稽古は続く。合理的に進める。俳優の主体性を伸ばすことが重要。その上で演劇は、一人ではできないことをやるのだ。音楽要素がこれからいろいろ決まってゆくのが、楽しみ。……七ツ寺共同スタジオ40周年記念公演・七ツ寺プロデュース第18弾『東京アパッチ族』、初日に駆け込む。テントでやった劇を小劇場でやる荒技、劇場の天井にどんどん穴を開けている、つまり「上からの登場」が多いのである。劇場の壁や舞台をじかに色塗りしたのも含め、この大胆さは劇場プロデュースならでは。いろいろ思うことはあるが、あえて感想は記さず。あと十一ステージ、とにかくアングラ劇なのだから、身体も言葉も非日常を獲得できるまで開き、暴れてほしい。老若男女、総勢三十四人が出るプロデュース公演、稽古は毎日夜七時から十時まで、通しも一度だけの制約。それでもやりたいと集まった人たち。名古屋演劇の歴史を支えてきた民間劇場を支え、演劇人が手弁当で集まった公演、もっと準備等の環境を整えるには、見合った支援が必要だ。公立劇場ばかりが公共性を持っているわけではない。……十三年前既に、震災、原発、貧困について、ここまで書いていたのだなあと思う。後半、人々は西に逃げる。原発から白煙が上がる件の台詞には、ぞっとした。在名の批評家M女史は観ている間はかなりの部分を新たに書き足したと思い込んだらしい。まったく書き加えていないのだ。ちなみに、人々に警告する「ヒロセ」というキャラクターは、1988年の『危険な話』という劇からしばらく、私の持ち役であった。その後も何度か登場しているのである。……福島第一原発、冷却用の注水量が低下。しかも原因がいまだに特定できずにいる。報道もきちんとされていない、こんな状態が「日常」化している。なぜみんな平気なのか。「ヒロセ」が訴えるのは「危機の状況」だけではない、「人々への不信」もである。
goo blog お知らせ
最新記事
カテゴリー
- Weblog(6640)
最新コメント
- 稲葉麻里子/今年も、アンネのバラ
- nasaki/午後
- nasaki/午後
- nasaki/映画 『茶飲友達』
- nasaki/ヤンバルクイナは「反戦」の象徴
- ヤマヒデ/POLOと旅した『悪魔をやっつけろ』
- nasaki/燐光群『沖縄戦と琉球泡盛』 本年の公演を終了致しました 皆様、ありがとうございました
- nasaki/生物多様性の宝庫・与那国樽舞湿原の生き物たちは、軍港増設計画で危機にさらされています
- nasaki/いよいよ本日14時の回が東京千秋楽 『沖縄戦と琉球泡盛』
- nasaki/テアトロ12月号に、日本被団協のノーベル平和賞受賞について書きました。
カレンダー
バックナンバー
ブックマーク
- goo
- 最初はgoo