時として、「 自然 」 は人間の想像を超えて、脅威 となる。
脅威 というよりも、「 自然の猛威 」 というべきか・・・。
元来 「 異常気象 」 と言えば、30年に一度の現象を
表したものだが、今や全く稀有なことではなくなった。
豪雨・土砂崩れ・熱波・洪水・竜巻などの自然災害 が、
頻繁に起こるようになった。
さらに、これらに 地震 が 加わる。
人間の知恵や力が、到底 及ぶことはできない現実だ。

鬼怒川には、大きな被害が あった。
堤防が決壊して、街に濁流が流れ込んで、
温泉街や ホテル・旅館にも 甚大な被害が・・・。
思い返せば、鬼怒川温泉には 何度も行った。
川沿いのホテルに泊まり、部屋のベランダから
身を乗り出して、渓流を眺めながら過ごしたものだ。
早朝、目覚めると・・・野生のサルが餌を求めて
ベランダを歩いていて、ビックリ!
そんな和やかな思い出が 詰まった場所だ。
昨日、仕事でお会いした方の自宅は 床上浸水して、
一晩 “ 避難所 ( 体育館 )” で過ごしたらしい。
スーツも、仕事の資料もないまま 急いで避難したので、
“ 今日は大丈夫だろうか ” と心配されたそうだ。
「 一晩をあかした後で、自宅に帰ったら、今日
着てくるつもりで選んだスーツが 高い場所に
引っ掛けてあったんです。
だから、このスーツは助かったんですよ。」
そう言いながら、苦笑された。
浸水は、腰辺りまできていたそうだ。
命が助かり、家が倒壊していないことに言及しても
おそらく 慰めの言葉にもならないと思った。
明るい方だったけれど、自然災害は 本当に厳しい。
おそらく、帰宅後は 大掃除が待っていることだろう。
被害に遭われた方々に、お見舞いの気持ちが強くなり、
それと同時に芽生えてきたのは、自分自身のことだ。
日々 とらわれている悩みが、とても小さく感じる。
あれも、これも・・・そう思いながら、負担に感じて、
日常を過ごしている私自身が 恥ずかしくなった。
そして、すっかり忘れていた “ 感情の断片 ” や
その “ 背景 ” を、再び思い出させてくれた。
私は、何度も 何度も、「 自然の脅威 」 に触れたし、
被害にあったこともある。
あの辛さや厳しさは、たとえようがない。
「 自然 」 は、もともと、そういうものである。
そういうものであることを、
改めて思い知る。