Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

五輪ボランティアと「金属供出」。倹約を重ねた上での3兆円予算は、いったい何に使う費用なのか。

2018-10-05 | Weblog

2020年東京五輪・パラリンピックに関わる経費について会計検査院が調べたところ、国の支出は約8千億円で、大会組織委員会が最新の予算として示している1兆3500億円に含まれる経費以外に、約6500億円が計上されていたことがわかった。開催までにさらに費用は膨らむ見通しで、総コストは三兆円に達する可能性があるという。

表彰メダルをリサイクル貴金属で作る東京五輪・パラリンピック組織委員会の計画では、必要なメダル数は、金銀銅で合わせて5000個程で、金だけで約40キロ、銀約4900キロが必要という。

銀が大幅に足りないとして環境省が秋から小中学校に協力を呼びかけ、廃家電などのリサイクル貴金属の回収を強化するという。使用済みの携帯電話やパソコンとかである。回収ボックスを設置している学校は本当にあるのだろうか。

それにしても戦時中の「金属供出」と同じである。そんなに金がないならオリンピックなどやらなければいいのである。

五輪・パラリンピックのボランティアも募集されているが、「10日以上の活動が基本」「宿泊は自己手配、自己負担」という。必要なボランティアは大会組織委員会、東京都の募集分を合わせ、11万人に上るという。

条件は開催時に18歳以上だから、大学生・専門学校生が多く見こまれている。文部科学省とスポーツ庁は七月、全国の大学や高等に対し、20年夏に学生がボランティアに参加しやすいよう、授業や試験日程を弾力的に変更できることを通知した。この「特例措置」通知を受けて、明治大、立教大、国士舘大などが 2020年の五輪期間中の授業、試験を取りやめることにした。ボランティアの研修などで授業を欠席する場合は「公欠」とすることも決定したという。

東京五輪のスポーツドクターの仕事依頼も「無償」という条件だったりしているという。専門職までボランティアで賄おうとしているのだ。

 

では、倹約を重ねた上での、その「1兆3500億円+約6500億円」は、いったい何に使う費用なのだ。

 

「東京五輪 学生ボランティア応援団」という謎の組織は、「東京五輪組織委員会の皆さんは、私たち学生に、やりがい溢れるボランティアの機会を与えてくださろうとしています。日本には昔から、「若いうちの苦労は買ってでもしろ」ということわざがありますが、この貴重な機会を、組織委の皆さんはなんと無料で提供してくださるのです!! こんな機会、ほかにあるでしょうか? 」という。よくよく読めば、「就職にも直結するのは確実です。東京五輪のスポンサー企業には、日本・世界を代表する名だたる大企業が連なっています。 東京五輪でのエピソードをESや面接に盛り込めば、内定間違いありません! 」というのである。

学徒動員をイメージさせるボランティア募集CMも評判が悪かったが、なんとも世知辛い。

 

いまやネットでなんでも世界中に発信されてしまう時代である。日本の段取りの悪さ、杜撰さ、金銭へのせこさは、五輪によって、よりいっそう知れ渡ることになる。

今からでも遅くはない。やはりオリンピックは中止にして、「英断の出来るスマートな国」として、イメージ改善を図るべきであろう。

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