暑い。
そうとは言っても貴重なたまの梅雨の晴れ間である。
空がキラキラと心地よい。
この季節に「五月晴れ」は異様だが、俳句の季語では梅雨の季節、旧暦の五月の晴れ間を指すらしい。そこは「五月雨」と共通している。
あと一か月もすると暑い本格的な夏がやって来ることを思い憂鬱だが、そんな夏もあっと言う間に過ぎ去り秋がやって来る。
そして我が身は老いていく。
虚しいものである。
路地裏の端唄の流し五月晴れ 素閑
今日晴れて松の雫も五月かな 素閑
苦学徒の新聞配達五月晴れ 素閑
どろ池の鯰をさらい五月晴れ 素閑
草繁り五月の晴れの露集め 素閑
なめくじの陰にもさすや五月晴れ 素閑
幽霊も気遣うひかり五月晴れ 素閑
紅珊瑚客間に目立ち五月晴れ 素閑
五月晴れ言い訳聞きて長話 素閑
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