Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

小劇場演劇の美術について 『ストレイト・ライン・クレイジー』、中日(なかび)です

2023-07-22 | Weblog

『ストレイト・ライン・クレイジー』、小劇場演劇としての美術についていえば、基本の考えは、素舞台。まわりは黒い壁、パネル。シンプルそのもの。でべその張り出し舞台は正方形であったり、細かい想像力のライン構成など、作り手の考え方は反映されている。舞台の材質は、板でも布でもない、秘密素材。どの席からでも、上から見下ろすことができる。観客の想像力を広げるものになっている。

ただ、素舞台とはいっても、実際に俳優が触るものとしての、設計図面の衝立、机、椅子、等は、前半の作業場の場面に登場する。

ワシントンスクエアの道路建設反対集会の場面には、反対派の看板を作った。実は全て実際に使われたものをアレンジしている(https://ephemeralnewyork.wordpress.com/2014/04/12/the-1950s-plan-for-a-washington-square-highway/)。椅子は一つ一つ違います。そして、大勢集まる反対派の人たちの衣裳は、一九五五年当時のファッションを反映し、カラフルだがなじむものになっている。衣裳が美術、という方針である。(写真)

後半は、オフィスを表現するために、青い机の印象を強く。そして、抽象にも見えるセットが飾られている。

転換の鮮やかさも、美術の一部。

そして、もちろん、照明が、そのビジュアルの全てを支え、空気をつくっている。

 

プレビュー初日から八日経ちました。中日だそうです。「なかび」。真ん中の日、ですね。今日のツーステージを終えたら、ちょうど全20ステージのうち10ステージ終了の、折り返し地点になります。

一日二回公演は、初めてです。猛暑に打ち勝って上演します。

残り、7月30日までの、九日間、お見逃しなく。

今夜22日夜19時の回は、お席に特に余裕があります。土曜日や日曜日の夜には、なかなか出歩かない時代になってきているのですね。コロナ禍がそれに拍車をかけました。

 

写真・手前が、武山尚史。南谷朝子、鴨川てんし、川中健次郎、坂下可甫子、樋尾麻衣子、尾形可耶子、西村順子、徳永達哉、瓜生田凌矢、島藤昌代。

撮影・姫田蘭。

 

作 = デヴィッド・ヘア、翻訳 = 常田景子、演出 = 坂手洋二

出演 = 大西孝洋、猪熊恒和、森尾舞、武山尚史、南谷朝子、鴨川てんし、川中健次郎、坂下可甫子、遠藤いち花、中山マリ、樋尾麻衣子、尾形可耶子、西村順子、徳永達哉、瓜生田凌矢、島藤昌代

照明◯竹林功(龍前正夫舞台照明研究所)音響◯島猛(ステージオフィス )舞台監督◯森下紀彦 美術◯じょん万次郎 音楽◯太田恵資 衣裳◯小林巨和 擬闘◯山村秀勝 演出助手◯水野玲子 イラスト◯石坂啓  

 

一般前売 3,800円(当日4,200円)
ペア前売 7,000円
U25/大学・専門学校生 2,000円(要・証明書)
高校生以下 1,000円(要・証明書)
プレビュー 3,000円(人数制限・全席自由・撮影等あり)

受付開始:開演40分前、開場:開演30分前

 

本日以降のタイムスケジュール(坂手洋二とゲストによるアフタートークを下記の日程で行います。詳細は燐光群ウェブサイトでご確認下さい)


7月22日(土) 14:00/19:00
7月23日(日) 14:00
7月24日(月) 19:00
7月25日(火) 14:00 巽孝之(慶應義塾大学名誉教授、慶應義塾ニューヨーク学院第10代学院長)小谷真理(SF&ファンタジー評論家)
7月26日(水) 19:00
7月27日(木) 14:00/19:00 水野玲子(文学座、演出家)
7月28日(金) 19:00
7月29日(土) 14:00/19:00 石坂啓(漫画家)
7月30日(日) 14:00


『ストレイト・ライン・クレイジー』上演情報

https://rinkogun.com/portfolio/20230714_straight_line_crazy/

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巽孝之先生の退職記念論集最終章『アメリカ文学と大統領:文学史と文化史』出版記念会

2023-07-22 | Weblog

昨日は、巽孝之先生の退職記念論集最終章『アメリカ文学と大統領:文学史と文化史』(巽孝之監修、大串尚代、佐藤光重、常山菜穂子編著/南雲堂)の出版記念会。国際文化会館。私も発起人の一人でしたので、編者諸氏、多くの執筆者の皆様に混じって、参加。

 

さて。巽孝之さんと小谷真理さんのお二人は、

『ストレイト・ライン・クレイジー』7月25日(火)14時の回、アフタートークに出演なさいます!

 

巽孝之さんと小谷真理さんは現在、基本的には『ストレイト・ライン・クレイジー』の舞台であるニューヨークにお住まいです。私も3月に訪問させていただきました。たいへんお世話になりました。

アメリカ文学の第一人者である巽さんと、SF・ファンタジーに留まらず、現代社会についてさまざまに批評される評論家の小谷さん。お二人とは3年前、「Panic Americana (パニック・アメリカーナ)」25号で、かなり長い鼎談をしました。

お話しできるのが、とても楽しみです。

 

7月25日(火)14時の回、終演後。 下北沢ザ・スズナリ。

 

巽孝之(慶應義塾大学名誉教授、慶應義塾ニューヨーク学院第10代学院長)プロフィール

1955年東京生まれ。
アメリカ文学・批評理論専攻。日本アメリカ文学会第16代会長、日本学術会議連携会員。主な著書に『サイバーパンク・アメリカ』(1988年度日米友好基金アメリカ研究図書賞)、『ニュー・アメリカニズム――米文学思想史の物語学』(1995年度福沢賞)、『リンカーンの世紀』、編訳にラリイ・マキャフリイ『アヴァン・ポップ』ほか多数。

 

小谷真理(SF&ファンタジー評論家)プロフィール

国内外でフェミニズム批評活動する著述家。著書『女性状無意識』(勁草書房)で日本SF大賞受賞。共訳書ダナ・ハラウェイ他『サイボーグ・フェミニズム』(水声社)で日本翻訳大賞思想部門受賞。日本経済新聞木曜夕刊「今週のおすすめ」のSF&ファンタジー欄を月一回でかれこれ33年ほど担当。他の著作に『テクノゴシック』(ホーム社)、訳書にジョアナ・ラス『テクスチュアル・ハラスメント』(インスクリプト)など。近刊は、『性差事変――平成のポップカルチャーとフェミニズム批評』(青土社)。ジェンダーSF研究会会員。富士見高原の魔法図書館長。
Webページ http://inherzone.org
Twitterは、https://twitter.com/KotaniMari 

 

ところで今日の、国際文化会館、スマホのMAPの指示に従うと辿り着けない。もともとの道は知っている。近道を教えてくれているのかと思ったが、どうやら、そうではなかったのだ。やれやれ。

 

『ストレイト・ライン・クレイジー』上演情報

https://rinkogun.com/portfolio/20230714_straight_line_crazy/

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