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私の所属する ドルフィン プロダクション の 応援倶楽部NEWSに
1ページ、私の書いた記事が載りました。
今日はそれを乗せることにいたします。
ちょっと長いかもしれませんが、私の思いを読んでください。
介護を軸にした芝居をライフワークに
さつき 里香
私が介護、特に認知症の方とのコミュニケーション法
「バリデーション」に出会ったのは、夫の仕事の関係で
東京から三重県に転居し間もない頃で、
認知症の親族を三重県に招待しようとしていた時です。
車椅子生活でもある彼女の介助のためヘルパーの2級の
資格をとり、他の方の手助けも出来ればと仕事も始めました。
しかし、認知症である彼女とコミュニケーションをとるには
どうしたら・・と、認知症に関する本を検索しいろいろと
読んでいました。
「バリデーション ― 認知症の人との超コミュニケーション法」
という本の題名を見たときは「バリデーション」?何?
難しいテクニックなのだろうか? と思いましたが、
内容を見てみると 「バリデーションとは、それを行う
ケアギバー(介護者)と認知症のお年寄りが人間として
本当の意味で平等、対等であると考えるケアのことである。
この誰にでも容易に出来る介護法を解説した、認知症介護の
バイブル」 とあり、私は「これだ!」と直感し本を申し込み、
読み始めたのです。
この、ナオミ・フェイル氏の著した本の中には本当の心のケア
がありました。こんな素晴らしい介護法ならもっと深く学び、
家族だけでなく誰かの役に立てるかもしれない。
と、思ったら即行動する性質(たち)の私は、
気づけば講習を受けに東京に通っていました。
今までお年寄りの話に共感していたつもりでいたことが、
実は同情であったり元気づけでしかなかったと思い知らされたり、
その方の行動や言ったことの理由を考えるのではなく
気持を第一に考えることの大切さ、
そしてコミュニケーション技術を学び、人間として
私自身大きく成長させていただいたと思っています。
一緒に学んだ方たちは、素晴らしい経歴の介護のプロばかり。
年だけは負けないものの、大きな身体を小さくしておりました。
が、そんなプロが新しい介護法を学ぼうとする姿勢と、
スタートラインに立つときはキャリアなど関係ないという姿勢に、
敬意を感じるとともに友情も芽生え始めました。
同じ介護を学ぶごく近い方々にも一年に及ぶ講習の後半に告白した
のですが、私は長い間舞台俳優を職業としています。
介護の世界を知り、認知症の方々との素晴らしい
コミュニケーション法があることを知り、
それらをお芝居で多くの方々に伝えよう、
と思い立ち昨年7月に大久保の労音会館で、
認知症のお年寄りとの心の交流によって成長していく女性、
を一人舞台という形式で企画し、「星星の扉」を公演いたし
ました。多くの方に伝えたいという思いから、今年3月に
横浜の演劇祭、赤レンガホールでも再演いたしました。
今また、もっともっと多くの方々に見ていただきたいとの
思いで、企画書を作り全国公演を目指し準備を開始している
ところです。
そして私の「バリデーション」は今も施設にいる親族やその周りの
認知症のお年寄りたちとのコミュニケーションに役立ち、
私に元気と勇気を与えてくれています。お年寄りだけでなく
介護をする人に役に立つ方法でもあるからです。
しかし、バリデーションが全てではありません。
他のコミュニケーション法、例えば、回想法、
リアリティーオリエンテーション、音楽療法、などがありますが、
理論的に確立され初期の段階から末期に至るまでの方に有効である
という点で、バリデーションが私の信頼する方法となりました。
細かい技術は別として、基本はお年寄りに敬意をもって接する、
その方を丸ごと認めるということです。
これは、全ての人に接するときのコミュニケーションの基本
ではないでしょうか。
「星星の扉」は、私の純粋な気持ちから出来た芝居であり、
ライフワークとしてこれからも介護する側・介護される側を、
こんな介護をしたい・こんな介護がされたい、
というメッセージを込めながら演じて行きたいと思っています。
誰もが歳をとる、そして誰かの世話になるときが来ます。
その時あなたはどのような介護をお望みですか?・・・
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