中世を暗黒時代と呼んだのは誰だろうか?
もちろん西欧の中世のことである。
このことに関しては、多くの反論が歴史家などからなされている。
この誤解は中世がローマンカトリック教会の呪縛によって雁字搦めにされ、まったく文化の不毛の時代だったという事実誤認からきている。
しかし、実際には中世は豊かな文化が花開いていた。
吟遊詩人や工匠詩人、恋の詩人。騎士文学。シモーネ・マルティーニらの画家。城塞・教会建築とそれにまつわる彫刻芸術。中世独自の音楽。果ては艶笑譚までありとあらゆる文化の宝庫だった。
決して華やかな後代のルネサンスに劣るものではない。
しかも、その文化はカトリック倫理に基づく画一的なものだけではなく、退廃的な芸術すら含まれていた。
時間と能力と体力が残されていたなら、ヨーロッパ中世を研究してみたいという誘惑も起きないことはない。
安吾忌やただくれなひの夕の空 素閑
発つ友に荒れるさかずき安吾の忌 素閑
かりそめの恋もありぬる安吾の忌 素閑
煤り濃し雨を待たれよ安吾の忌 素閑
葬祭の列に小雨や安吾の忌 素閑
起きさうもない事を言う安吾の忌 素閑
あたたかきことも冷たし安吾の忌 素閑
良妻も悪妻もおんな安吾の忌 素閑
夕支度ふとけふ想ひ安吾の忌 素閑
九つの子の行く末や安吾の忌 素閑
踏み染めし川辺の坂や安吾の忌 素閑
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