「また、桜の国で」 須賀しのぶ 祥伝社
1938年秋、27歳の棚倉慎はポーランド大使館に書記として赴任する。
父親がロシア人の慎は父親似で、自分は何者なのかと問い続けていた。
慎が9歳の時、シベリア孤児と呼ばれるポーランドの子ども達が日本にやって来る。
偶然その一人、カミルと出会っていて、ポーランドへも思いを持っていた。
ポーランドには元シベリア孤児たちが作る『極東青年会』があり、今も日本との交流の為の活動をしていた。
その中の一人、マジェナは日本大使館に勤務していて、慎に色々と教えてくれる。
その頃、世界はナチス・ドイツのヒトラーの動向を警戒し、日本大使館も戦争を回避しようと動いていた。
しかし、1939年9月1日、ドイツ軍がポーランドに侵略し、第2次世界大戦が勃発する。
戦闘が激しくなり、各国の大使らが引き上げる。
日本大使館には後藤副領事と、強く希望した慎が残る。
ポーランドが降伏し、ナチス・ドイツが支配を始め、ユダヤ人ゲットーが出来る。
『極東青年会』は地下組織も形成していて、慎は密かに協力をしていた。
やがて慎にも辞令が出てブルガリアのソフィアに移るが、ポーランド地下組織(AK ポーランド国内軍)に協力は続ける。
慎は何とかポーランドに戻り、今の状況を知って、知らせたいと思っていた。
やっとポーランドに入国したのは、ワルシャワ蜂起の前日だった。
「また桜の国で会おう」と約束したのは、3人。
ロシア人を父に持つ棚倉慎と、ユダヤ人の血が入るドイツ系ポーランド人のカメラマン ヤン・フリ―ドマン。
そして、今はアメリカ国籍のシカゴプレスの記者レイモンド・パーカー。
3人と取り巻く人たちにもそれぞれの物語がある。
人間ドラマではあるが、それよりも歴史の物語に圧倒される。
ワルシャワ蜂起は少しは知っていたが、その前後のポーランドがどうなっていたかは詳しくは知らなかった。
ゲットー蜂起は知らなかった。
人間としての尊厳を守るために戦う。
それも負けが決まってうる戦い。
まだまだ知らない事は沢山ある。
戦争をしない為に努力していた人たちの事も。
ドイツと手を結ぶことが、どんなに間違っているか訴える外交官。
その声は届かなかった、と言うか聞こうとしなかった。
また他国はユダヤ人虐殺についても、もっと早い時に知っていただと言う。
ナチス・ドイツの酷さを読むと、ドイツが憎く感じられるが、ドイツ国民も被害を受けたのは同じ。
1部の人たちが起こす戦争に、多くの国民が巻き込まれ人生を狂わされて行く。
すでにあった歴史はなかったことには出来ない、やり直す事も出来ない。
2度と同じことが起きないようにするだけ。
「戦争は忘れた時に起きる」
自分たちは戦争でどんな事が起こったのか、しっかり知っていなければならない。
1938年秋、27歳の棚倉慎はポーランド大使館に書記として赴任する。
父親がロシア人の慎は父親似で、自分は何者なのかと問い続けていた。
慎が9歳の時、シベリア孤児と呼ばれるポーランドの子ども達が日本にやって来る。
偶然その一人、カミルと出会っていて、ポーランドへも思いを持っていた。
ポーランドには元シベリア孤児たちが作る『極東青年会』があり、今も日本との交流の為の活動をしていた。
その中の一人、マジェナは日本大使館に勤務していて、慎に色々と教えてくれる。
その頃、世界はナチス・ドイツのヒトラーの動向を警戒し、日本大使館も戦争を回避しようと動いていた。
しかし、1939年9月1日、ドイツ軍がポーランドに侵略し、第2次世界大戦が勃発する。
戦闘が激しくなり、各国の大使らが引き上げる。
日本大使館には後藤副領事と、強く希望した慎が残る。
ポーランドが降伏し、ナチス・ドイツが支配を始め、ユダヤ人ゲットーが出来る。
『極東青年会』は地下組織も形成していて、慎は密かに協力をしていた。
やがて慎にも辞令が出てブルガリアのソフィアに移るが、ポーランド地下組織(AK ポーランド国内軍)に協力は続ける。
慎は何とかポーランドに戻り、今の状況を知って、知らせたいと思っていた。
やっとポーランドに入国したのは、ワルシャワ蜂起の前日だった。
「また桜の国で会おう」と約束したのは、3人。
ロシア人を父に持つ棚倉慎と、ユダヤ人の血が入るドイツ系ポーランド人のカメラマン ヤン・フリ―ドマン。
そして、今はアメリカ国籍のシカゴプレスの記者レイモンド・パーカー。
3人と取り巻く人たちにもそれぞれの物語がある。
人間ドラマではあるが、それよりも歴史の物語に圧倒される。
ワルシャワ蜂起は少しは知っていたが、その前後のポーランドがどうなっていたかは詳しくは知らなかった。
ゲットー蜂起は知らなかった。
人間としての尊厳を守るために戦う。
それも負けが決まってうる戦い。
まだまだ知らない事は沢山ある。
戦争をしない為に努力していた人たちの事も。
ドイツと手を結ぶことが、どんなに間違っているか訴える外交官。
その声は届かなかった、と言うか聞こうとしなかった。
また他国はユダヤ人虐殺についても、もっと早い時に知っていただと言う。
ナチス・ドイツの酷さを読むと、ドイツが憎く感じられるが、ドイツ国民も被害を受けたのは同じ。
1部の人たちが起こす戦争に、多くの国民が巻き込まれ人生を狂わされて行く。
すでにあった歴史はなかったことには出来ない、やり直す事も出来ない。
2度と同じことが起きないようにするだけ。
「戦争は忘れた時に起きる」
自分たちは戦争でどんな事が起こったのか、しっかり知っていなければならない。
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