これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

インチキエビフライで迎える2025年

2025年01月05日 20時46分00秒 | エッセイ
 新年あけましておめでとうございます。
 せかせかと小走りに駆けていった2024と入れ替えに、2025年がやってきた。まずは元日から。
 今年のおせちは食べきりサイズを注文し、蒲鉾や伊達巻は鈴廣から買うことにした。



 伊勢海老ではなくロブスターが入っていた。なかなか立派なルックスをしており、解体までに撮影に励む。





 口当たりもよく、正月ムードを高めるロブスターに感謝していただいた。
 目論見通り、元旦にほぼ完食! バンザーイ!!
 早々に冷蔵庫を占領する重箱を片づけられて、スッキリした気分になる。和食が続くと飽きるので、ピザトーストや醤油ラーメンをいただくことも大事だ。おいし、おいし~♪
 1月2日から3日にかけては、NTTドコモがサイバー攻撃を受けたとのことで、わがgooブログにアクセスできず焦った。4日からやっとつながるようになったが、アクセス数を確認したら、それなりの数のユーザーにご訪問いただいたらしい。
「えっ、訪問者ゼロかと思ったのに、うれしいっ!」
 お越しになったみなさま、ありがとうございました。
 一方で、「なんで私は見られなかったんだろう……」と首を傾げた。電波が悪いのだろうか。
 4日は那須の両親の家まで年始の挨拶に出かけた。高齢の母に食事の支度をさせてはいけないので、昼食、おやつ、日持ちのするおかず、パンなどはこちらから持参する。メニューを考える際に、ロブスターがヒントになった。
 母はエビを溺愛している。私たち三姉妹と伊勢海老を比べたら、どちらが大事か悩んでしまうかもしれない。さすがに伊勢海老はあげられないが、スーパーでお正月価格の大きなエビを調達して、エビフライを作ることにした。
 前日の3日に大まかな到着時間とランチメニューを連絡する。
「10:30頃着く予定。お昼はエビフライとカボチャの麻婆ソースがけにおにぎりをつくるからね」
「あら、うれしい。結構早いんだね」
「うん。日帰りだから早めに出るよ」
 父は桃さえあれば機嫌がいいので桃ゼリーを用意し、母には、ありあけのハーバーお正月バージョンを買ってある。



 高齢者に揚げ物は重いかもしれない。医療機関も開いていないのに、胃痛腹痛の原因になったら大変だ。レシピを調べて、オーブンの「揚げもの」モードを使って作るエビフライなるものを見つけた。
「なになに、パン粉を炒めて茶色くしろってか」
 下ごしらえをしたエビに、小麦粉、溶き卵をくぐらせた後は、炒めて揚げた色と化したパン粉をまぶすのだ。そのままオーブンで焼けば火が通り、揚げたように見える。おそらく、白いパン粉では均等に色づかないのではと予想した。実にヘルシーなエビフライができるという点でナイスなアイデアといえるだろう。
「まあ、インチキかもしれないけれど、軽くていいね」
 問題は、果たして美味しいのか? というところだが、素材がよければ何とかなりそうだ。
 エビの下ごしらえが終わったところで、母からメールが届いた。
「こっちは結構雪が降ってるよ。もし積もったら電車が動かないかもしれない」
 ビックリして気象警報を確認してみた。那須には注意報すら発令されていなかったので、母の取り越し苦労と思われる。行く前提で返信をした。
「JRの運休情報を見たけど、何もなかったから、たぶん大丈夫だと思う。新幹線が動いていれば問題ないよ」
「そう? 明日の朝、何センチ積もったかを確認して連絡するよ。来られるといいね」
 昨年の夏に親族で集まったときの母は、台風の進路に当たっていたにもかかわらず、何の心配もしていなかった。なんで今回にかぎって、過剰に不安がっているのだろう。謎だ、謎。だが、理由はすぐに思い当たった。
「わかった。……エビフライだ」
 私と娘が来られないと、お昼のエビフライが幻に終わる。それで「大変、雪が雪が!」と焦ったようだ。可愛いおばあちゃんであった。
 翌日の4日は予想通り、栃木の鉄道各線は平常運行であった。
「那須の積雪は5センチぐらいだから気をつけておいで」
「うん、わかった。エビフライもできたから待っててね」
 東京は雪の「ゆ」の字もなかったので、栃木の銀世界には心が弾む。





「うわあ、サクサク!」





 たっぷり足跡をつけて楽しみ、無事、両親の家に到着した。
 ちゃんと写真を撮らなかったのだが、普通のエビフライに見えるところがすごい。優秀なレシピであった。



「美味しい、美味しい」
 母も満足。父はすっかり食が細くなり心配だったが、エビフライとおにぎりは食べていた。実は父もエビフライが好物と知り、親子といえどもわからないことがあると気づく。残念なことに、カボチャには見向きもしなかった……。
 食後は百人一首を引っ張り出して、坊主めくりを始めた。
 父は見ているだけだが、私と娘が立て続けに坊主の札を引き、「ひいぃ~」と叫ぶとニヤニヤ笑っていた。



 家族のやり取りを見るだけで満足するのだろう。
「また勝ったよ、やった!」
 この日は母が主役だったのか、私と娘は1回ずつしか勝てず、残りはすべて母が勝利をかっさらっていった。喜んでもらえてよかった。
 いつまで元気でいてくれるかわからないが、またエビフライを持って那須に訪問し、坊主めくりで遊んで帰ってきたい。
 インチキレシピはコロッケやヒレカツにも応用できる気がするので、今度チャレンジしてみよう。
 こんな年明けですが、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

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コメント (3)
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