日本演出者協会「日本の戯曲研修セミナー」in 東京、終了。
別役実『カンガルー』と唐十郎『唐版・風の又三郎』を取り上げていた。
私がシンポジウムに参加した最終日、台風襲来の中、予定を繰り上げ五時すぎに講座を終える。午後八時に電車が止まっている予定と言われたら、手も足も出ない。
私が演劇を始めた頃の演劇についての演劇界隈の人間たちの共通認識は、今の世代にはなかなか継承されていないと思う(もちろん継承というのは批判的でも構わない、そのようであったということを認識している、ということ)。私が若いときにはきっと先行世代の方々がそう思ったことだろうけれど。
別役・唐両氏の作品から学んで育ったところが多いこちらとしてはいろいろ感想はあるが、とにかく戯曲は過去のものも残っていて読めるのだから、演出家も劇作家も、両氏の作品を読んでほしいと思う。
もっと時間があれば、と悔やまれる。西堂行人氏とも話したのだが、両氏やその時代については、自分や、もっと上の世代の、時代の空気を知る者たちが中継し伝えていくべきだったと思うからだ。
セミナーとは別の感想ということになってしまうのだが、両氏の影響が自分にとっていかに大きいか、あらためて思う。やはり他の作家とはぜんぜん違うのである。