日本銀行本店の見学会に参加してきた。
参加者は、西門から入ることになっている。
所要時間は約60分。荷物をコインロッカーに入れ、身軽になって参加するのがよろしい。
防犯上の理由から、飲み物は持ち込めないため、ペットボトル類もロッカーに入れておこう。
「用意のできた方から、金属探知機をくぐっていただきます」
カメラ、携帯電話、小銭入れなどは取り出しておくとスムーズである。
「ピンポーン」
……しかし、私は鳴ってしまった。手荷物を見せたが、包丁などの凶器が入っているはずもない。
「中身は問題ないので、バッグの金具に反応したようですね。どうぞ」
入れてもらえてホッとした。空港のセキュリティより厳しい気がする。
まずは映像学習から。日本銀行券、つまりお札が偽造されないように、いかにハイテクな技術が使われているかを紹介していた。「これだけ工夫しているんだから、つまんない考えを起こすんじゃないよ」とけん制する目的もあるのだろう。
日本銀行の役割なども入れて、20分弱の上映だった。背の小さい人は、最前列でご覧ください。
「それでは、旧館からご案内いたします」
映像のあとは館内の見学だ。旧館は、東京駅で有名な建築家・辰野金吾の作品である。バロック様式だの何だのと、細かいことはわからなくてもいい。明治のレトロな美を、この目にくっきりと焼き付けるだけで十分楽しめる。
さすがに、空調は一部しか利いていない。一方、昭和48年に建てられた新館は、廊下も涼しかった。
印象的だったのが、「日銀ネット」開通時のパソコンである。数字の入力は、通常テンキーで行う。電卓と同じで「0」はもちろん、「00」のキーも珍しくない。しかし、日銀には「000000」などという6桁のキーがあり仰天した。たとえば、「1」「000000」の2つのキーを押せば、100万円を即座に入力できる。もっとも、狭いスペースに収めるため、2行に分けて表示されていたが、いかに大金を扱っているかを思い知らされた。
地下金庫も強烈だった。現在は使われていないから空っぽだが、扉の厚さは90cm、重さは15トン、扉を支える枠も10トンというから、関取がスクラムを組んでいるような重量感である。入口近くには、レプリカの1万円札が雑誌と同じような扱いを受け、梱包用のテープで束ねられ並んでいる。ここで働いていると、金銭感覚がおかしくなりそうだと感じた。
「奥の方の壁に穴が開いています。万一、泥棒が入ったときに、この穴から水を入れて、お札を使えないようにするためのものです」
「へー」
実際に使ったことはないと聞き、少々安心した。
金庫の前には、模擬紙幣1億円分のパックもあり、手に取ることができる。約10kgというから、結構重い。その隣には金塊のレプリカが並んでいる。こちらは14.5kgで、ツルツルすべるということもあり、金銭感覚が発達していても、ひ弱な私には持ち上げられなかった。残念……。
最後に、来客が馬で来ていた時代の遺物を見る。
これは、馬が水を飲むために作ったものだそうだ。周りには何頭もの馬が待たされ、「ヒーン」といなないては、ボトボト糞を落としていたのかもしれない。掃除が大変だったのではないだろうか。
「以上で、見学は終わりです。お疲れ様でした」
「ありがとうございました」
終了後はロッカーに戻る。おみやげを買う。
まずは、貨幣焼という6種類の硬貨をかたどった饅頭と
一万円札のあぶらとり紙。
金塊ストラップは適度な重みがあって気に入った。金運が回ってきそうな手ごたえを感じる。
その割に、浪費していたりして……。
もっと気に入ったのが、日本銀行本館クッキーである。
箱がオシャレだと思ったら、扉になっており、開けると地下金庫が顔を出す。金庫を手前に引き出すと、1万円札の印刷がされたクッキーにたどり着く。大人でも笑ってしまうような、遊び心満点のアイデアだ。
童心に返って、ひとり日銀ごっこをしてみた。
「日銀さん、日銀さん、おこづかいくださーい」
「いいですよ、ギー」
扉が開いて、金庫がお目見えした。お札クッキーはこの中だ。金庫からクッキーを取り出すと……
割れてるじゃないか!
何と、10枚中3枚が割れていた。打率3割の高確率だ。端が薄いから、衝撃に弱いのだろう。枚数は減らしてもいいから、もっと厚みを増して、強度を高めるべきではないか。
でもまあ、味はよかった。そして、「他人様にあげられないから、私が全部食べちゃおう」という口実もできた。7枚は無事なので、完全なこじつけである。おすそ分けは貨幣焼にすればいいのだ。あったまいー!
日銀の旧館は、上空から見ると「円」という文字に見えるそうだ。
(wikipediaより)
ここで一句。
日銀の エンタメ性は 二重丸
楽しませていただきました!
↑
クリックしてくださるとウレシイです♪
※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
参加者は、西門から入ることになっている。
所要時間は約60分。荷物をコインロッカーに入れ、身軽になって参加するのがよろしい。
防犯上の理由から、飲み物は持ち込めないため、ペットボトル類もロッカーに入れておこう。
「用意のできた方から、金属探知機をくぐっていただきます」
カメラ、携帯電話、小銭入れなどは取り出しておくとスムーズである。
「ピンポーン」
……しかし、私は鳴ってしまった。手荷物を見せたが、包丁などの凶器が入っているはずもない。
「中身は問題ないので、バッグの金具に反応したようですね。どうぞ」
入れてもらえてホッとした。空港のセキュリティより厳しい気がする。
まずは映像学習から。日本銀行券、つまりお札が偽造されないように、いかにハイテクな技術が使われているかを紹介していた。「これだけ工夫しているんだから、つまんない考えを起こすんじゃないよ」とけん制する目的もあるのだろう。
日本銀行の役割なども入れて、20分弱の上映だった。背の小さい人は、最前列でご覧ください。
「それでは、旧館からご案内いたします」
映像のあとは館内の見学だ。旧館は、東京駅で有名な建築家・辰野金吾の作品である。バロック様式だの何だのと、細かいことはわからなくてもいい。明治のレトロな美を、この目にくっきりと焼き付けるだけで十分楽しめる。
さすがに、空調は一部しか利いていない。一方、昭和48年に建てられた新館は、廊下も涼しかった。
印象的だったのが、「日銀ネット」開通時のパソコンである。数字の入力は、通常テンキーで行う。電卓と同じで「0」はもちろん、「00」のキーも珍しくない。しかし、日銀には「000000」などという6桁のキーがあり仰天した。たとえば、「1」「000000」の2つのキーを押せば、100万円を即座に入力できる。もっとも、狭いスペースに収めるため、2行に分けて表示されていたが、いかに大金を扱っているかを思い知らされた。
地下金庫も強烈だった。現在は使われていないから空っぽだが、扉の厚さは90cm、重さは15トン、扉を支える枠も10トンというから、関取がスクラムを組んでいるような重量感である。入口近くには、レプリカの1万円札が雑誌と同じような扱いを受け、梱包用のテープで束ねられ並んでいる。ここで働いていると、金銭感覚がおかしくなりそうだと感じた。
「奥の方の壁に穴が開いています。万一、泥棒が入ったときに、この穴から水を入れて、お札を使えないようにするためのものです」
「へー」
実際に使ったことはないと聞き、少々安心した。
金庫の前には、模擬紙幣1億円分のパックもあり、手に取ることができる。約10kgというから、結構重い。その隣には金塊のレプリカが並んでいる。こちらは14.5kgで、ツルツルすべるということもあり、金銭感覚が発達していても、ひ弱な私には持ち上げられなかった。残念……。
最後に、来客が馬で来ていた時代の遺物を見る。
これは、馬が水を飲むために作ったものだそうだ。周りには何頭もの馬が待たされ、「ヒーン」といなないては、ボトボト糞を落としていたのかもしれない。掃除が大変だったのではないだろうか。
「以上で、見学は終わりです。お疲れ様でした」
「ありがとうございました」
終了後はロッカーに戻る。おみやげを買う。
まずは、貨幣焼という6種類の硬貨をかたどった饅頭と
一万円札のあぶらとり紙。
金塊ストラップは適度な重みがあって気に入った。金運が回ってきそうな手ごたえを感じる。
その割に、浪費していたりして……。
もっと気に入ったのが、日本銀行本館クッキーである。
箱がオシャレだと思ったら、扉になっており、開けると地下金庫が顔を出す。金庫を手前に引き出すと、1万円札の印刷がされたクッキーにたどり着く。大人でも笑ってしまうような、遊び心満点のアイデアだ。
童心に返って、ひとり日銀ごっこをしてみた。
「日銀さん、日銀さん、おこづかいくださーい」
「いいですよ、ギー」
扉が開いて、金庫がお目見えした。お札クッキーはこの中だ。金庫からクッキーを取り出すと……
割れてるじゃないか!
何と、10枚中3枚が割れていた。打率3割の高確率だ。端が薄いから、衝撃に弱いのだろう。枚数は減らしてもいいから、もっと厚みを増して、強度を高めるべきではないか。
でもまあ、味はよかった。そして、「他人様にあげられないから、私が全部食べちゃおう」という口実もできた。7枚は無事なので、完全なこじつけである。おすそ分けは貨幣焼にすればいいのだ。あったまいー!
日銀の旧館は、上空から見ると「円」という文字に見えるそうだ。
(wikipediaより)
ここで一句。
日銀の エンタメ性は 二重丸
楽しませていただきました!
↑
クリックしてくださるとウレシイです♪
※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
楽しそう。
このクッキーいいなー。
パソコンの話にへー。
そうだよね。
扱う額が違うものね。
いちじゅうひゃくせんまんじゅうまんひゃくまんなんて数えているようじゃダメね。
ここは究極、という気がします。
金銭感覚がおかしくなる・・分かります。
過去に、悪事を働いた職員は、いなかったのかな。
そして、お土産も凝ってますね。
砂希さんのセンスがいいのかどれもナイスだけど、
やっぱり私も、クッキーをゲットしたいです。
いやいや、金運アップになりそうなおみやげばかりでしたよ。
諭吉のタオルとかね(笑)
これだけでも買いすぎだと思いますが、気になるものは他にもどっさりありました。
万札煎餅が人気みたいです。
うちでは売れない気がして、買いませんでしたけど。
パソコンは衝撃的でしたよ。
実際、切りのいい数字ばかりじゃないでしょうが、大金であることには違いありません。
リッチな雰囲気が辰野金吾風建築とマッチしていました。
でも、ここでお札を作っているわけではないので、ビールやワイン工場のほうが楽しいかも…。
醤油工場も見学をしていますね。
醤油ソフトクリームが美味しいとか。
あっ、すぐ食べ物の話になってしまう。
造幣局は印刷局は、採用時にかなり慎重な人選をすると聞きました。
なるべく身内を採用するというのは本当なのかしら。
日銀職員も同じですよね。
悪事を働こうと思えば、けた違いな金額をゲットできますもの。
何か起きても、闇に葬られるのかも…。
一億円の札束はこちらの支店でも見学会があるようですよ。
お金と関わるのは良いことです。帰りにいくらか土産に持たせてくれると嬉しいけどねヾ( ̄o ̄;)オイオイ
さすが大蔵省、アズマックスのふき取り紙にクッキーに、今回もお土産や何やらで逆に散財したのでは…
あー、俳句ですか?、川柳ですか?どちらでも構わないので一緒にスタートしませんか?(*^^*)ポッ
下見の人も居たのかな?
丈夫な金庫とか出てくると『ルパン三世』が浮かんできます。そういえば新しいテレビシリーズっていつからだっけ?
金塊ストラップ、カッコいいなぁ。
欲しいなぁ。
ココでしか売ってないのかな?
売店はフリーで行けるの?
裁断した紙幣がおみやげでした(笑)
これも人気のようです。
見たところ、1000円札かな…。
7月8月はえらく出費のかさむ月です。
日頃は家と職場の往復ばかりで、コーヒー代くらいしか払っていないから、反動が出るのでしょうか。
6月のボーナスがまだまだ残っているので強気かも(笑)
俳句にはなっていませんが、575のリズムは好きなんです。
ぜひご一緒に~。
記事をアップするときには、なるべく一句詠むとか。
実は、教員対象の金融教育セミナーの一環でした。
一緒に参加したのは全国からの教員ばかり。
下見の人はたぶんいなかったでしょう(笑)
金塊ストラップはとても気に入りました。
日銀の西門には守衛が詰めています。
おみやげを買いたいと言って入れてくれるのかどうか…。
売店にはセキュリティが必要ないし、あちらもご商売だから交渉の余地はあるかも。
現在リニューアル中の貨幣博物館は11月にオープンするようです。
開館すれば、そこでも買えるような話を聞きました。
手に入るといいですね。
調べてみたら一般人でも、平日に見学ができるようですね。
それなら造幣局は?と思ったら、工場見学ができるとか。
ナボナやビールの工場みたいに、一回り見学したら、お土産に「製品」をちょこっといただけたりしたら楽しいのに。
ゴージャスな日銀箱から出てきたクッキーが割れていたくだりは、大笑いしてしまいました。
お金がいっぱい。人のモノでも幸せです。
クッキーが割れているなんて……。
ショックでしたが、笑っていただければいっか~。
造幣局の工場見学したいわぁ。
印刷局より楽しそう。
書かなかったけれど、製品のみやげもありましたよ。
裁断された紙幣です(笑)
小さなビニールに入っていました。
「何か文句ある?」と言われそうです。
お金の匂いがプンプンしていて、金運が上がりそう。
今月は出費が多くて、その気配はゼロですが。