朝倉摂さんが亡くなられた。舞台美術家の第一人者であることはもちろんだが、劇場の内外でいろいろとお話しした記憶が甦る。パリなど海外でもばったりお目にかかることがあった。 初めてお目にかかったのは1982年の西部劇場(現PARCO劇場)での『西鶴・好色一代男』。私は二十歳で演出助手であった。衣裳プランをなかなか描いてくださらなかったので、「何時から仕事していらっしゃいますか」と聞いたところ「朝6時」と言われたので、朝6時にアトリエを訪ねて強引に絵を描いていただいた。相当呆れられたと思う。その後、映画『写楽』で私が大道芸演出をしたとき、松竹衣裳の倉庫で再会した。私のことを憶えていてくださった。世間知らずの若造をおもしろがってくれていたのだ。 若い演劇人を支援し、非戦を選ぶ演劇人の会も応援してくださった。御礼の気持ちばかりである。本当にお疲れ様でした。 続いて、女優・松本典子さんが亡くなられていたというニュースが飛び込んできた。清水邦夫さんの奥さんであり、木冬社での清水戯曲になくてはならない方だった。清水戯曲を読むと松本さんの居ずまいと声が浮かぶ。映画『地の群れ』も印象的だった。木冬社は私の新劇観劇体験としては、かなり大切なものだった。岸田今日子さんも木冬社だとひと味違った。清水さんが書き下ろしをされなくなってからも劇団を大切にされていた。 良き先輩が逝かれる。 時代の変遷を思う。 安らかにお休みください。
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