、一本のDVDを観た。
妹・芋子がくれたんである。
「白くまピース ~日本初・人工哺育の全記録~」
日本で初めて人工哺育が成功した愛媛県とべ動物園の白くまピースに5年間の密着取材を敢行し、その成長ぶりに迫ったドキュメンタリーである。
飼育係・高市さんと共に生活する様子や幼い頃のピースの微笑ましい姿も多数収録。

母熊の育児放棄によって飼育係の高市さん宅で育てられたピース。
ぬいぐるみのように可愛い。
また、初めての散歩で、必死に高市さんのことを追うピースのモコモコとした様子には骨抜きにされた。
あのシーンだけで、白飯、3杯ぐらいいける。

高市さんが初めてピースを檻の中に入れて帰宅するシーンで泣いた。
「ここから出して頂戴!」
と泣き叫ぶピースがあまりにも切なくて。
人間と白クマという生体の垣根がもどかしかった。

檻で隔てられても、高市さんとピースの仲は変わらなく、私は久々に「愛」などを感じてしまった。

コペルニクス的転回で考えると、我が両親の間にもまだ「愛」が残留しているってことなのだろうか。
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