朝起きて、ホテルの窓の外を見ると雪がぱらついている。
これは、どうしたものか?と・・・
室内も、凍えるように寒い。
ベッドに潜り込んでいたいのだが、しかし、部屋の掃除のためにほぼ半日は部屋を明け渡さなければならない。
思い切って、支度をして、外へ出る。
腹が減っていたので、クリシー通りのカフェで朝食。
これで、8.5ユーロ。約1,000円。高いんだか、安いんだか。
しかしパリのことだから、間違いなく高いんだろう。
朝飯を喰い終わって、ヴァンドーム広場を抜けて、セーヌの左岸に向かう。
オルセー美術館に行くつもりだ。
この寒さでは、とても外を歩く気にはならない。
暖かい、美術館に籠るつもりでいる。
上はヴァンドーム広場の、ホテル・リッツ。まず一生、縁がないなぁ。
セーヌ川の岸辺にも雪が積もり始めた。
そして、セーヌ川の洪水。
まだ、当分、水が引きそうもない。
淡雪やセーヌに落ちて解け入りぬ 素閑
トボトボとクリシーからオルセーまで徒歩で来てみると、なんとオルセーは月曜日が休館で閉まっている。
失望すること、この上無し。
セーヌに面した通りのカフェに入り、ヴァンショーを頼んで、冷えた体を温めるとともに、自分を慰める。
オルセーがダメならルーヴルがあるじゃないか、ということでルーヴル美術館に足を向ける。
ガラスのピラミッドの前に来てみると、そんなに人の列ができていなかったので、躊躇なく入る。
上は、ルーヴル前にあるカルーゼル凱旋門。
春の雪ニケの炎に焼き尽きて 素閑
ルーヴルでは通り一遍のものを見た。
サモトラケのニケ、ミロのヴィーナス、モナリザ・・・・
まあ、ここに来たのは美術鑑賞ではなく、寒さを避けて暖まりに来たわけだから・・・・
しかもルーヴルには、もう十数回以上来ている。
それをもってしても、展示品のすべてを十分鑑賞できないのは既に分かっているから、意気込んで観てやるぞ~!という気は起らない。
オカブとしては、なんとしても観ておかなければならない、ダヴィドのレカミエ婦人さえ観れば、あとは付け足しのようなものである。
しかし、展示美術品ではないが、シュリー翼で観た、ナポレオン三世の居室は、見ごたえがあった。
なかなか豪華絢爛な、宮殿の室内である。
さて、できるだけ長い時間、美術館に立て籠もって、寒さを避けるわけだから、当然、昼飯もここで食うことになる。
地下の、セルフのカフェに行ったが、高いうえに混んでいる。
高いのは、観光価格だから仕方がないにしても、ほぼ立ち食いのような形で、あんな飯を食う気にはならない。
そこで、シュリー翼のレストラン、『アンジェリーナ』に入る。
高いのは、覚悟していたので、どうせなら美味いものを食ってやろうと、フォアグラのサラダにビール、アイスクリームに珈琲といった具合。
しかし、高いのは覚悟していたが、これだけで40ユーロ以上取られた!
後は、美術館の中を行ったり来たり。
ルーベンスのカトリーヌ・ド・メディシスの一代記の部屋をぶらぶらしたり、ゴヤのコレクションに見入ったり。
しかし、ベラスケスのマリー・テレーズの肖像や、ムリリョの足の悪い子、など、それ一枚持ってきたら、日本で一大美術展が開ける名画が、無造作に展示してあるところが凄い。
夕方まで、ルーヴルにいて、バスでオペラまで。
オペラ付近をぶらぶらしてホテルに帰った。
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