最高裁判所裁判官の暴走を許さない

最高裁判所裁判官の国民審査は、衆議院選挙の時の「ついでに」ならないようにしましょう。辞めさせるのは国民の権利です。

当然判決いじめ隠蔽教師への懲戒処分

2020-07-18 10:00:56 | 日記
平成31(行ヒ)97  公務員に対する懲戒処分取消等請求事件
令和2年7月6日  最高裁判所第一小法廷  判決  破棄自判  大阪高等裁判所

市立中学校の柔道部の顧問である教諭が部員間のいじめの被害生徒に対し受診に際して医師に自招事故による旨の虚偽の説明をするよう指示したこと等を理由とする停職6月の懲戒処分を違法とした原審の判断に違法があるとされた事例

朝日新聞の報道です。
判決によると、元教諭は柔道部顧問だった2015年7月、上級生のいじめで胸の骨が折れた男子生徒に「階段から転んだことにしておけ」と口止めした。副顧問から校長に伝わり、県教委は、校長の指示に反して加害生徒を近畿大会に出場させたことなどとあわせ、元教諭を停職6カ月の処分にした。元教諭は「重すぎて不当」として16年10月に提訴した。
最高裁は、元教諭は大会のために主力選手の不祥事を隠そうとし、被害生徒の気持ちをないがしろにしたと指摘。「いじめを受けた生徒の苦痛を取り除くことを最優先に対応すべきだ」としたいじめ防止対策推進法の趣旨に反し、医師の診察も誤らせうる「重大な非違行為」と認定した。



事実認定から見ていきます。
(1)
ア いじめ防止法で、自治体と学校はいじめがあったときに対処し問題解決をしなければならない。

地方公務員法29条1項は,職員が同法等に違反した場合(1号),職務上 の義務に違反し,又は職務を怠った場合(2号)及び全体の奉仕者たるにふさわし くない非行のあった場合(3号)においては,これに対し懲戒処分として戒告できる。
県教委は,懲戒処分についての処分基準を定めていない。

(2))ア 被上告人は,昭和57年4月,上告人の公立学校教員に採用され,平成 20年4月,本件中学校に赴任して,教諭として保健体育の授業を担当するととも に,柔道部の顧問を務めていた。
イ A,B及びCに対し,その入学当初から日常的に,自らの残した食べ物等を食べさ せ,食べ切れずに嘔吐したら暴行を加える,手,足,腹等に香水をかけ,気化した 香水にライターで火を付ける,二の腕等をエアガンで撃つなどの暴力行為に及んで いた。


もはやヤクザですね。これはなぜ傷害事件として届けなかったのでしょうか。

ウ D及びEは,同年7月7日,本件中学校内において,柔道部の練習が始まる 前の午前7時頃から,こもごも,Aの顔面を殴り,長さ約1mの物差しでAの頭, 顔及び身体を10回以上たたき,平手で顔面を数回殴打したほか,みぞおちを数回 蹴るなどの暴行を加え,Aに全治1か月を要する胸骨骨折を含む傷害を負わせた (以下,この事件を「本件傷害事件」という。)。

そりゃそうでしょう。

エ 本件傷害事件の後,柔道部副顧問のG教諭に問いただされたAは,階段から 落ちたなどと説明したが,受傷状況等から虚偽と見抜かれ,D及びEから暴行を受 けたことを認めた。G教諭は,同日午前8時頃には被上告人に連絡し,被上告人と 共にAの受傷状況を確認した。被上告人は,Aを一旦下宿先に帰宅させた後,D及 びEから事情を聴取し,本件傷害事件の経緯と加害行為の詳細並びにA,B及びC に対する継続的な暴力行為の内容をノートに記録した上,そのコピーをG教諭に渡 した。
オ 被上告人は,Aが受診することを了承 したが,A及びG教諭に対し,「階段から転んだことにしておけ。」と述べ,Aに は「分かったな。」と念を押すとともに,懇意の医師に連絡すると告げた上,同医 師に電話をかけ,階段で転んだ生徒がこれから向かうと伝えた。
カ G教諭は,同日午後6時頃,学年全体の生徒指導担当の教諭に本件傷害事件 を報告し,H校長も同教諭から伝達された教頭を通じて報告を受けた。


ほとんど内部告発状態ですね。

キ 翌日から同月18日 まで柔道部の練習を休みにし,練習再開後も,D及びEを練習に参加させず,校内 のトイレ掃除等の奉仕活動をさせた。また,被上告人は,A,B及びCの各保護者 に対し,本件傷害事件について報告し,このような事態を招いたことを謝罪した。

甘いなぁ。骨折ですからね。これは治療費・慰謝料含め即現金で示談まで持って行けばよかったのに。というか、問題を解決せず隠ぺいした時点で、プロ意識の完全欠如、懲戒免職でしょう。

(3)ア H校長及び教頭は,平成27年7月10日,被上告人に対し,本件傷害 事件の重大性等に鑑み,翌日に行われる中播地区総合体育大会にD及びEが出場す ることを自粛するよう指導した。

これも甘い。停学処分か退学処分が相当じゃないですか?ましてや武道をやっている生徒ですよ。この監督だからなめられたのかもしれません。

イ その後,H校長は,柔道部の保護者会,A,D及びEの各保護者との話合い 等において,今後の試合にDを出さないと発言したが,自身も柔道経験者であるA の父が反対し,Dを試合に出してほしいと訴えた。

クレーマーの親ですか刑事事件にしておけば解決が早かったのに。校長も甘かったですね。

ウ H校長は,近畿大会に出場する選手としてDを登録することを一旦了承した が,同月29日,市教委からDを近畿大会に出場させてはならないとの指示を受 け,被上告人に対し,職務命令として,Dを出場させないよう伝えた。これに対 し,被上告人は,県大会は出場できて近畿大会がなぜ出場できないのか,納得でき ないなどと反発した。

まだ言うか!と言いたくなりますね。練習中に骨折させたのではなく日常的な暴行事件ですよね。これは心情的に実名を晒してもいいレベルです。

(4)ア 被上告人が本件中学校に赴任した後,柔道部のために,卒業生や保護者 等から洗濯機,乾燥機,冷蔵庫,トレーニング機器等が寄贈され,校内に設置されていたほか,地元企業からはトレーニングハウ スが寄贈されたが,平成24年4月に本件中学校に赴任したH校長は,当時は学校 運営に支障がないと判断し,被上告人に撤去を求めることはなかった。
 イ H校長は,平成26年12月以降,被上告人に対し,本件物品の撤去を複数 回指示したが,被上告人はその後も新たな物品を搬入した。被上告人は,寄贈者に 説明して了解を得るため平成27年9月頃まで撤去を待ってほしい旨及び校長から も寄贈者に説明をしてほしい旨を申し出たが,H校長はこれに応じなかった。


この馬鹿な監督はメンツを潰されたと思ったのでしょうね。

ウ 市教委は,その後,本件物品及びトレーニングハウスにつき学校の備品とし て認められない物として指摘し,教育長は,同年10月20日付けで,施設管理に 係る改善指示書をH校長に交付した。被上告人は,同指示書において期限とされた 同年11月20日までに本件物品及びトレーニングハウスを撤去した。

(5) 県教委は,相応の処分を求める旨の市教委からの内申を受け,平成28年 2月23日,地方公務員法29条1項及び本件懲戒条例5条の規定により,懲戒処 分として被上告人を同月24日から6月間停職とする旨の本件処分をした。

校長も管理不行き届きじゃないですか?私が教育委員会のメンバーなら校長も処分します。

(6)被上告人は,本件処分に係る停職期間が満了する前の同 年6月30日をもって辞職した。

最高裁は

(1) 公務員に対する懲戒処分について,懲戒権者は,諸般の事情を考慮して, 懲戒処分をするか否か,また,懲戒処分をする場合にいかなる処分を選択するかを 決定する裁量権を有しており,その判断は,それが社会観念上著しく妥当を欠いて 裁量権の範囲を逸脱し,又はこれを濫用したと認められる場合に,違法となるもの と解される(最高裁昭和47年(行ツ)第52号同52年12月20日第三小法廷 判決・民集31巻7号1101頁,最高裁平成23年(行ツ)第263号,同年 (行ヒ)第294号同24年1月16日第一小法廷判決・裁判集民事239号25 3頁等参照)。

最高裁昭和47年(行ツ)第52号は職場での労働運動とシュプレヒコールの話で、ここで援用するのはどうかと思います。最高裁平成23年(行ツ)第263号は卒業式で国歌を歌わない国旗掲揚にも起立しないことなので、通常の業務上で上司の指示に指示に従わなかったことに対するので援用はOKだと思います。

(2)ア被上告人による本件非違行為1は,いじめの事実を認識した公立学 校の教職員の対応として,法令等に明らかに反する上,その職の信用を著しく失墜 させるものというべきであるから,厳しい非難は免れない。

これは当然でしょう。高校とはいえ、やっていいこととやってはいけない事の区別を教育し、自分の行為に責任を取らせるのは当然です。ましてやそれを隠ぺいするとは、教師としてのプロ意識の欠如、職務怠慢としか言いようがないです。

イ また,本件傷害事件やそれまでの一連のいじめにおけるDの行為は重大な非 行であり,そのような行為に及んだDについて,教育的見地から,柔道部員として 対外試合に出場することを禁ずることは,社会通念に照らしても相当であって,こ のことは,近畿大会が3年生のDにとって最後の大きな大会となることや,被害生 徒であるAの保護者等がDの出場を支持していたことを考慮しても異ならない。

原審だとそのくらいいいじゃないのさぁ・・・のノリだったようです。地裁はろくでもない裁判官だったようです。

ウ 学校施設 の管理に関する規律や校長の度重なる指示に反したものであり,本件非違行為1及 び2と共に,生徒の規範意識や公正な判断力等を育むべき立場にある公立学校の教 職員にふさわしくない行為として看過し難いものといわざるを得ない。
エ 他方で,原審が被上告人のために酌むべき事情とし て指摘する点は,必ずしもそのように評価できるものではなく,これを殊更に重視 することは相当でないというべきである。


当然の評価だと思います。

(3) 県教委は,懲戒処分についての処分基準を定めておらず,処分を11段階 に区分し,減給及び停職については各3段階としているというのであるが,そのこ とにより適切な処分の量定の選択が妨げられるものということはできない。また, 上告人の主張するように,本件非違行為1を最も重大なものとしてその処分の量定 を選択した上,本件非違行為2及び3の存在等を加重事由として最終的な処分の量 定を決定することも,それ自体が不合理であるとはいえない。

原審では、上乗せで判断するのはおかしいでしょ?という判断でしたが、それは車の免許でも普通に上乗せになって免停、免許取り消しになります。上乗せが自体おかしいというのは、とんでもないです。

裁判官全員一致
裁判長 裁判官 木澤克之
裁判官 池上政幸
裁判官 小池裕
裁判官 山口厚
裁判官 深山卓也

県教育委員会はだらしなさすぎます。懲戒免職レベルだと思いますけどね。
私が中高校生の頃は体育教師はこんな人ばかりでした。気に入らないとぶん殴り、目をかけている生徒が県大会に出ようものならそいつが何をやっても隠ぺい。アホ丸出しばかりでしたが、やっときちんと処分されるようになったのかと思うと時代が変わったなと思います。