時間が経つのが速すぎる。
中村敦夫さんと伊豆でリーディングをしたのが、もう十日前なのか……!
八月から宿題のように目の前にぶら下がっていた井上靖原作のテキスト「補陀落渡海記」だった。夏休みの宿題のように。ずっとデスクトップに置いておいて、ふっと、隙があると、加筆し手を入れていっていた。
あ、でも、自分は、夏休みの宿題は八月三十一日にやる派だった。
さて。
時間が経つのが速すぎる。
中村敦夫さんと伊豆でリーディングをしたのが、もう十日前なのか……!
八月から宿題のように目の前にぶら下がっていた井上靖原作のテキスト「補陀落渡海記」だった。夏休みの宿題のように。ずっとデスクトップに置いておいて、ふっと、隙があると、加筆し手を入れていっていた。
あ、でも、自分は、夏休みの宿題は八月三十一日にやる派だった。
さて。
第五福竜丸の、エンジン。
シリンダー部分の周囲はナイロン製のバンドで固定し崩落を防止、展示館の中庭に置かれている。轟音を立てピストンを上下させていた勇姿が偲ばれる。二十八年も海の底だったから、カドは取れてしまっている。エンジンだけ外にいるのは、かわいそうな気もしてくる。
エンジンを冷やす冷却水は温まっており、シャワー代わりに使うには、いい湯加減だったという。もっとも海水だから、ビキニ事件で被爆した後は放射能の循環水になってしまった。
六つのシリンダーが、機関関係に携わった六人の墓標のように見える、とおっしゃった、元乗組員の方がいる。
そう言われるとそう見えてしまう。
一九六七年三月十日、廃船処分となった第五福竜丸は、解体業者に七十万円で払い下げられ、熊本県三角港の貨物船・第三千代川丸に転売された。翌年の台風で、暴風雨と濃霧のため三重県熊野灘沖で座礁、船体はバラバラになりエンジンもろとも海中に没した。
そのエンジンが二十八年ぶりに引き上げられ、現在は展示館の中庭に置かれている。
(写真提供 第五福竜丸平和協会)
燐光群『わが友、第五福竜丸』 、11月17日より、座高円寺で上演します。
フィクションである演劇と、現存する本物の第五福竜丸の、邂逅。
こんなことが、実現できるとは。
こんなフィクションのつくり方は、まったく初めてです。
ただただ、大きな感動の中にいます。
燐光群『わが友、第五福竜丸』上演情報です。
↓
https://rinkogun.com/portfolio/20231117_wagatomo_dai5fukuryumaru/