明けましておめでとうございます。
今年もご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。
さて、年始早々、小さなトラブルに見舞われた。
箱根駅伝が悪いわけではないが、これを見始めるとやめられなくなることがある。
「いけいけ、頑張れ~!」
今年は娘がテレビの前から動かず、昼食もそこそこに応援を続けていた。その日のランチは何だったか忘れたが、デザートにラ・フランスを剥いたことは間違いない。娘が果物だけ後回しにして駅伝に夢中になっていたのに、夫は気づかず、お皿に載っていたラ・フランス全部を平らげてしまった。娘が食卓に戻ってきたとき、何も残っていないことに驚いたようだ。
「……お父さん、ミキのラ・フランスも食べちゃったの?」
「え? ミキのだったの」
「そうだよ! まだ食べてないのに、ひどぉ~。好物だって知ってるでしょ」
「ごめん」
小さな子どもではないので、泣き叫ぶことはしないけれど、年始とあって近所のスーパーは営業していない。代わりに柿を焼いて食べさせた。
「もう、お父さんはイヤ。勘弁してほしい」
娘の不満はタラタラ続く。よし、スーパーが開いたらラ・フランスを買いに行こう。
「わあい、食べごろだぁ~」
翌日、まずは皮を剥いてガブリ。
今日は、おやつにラ・フランスのタルトも作ろうと思って準備をした。
「生地にバターが50gって多すぎじゃない? 40gにしちゃおう」
勝手にレシピを改ざんする。
「砂糖は30gか。あっ切らしてる!」
私は平日フルタイムで働いているので、調味料の管理は専業主夫の夫に任せているが、砂糖のストックはなかった。ないからやめよう、となるはずもなく、砂糖を求めて急遽コンビニに走る。
「もう、お父さんはイヤ。勘弁してほしいいいい~!」
今度は私が叫ぶ番だった。
無事、上白糖をゲットしタルトの続きに戻る。
「バターを減らしたから生地が硬いな。えいえい」
力技で材料を滑らかに整え、バター減量でも何とかなった。
これに、アーモンドクリームを加えて、ラ・フランスを載せる。
あとは、190度のオーブンで35分焼けばできあがりだ。
「できた!」
「すごくいい匂い」
3等分に切り分けたつもりが、ひとつだけ大きなピースになっていた。
「えっへっへ、これはミキの」
娘がちゃっかり手を伸ばし、重そうな皿を取っていく。これでリベンジは果たせたようだ。
次に大きなピースを夫に渡す。私はLDLコレステロール値が高めなので、減らしたとはいえバターが怖いのだ。
「いただきまーす」
焼く前は硬かった生地も、火を通すとサクサクのサブレーのようになる。砂糖も少なめにして正解。ちょっと焦げたアーモンドクリームと、軟らかくてとろけるようなラ・フランスがサブレーに載って、それはそれは贅沢な組み合わせとなった。
「美味しいっ」
夫に腹を立てていた自分も、父に不満顔の娘も、食べ終わるころにはリセットされて平和が戻る。
美味しいものは一家団欒に欠かせない。
ウチの場合は特に……。
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「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
今年もご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。
さて、年始早々、小さなトラブルに見舞われた。
箱根駅伝が悪いわけではないが、これを見始めるとやめられなくなることがある。
「いけいけ、頑張れ~!」
今年は娘がテレビの前から動かず、昼食もそこそこに応援を続けていた。その日のランチは何だったか忘れたが、デザートにラ・フランスを剥いたことは間違いない。娘が果物だけ後回しにして駅伝に夢中になっていたのに、夫は気づかず、お皿に載っていたラ・フランス全部を平らげてしまった。娘が食卓に戻ってきたとき、何も残っていないことに驚いたようだ。
「……お父さん、ミキのラ・フランスも食べちゃったの?」
「え? ミキのだったの」
「そうだよ! まだ食べてないのに、ひどぉ~。好物だって知ってるでしょ」
「ごめん」
小さな子どもではないので、泣き叫ぶことはしないけれど、年始とあって近所のスーパーは営業していない。代わりに柿を焼いて食べさせた。
「もう、お父さんはイヤ。勘弁してほしい」
娘の不満はタラタラ続く。よし、スーパーが開いたらラ・フランスを買いに行こう。
「わあい、食べごろだぁ~」
翌日、まずは皮を剥いてガブリ。
今日は、おやつにラ・フランスのタルトも作ろうと思って準備をした。
「生地にバターが50gって多すぎじゃない? 40gにしちゃおう」
勝手にレシピを改ざんする。
「砂糖は30gか。あっ切らしてる!」
私は平日フルタイムで働いているので、調味料の管理は専業主夫の夫に任せているが、砂糖のストックはなかった。ないからやめよう、となるはずもなく、砂糖を求めて急遽コンビニに走る。
「もう、お父さんはイヤ。勘弁してほしいいいい~!」
今度は私が叫ぶ番だった。
無事、上白糖をゲットしタルトの続きに戻る。
「バターを減らしたから生地が硬いな。えいえい」
力技で材料を滑らかに整え、バター減量でも何とかなった。
これに、アーモンドクリームを加えて、ラ・フランスを載せる。
あとは、190度のオーブンで35分焼けばできあがりだ。
「できた!」
「すごくいい匂い」
3等分に切り分けたつもりが、ひとつだけ大きなピースになっていた。
「えっへっへ、これはミキの」
娘がちゃっかり手を伸ばし、重そうな皿を取っていく。これでリベンジは果たせたようだ。
次に大きなピースを夫に渡す。私はLDLコレステロール値が高めなので、減らしたとはいえバターが怖いのだ。
「いただきまーす」
焼く前は硬かった生地も、火を通すとサクサクのサブレーのようになる。砂糖も少なめにして正解。ちょっと焦げたアーモンドクリームと、軟らかくてとろけるようなラ・フランスがサブレーに載って、それはそれは贅沢な組み合わせとなった。
「美味しいっ」
夫に腹を立てていた自分も、父に不満顔の娘も、食べ終わるころにはリセットされて平和が戻る。
美味しいものは一家団欒に欠かせない。
ウチの場合は特に……。
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美味しいですよね、ラ・フランス。
2番目に大きいピースをぶんどればよかったかしら……。
自分で作るからこそわかるバターの量が半端なかったです。
今日のおやつは今川焼にしました(笑)
今年もよろしくお願いいたします。
以前お店でラ・フランスのパイを食べた時、
果物ではこれがベストでは!と思いました。
生を買って自分がタルトを作るなんて発想、皆無です。
・・・調味料が切れているのは、困りますねw
一年前はケチャップが切れていました。
半年前はポン酢。
今回は砂糖なので、次は醤油か味噌か……。
ラ・フランスは半分でいいと思います。
1個使ったので、混雑したタルトになっちゃいました。
本来はバナナとブルーベリーで作るタルトです。