入国はいたって簡単にであった。ぞろぞろ森田さんの後ろをついて行くだけで入国できた。いよいよイタリアだという気持ちでとても愉快な気持ちであった。ポーターがいないので、スーツケースは自分で取ってほしいということであったので、みんなはターンテーブル前に集まった。
すでに、ターンテーブルにはいくつかのスーツケースが回っている。まず山ちゃんのスーツケースがやってきた。次に、社長、有さんのスーツケースがやってきた。なんと、有さんのケースのストラップははずされている状態である。なんということだ。憤慨しながら自分のスーツケースの登場を待っていた。しかし、10分たっても自分のケースと目の細い女の子のスーツケースがこないのである。非常に不安になった。が、このハプニングを客観的に楽しむしかないなと意外に冷静な自分があった。それより自分のバックのせいで旅程が狂ってしまうことの方が嫌であった。つまり出発が遅れているのである
その女の子と自分と森田さん以外の一行は先にバスに向かった。私達は情報センターみたいなところにつれて行かれた。そこで、森田さんが説明をしているとき、バックがまた来たというので、また、ターンテーブルに戻った。しかし、そのバックは目の細い女の子の物であった。落胆の気持ちを隠しながら、森田さんと情報センターに戻った。森田さんは軽やかなイタリア語でセンターの女の子と会話しているが何を話しているか全くわからない。森田さんが私のパスポートを持って手続きしてくると言って、その場からいなくなった。そのセンターの女の人がイタリア語で私にものすごい早口で何かを言ってくる。ボディランゲージを使いながら、「English please」と言うと、英語で話し始めたが、イタリアなまりの英語はよく聞き取れなかった。どうも「あなたは成田から来たのか」と言っているようなので、「NO、秋田」と言った。でもよく考えると成田が正しいことに気がつき赤面した。住所を書け言うので書いた。JAPANをJUPANと書いて書き直したとき、自分の能力のなさを恥じた。その間10分もなかったが、帰ったら英語の勉強をしっかりやりたいと思った。
森田さんが戻ってきた。「次の便が8時に着くので、きっとそれで着くよ。」と言ってくれたが、自分の中ではスーツケースはもう諦めていた。保険でどれくらい保障してもらうかなどと考えている自分があった。バスに森田さんと向かうと3人が心配そうに待っていた。とても嬉しかった。3人が3人、大丈夫だとなぐさめてくたが、説得力は全くなかった。それより、バスに乗って町並みを眺めながらやっと着いたのだという喜びの方が大きかったし、興奮していた。バスに乗り込み町並みを見た瞬間バックのことなど全く忘れてしまった。
第一印象は「オレンジ」である。
しばらくスーツケースのことを忘れて町並みに釘付けであったが、ホテルに着く寸前有さんに「元気出せ」と言われて、また思い出してしまった。
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