捕鯨村・鮎川は復活していたという。
捕鯨船を展示する「ホエールランド」も。
私は三〇年以上前から、取材に何度か出かけ、まず、『くじらの墓標』を書いた。鮎川の固有名詞じたいは出ていない。1993年上演。(而立書房刊)
その後、鮎川に海外の人たちを案内し、クジラの解体を見せたり、捕鯨への国際的な偏見を取り除く努力もした。
東日本大震災の震源地に一番近い金華山が、鮎川のすぐそばであった。
捕鯨村・鮎川は壊滅した。けっこう長く交通網も繋がらなかった。
私は七年前に訪問して、捕鯨産業自体はなんとか復活していたが、自分の知る町並みがなくなったことに、衝撃を受けた。
じつは私のライフワークの一つが「クジラ」である。
『くじらの墓標』は1996年にロンドン・ゲートシアターのレパートリーとして上演され、コンプリシテのリロ・バウア、クライブ・メンデス、イギリス在住の伊川東吾さんも出演されている。その後、アメリカ、シンガポール等でも上演され、英語、ポーランド語等で翻訳出版されている。
国際合作で『南洋くじら部隊』、沖縄を舞台にした『くじらと見た夢』は、彩流社から出版されている。
瀬戸内海・犬島での野外劇『内海のクジラ』も記憶に残る。
渡辺美佐子さんが市長選に出馬するという設定の『戦争と市民』は捕鯨村が舞台だし、故・大浦みずきさんを主演に迎え女性を主人公にしたイプセン作『民衆の敵』も、捕鯨村を舞台に換えている。
七年前の『くじらの墓標』最新上演や『南洋くじら部隊』は、NHK等でも放送されている。
このたび、阿部寛、白鳥玉季さんらが出演するNHK土曜ドラマ『水平線のうた』(脚本・港岳彦、演出・岸善幸)に、今回『沖縄戦と琉球泡盛』に参加の円城寺あやさんが、出演する。
ロケが鮎川でも行われたという。
で、円城寺さんからお土産にいただいたのが、この「くじらジャーキー」なのである。
捕鯨村・鮎川復活のことも聞いた。
なんだか食べるのがもったいない気がして、まだ、いただいていない。