Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

劇王XI アジア大会決勝。平塚直隆が王座を死守。

2017-09-17 | Weblog
劇王XI アジア大会「劇王11」 決勝が、長久手文化の家・風のホールで行われ、現劇王である平塚直隆が、劇王の座を守った。

写真は、閉会式で結果が出るのを待つ、東北代表・遠藤雄史、中国地区代表・亀尾佳宏、北海道代表・上田龍成、平塚直隆、の、めんめん。

平塚直隆は劇王の座を守りはしたが、観客票に救われたところがある。好漢・平塚も、最近、時として、ずうずうしい作風になり、もともと平塚の持つバカバカしくもすがすがしいココロザシのようなものが隠れている感じだ。と、あえて苦言を呈する。あるいは、今の狙いとズレるだろうが、平塚自身が演じる登場人物が、ベルイマンの映画「第七の封印」の死神のように見えるといいと思うし、本人には話したが、何よりももう一人の登場人物のほうの妄想の中で進むストーリーだというふうにしたほうがいいのではないか、と思った。

他の出場者の中では、シンガポール代表のゼルダ・タティアナ・ンさんの作品が印象に残った。
魂が未練を断ち切り成仏することを「ミニバスに乗る」とする、メタファーとリアルの重ね方が、うまくいっている。多言語のお国事情も頷ける。ゼルダの師・故クォー・パオクン氏は、私も親しくさせていただいた劇作家である。シンガポールに初めて演劇学校を作った人である。ゼルダもそこを出ている。クォー・パオクン氏は七十年代に四年も投獄されていた。表現の抑圧という現実は、今の日本から見ると、遠いものではない気がしてしまうのだが。かつてクォー・パオクン作『スピリット・プレイ』を私が上演する話が持ち上がり、ご本人が梅ヶ丘BOXを訪ねて下さったのはずいぶん前のことだ。その約束が実現できれば、と思う。

香港代表のマン・チャン(陳志樺)による作品は、「ワン・テーブル・ツー・チェアーズ」として創られていた。香港のダニー・ユンさんらに「ワン・テーブル・ツー・チェアーズ」というシステムのことを教えてもらったのは、二十年以上前である。
「劇王」のインターナショナル版としての「ワン・テーブル・ツー・チェアーズ」上演の試行も、未来に実現すると嬉しい。

参加者の皆さん、長久手文化の家の皆さん、東海支部の皆さん、他のスタッフの皆様、本当にお疲れ様でした。

西田シャトナーさんとこんなに話したのは初めてだし、天野天外さんとも久々に旧交を温めた。審査員を楽しむことができたことに、感謝する。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする