「アートヴィレッジTOON戯曲賞2018」、公開審査会を経て、以下のように決まりました。
大賞:「草の家」 劇作家名:守安 久仁子 (岡山県岡山市在住)
優秀賞:「滲む山」 劇作家名:稲田 真理 (大阪府大阪市在住)
佳作:「地球と金魚」 劇作家名:上原 裕美 (大阪府大阪市在住)
「アートヴィレッジTOON戯曲賞2018」、公開審査会を経て、以下のように決まりました。
大賞:「草の家」 劇作家名:守安 久仁子 (岡山県岡山市在住)
優秀賞:「滲む山」 劇作家名:稲田 真理 (大阪府大阪市在住)
佳作:「地球と金魚」 劇作家名:上原 裕美 (大阪府大阪市在住)
内田裕也氏が亡くなったという。
ああ、一つの時代が終わりつつあるのだ、と、あらためて思う。
ロッケンローラーとしての、樹木希林の夫としての氏の、様々なことは、私は語る立場にない。
私にとって印象的なのは、氏が、七十年代後半〜八十年代の日本映画を牽引した存在であるということだ。
主演者としてだけではなく、企画じたいに関わりながら、問題作を連打した。
中でも極だっているのは『水のないプール』『コミック雑誌なんかいらない!』だと思う。
『水のないプール』は、1982年2月に公開された、若松孝二監督、内田栄一脚本、内田裕也主演による問題作である。
この三人それぞれが、圧倒的な存在感を示した作品だと思う。
大野克夫の音楽も素晴らしい。
ただ、この映画、過去のものだからそのように語られることは少ないが、いま新たに作られたとしたら、究極のセクハラ映画として糾弾されるだろう。
『コミック雑誌なんかいらない!』は早稲田祭での初上映、最初のナレーションがタモリになる前の完成寸前の版を観て唸ったのを憶えている。
その頃の私は同郷の大先輩としての内田栄一氏と親しくしており、演劇人としては〈東京ザットマン〉という集団をやっていた内田氏と、その仲間で『竜二』を作る寸前の金子正次と出会って、たいへんな刺激を受けたことを憶えている。現在燐光群の川中健次郎も、金子正次と共に〈東京ザットマン〉の主軸俳優だった。
『九月、東京の路上で』の加藤直樹氏も、八十年代の子だと思う。
バブル前、社会批評そのものがエンターテイメントになり得た時代である。
いいところも悪いところもある。
自由さと、旧時代の幾重もの抑圧の連鎖に向き合うこと。「軽さ」に深遠さを見出すことと、時流に乗ることを鋭敏さと錯覚する浅はかさ。それらの、混在。
いずれにしろ、言語化することさえ辟易する現在の「重さ」とは、著しく違う。
過去を振り返り、これからがどうなるのか、暗澹とする。