『ストレイト・ライン・クレイジー』、小劇場演劇としての美術についていえば、基本の考えは、素舞台。まわりは黒い壁、パネル。シンプルそのもの。でべその張り出し舞台は正方形であったり、細かい想像力のライン構成など、作り手の考え方は反映されている。舞台の材質は、板でも布でもない、秘密素材。どの席からでも、上から見下ろすことができる。観客の想像力を広げるものになっている。
ただ、素舞台とはいっても、実際に俳優が触るものとしての、設計図面の衝立、机、椅子、等は、前半の作業場の場面に登場する。
ワシントンスクエアの道路建設反対集会の場面には、反対派の看板を作った。実は全て実際に使われたものをアレンジしている(https://ephemeralnewyork.wordpress.com/2014/04/12/the-1950s-plan-for-a-washington-square-highway/)。椅子は一つ一つ違います。そして、大勢集まる反対派の人たちの衣裳は、一九五五年当時のファッションを反映し、カラフルだがなじむものになっている。衣裳が美術、という方針である。(写真)
後半は、オフィスを表現するために、青い机の印象を強く。そして、抽象にも見えるセットが飾られている。
転換の鮮やかさも、美術の一部。
そして、もちろん、照明が、そのビジュアルの全てを支え、空気をつくっている。
プレビュー初日から八日経ちました。中日だそうです。「なかび」。真ん中の日、ですね。今日のツーステージを終えたら、ちょうど全20ステージのうち10ステージ終了の、折り返し地点になります。
一日二回公演は、初めてです。猛暑に打ち勝って上演します。
残り、7月30日までの、九日間、お見逃しなく。
今夜22日夜19時の回は、お席に特に余裕があります。土曜日や日曜日の夜には、なかなか出歩かない時代になってきているのですね。コロナ禍がそれに拍車をかけました。
写真・手前が、武山尚史。南谷朝子、鴨川てんし、川中健次郎、坂下可甫子、樋尾麻衣子、尾形可耶子、西村順子、徳永達哉、瓜生田凌矢、島藤昌代。
撮影・姫田蘭。
作 = デヴィッド・ヘア、翻訳 = 常田景子、演出 = 坂手洋二
出演 = 大西孝洋、猪熊恒和、森尾舞、武山尚史、南谷朝子、鴨川てんし、川中健次郎、坂下可甫子、遠藤いち花、中山マリ、樋尾麻衣子、尾形可耶子、西村順子、徳永達哉、瓜生田凌矢、島藤昌代
照明◯竹林功(龍前正夫舞台照明研究所)音響◯島猛(ステージオフィス )舞台監督◯森下紀彦 美術◯じょん万次郎 音楽◯太田恵資 衣裳◯小林巨和 擬闘◯山村秀勝 演出助手◯水野玲子 イラスト◯石坂啓
一般前売 3,800円(当日4,200円)
ペア前売 7,000円
U25/大学・専門学校生 2,000円(要・証明書)
高校生以下 1,000円(要・証明書)
プレビュー 3,000円(人数制限・全席自由・撮影等あり)
受付開始:開演40分前、開場:開演30分前
本日以降のタイムスケジュール(坂手洋二とゲストによるアフタートークを下記の日程で行います。詳細は燐光群ウェブサイトでご確認下さい)
7月22日(土) 14:00/19:00
7月23日(日) 14:00
7月24日(月) 19:00
7月25日(火) 14:00 巽孝之(慶應義塾大学名誉教授、慶應義塾ニューヨーク学院第10代学院長)小谷真理(SF&ファンタジー評論家)
7月26日(水) 19:00
7月27日(木) 14:00/19:00 水野玲子(文学座、演出家)
7月28日(金) 19:00
7月29日(土) 14:00/19:00 石坂啓(漫画家)
7月30日(日) 14:00
『ストレイト・ライン・クレイジー』上演情報
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https://rinkogun.com/portfolio/20230714_straight_line_crazy/