Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

映画『金子文子と朴烈』と、演劇『九月、東京の路上で』の三月

2019-03-28 | Weblog

映画『金子文子と朴烈』と、演劇『九月、東京の路上で』は、ぜひともセットで、観ていただきたい、と多くの関係者が言ってきたが、『九月、東京の路上で』東京公演は、いよいよ3月31日 (日) まで。下北沢ザ・スズナリ。

『金子文子と朴烈は、シアター・イメージフォーラムで、小さい方の劇場に移ったが、まだまだ続映されるはず。

『九月、東京の路上で』の作者・加藤直樹も、映画『金子文子と朴烈』日本国内での展開に協力している。 

『九月、東京の路上で』3/29夜の部・終演後のトークゲストは、映画『金子文子と朴烈』に裁判官役で出演している、金守珍さん。

 

28(木)14:00

29(金)19:00

30(土)14:00 + 19:00

31(日)14:00

http://rinkogun.com/Kugatsu_Tokyo_March.html


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『九月、東京の路上で』東京 下北沢ザ・スズナリ公演は、あと四日。

2019-03-28 | Weblog

『九月、東京の路上で』東京 下北沢ザ・スズナリ公演は、あと四日。

当日パンフレットに書いた私の文を掲載します。

 

あえて悪夢とは呼ばない 

私自身の関東大震災についての最初の印象は、吉村昭著『関東大震災』を十代で読んだときの衝撃によって形成さ れている。 四万人が避難していた陸軍被服廠跡を、台風に近い低気圧による強風、そして周囲の火災が引き起こす「火炎旋風」 が襲い、人々は宙に舞い上がり、飛ばされ、三万八千人が亡くなる惨事となった。現在の墨田区・横網町公園とその 周辺である。そして、両岸の火を避けすし詰めとなった多くの逃げ場のない避難民を乗せたまま焼け落ちた、永代橋の地獄図。隅田川に何百もの溺死体が浮かんだという。その二つのイメージは、都市の自然災害の最悪のケース として、考えるだにおそろしかった。 そしてそれ以上に、災害事故ではない、差別が暴力として爆発した「朝鮮人の虐殺」という、厳然たる歴史上の事実 に、戦慄した。今回の企画のため資料を集めても、なかなかその全貌がつかめない。多くの証拠は隠滅されている。 そして今も、やはり隠されている。この社会から隠そうとする者たちの意志を、感じる。 二〇一七年九月、加藤直樹さんに誘われ、「朝鮮人虐殺犠牲者追悼式典に対しての追悼メッセージ送付を取りやめ た小池百合子都知事の決定に抗議する声明」を出す連名に加わった。 追悼メッセージ送付取りやめは、史実を隠ぺいし歪曲しようとする動きに、東京都がお墨付きを与えてしまうこと になる。それは追悼碑そのものの撤去にまで進むのではないか。差別による暴力を容認することで、災害時の民族差別的流言の拡散に再びつながってしまうのではないか。新たな事件が起きることを誘導してしまわないか。と、 この声明は指摘している。 その機会に、あらためて『九月、東京の路上で』を読み、これを劇にしようと思った。私の劇団が継続してきた翻訳 報告劇(バーベイタム・シアター)の系譜にあてはまるだろうということもあったが、『九月、東京の路上で』という 書籍が今現在の日本に存在しているという事実そのものが、演劇的な仕掛けになるという直観がはたらいた。 これから皆さんが御覧になる劇の中で、俳優たちが持っているのは、台本ではない。加藤直樹著「九月、東京の路上 で」の、単行本そのものである。

俳優たちは皆、まず、この本を手に、舞台に登場する。 彼らが演じるのは、この本をガイドブックに、東京の関東大震災下の虐殺現場跡地を歩いてみる人々である。 私自身、『九月、東京の路上で』を案内者として、東京都下の「虐殺の現場」を巡るツアーを敢行した。加藤さんたち の五年前の作業を追体験することで、たんなる取材とは違う、充実があった。それは東京の歴史と真実を探訪する 巡礼の旅であり、自分たちの住んでいる場所を見直す作業としても、意義深かった。 稽古をしていて思ったことは、今回の劇の内容は、とことん日本側から見た「関東大震災」であるということだ。どうもこうもない。「日本人」を描くことを、主眼としている。これは加藤さんの著作の問題ではない。一重に、私の内 的な葛藤の産物だ。 虐殺は、事実である。しかし私はあえて「悪夢」とは呼ばない。ひどい出来事だが、決して夢ではない。現実に起き たことだ。誰が加害者かははっきりしている。惨劇の数々を起こした側のコミュニティーに属する者には、それを「悪夢」と呼ぶ権利はない。そのことを見据え、逃げないことが必要だ。

この劇には、亡霊は登場しない。「複式夢幻能」のような構造は、とらない。あくまでも今現在の我々の「体験」とし ての、舞台表現である。

「九月、東京の路上で」に記されているそのままに、この一冊の本を私たちが共有することで、事実から、風景から、「感じる」ことが、主眼である。 

坂手洋二(劇作家・演出家 燐光群主宰 二〇一八年七月記) 

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29(金)19:00
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中川五郎さん「トーキング烏山神社の椎ノ木ブルース」を、『九月、東京の路上で』舞台上で歌う!

2019-03-28 | Weblog

昨夜の『九月、東京の路上で』終演後はフォーク歌手の中川五郎さんを迎えてのトーク。

舞台上で「トーキング烏山神社の椎ノ木ブルース」も歌って頂きました。

こちらも加藤直樹氏の原作『九月、東京の路上で』が原本。

素晴らしい歌。情熱。厳しさと優しさ。

ありがたいことです。


『九月、東京の路上で』東京 下北沢ザ・スズナリ公演は、あと四日。

28(木)14:00

29(金)19:00

30(土)14:00 + 19:00

31(日)14:00

http://rinkogun.com/Kugatsu_Tokyo_March.html

 

 

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