「致死連盟」 森村誠一 光文社 カッパ・ノベルズ
東京の衛星都市埼玉県相武で、市役所の清掃課員に募集して不採用となった中年男4人。
商事会社を人員整理で首になった宮地礼介。
秩父の奥で山小屋を経営していたが、諸事情で山を下りて来た由布茂。
玩具メーカーの下請けをしていたが、親会社の倒産であおりをくらった桝村耕二。
漁師に見切りをつけ丘に上がった南波貞吉。
ひょんなことから、4人一緒に警備会社のガードマンとして採用になる。
3か月後、4人は揃って秩父の山中にある別荘に常駐の警備に行くことになる。
依頼人は別荘に暮らす森谷佐武郎で、元相武市の親分だったと言う。
高校生の孫娘、典子が夏休みで帰ってきているので、そのお守り役との事だった。
それで冴えない中年のガードマンを希望したとのことだった。
しかし、その別荘に行くと様子が違っていた。
森谷は「敵が現れるかも知れない」と言うのだ。
その敵とは今、相武市の市政まで入り込んで勢力を持っている浅川組のボス、浅川弘。
森谷とのいざこざで刑務所に入っていて、1週間後に出所して来ると言う。
半信半疑だったが実際に浅川組が襲撃して来て、4人のガードマンは知恵を絞って対抗する。
やがて宮地は14年前の呉服商夫婦強殺人事件がこの襲撃に関係している事を知る。
森村誠一さんは色々面白い物語を書くのだと認識。
素人の4人組が武器を持った暴力団、やはり4人組との攻防戦。
ちょっとホームアローンを思い出す。
自分の特技ではスーパーマンのようになる。
しかしガードマンなのだから、銃器は無くても何か護衛する物は必要だろう。
そこに14年前の事件の真相を捜査する要素が加わる。
しかし、殺人を隠している人物が大胆過ぎる気がする。
そこまで警察との癒着が強く、安心しているのだろうか。
そんな暴力団が市政にまで干渉するような市に住みたくないけれど。
市長選でも、違反が大ぴらに行われて、現実味がなくなる。
最後は予想通りの展開で落ち着いて行くと思ったら、最後の最後にドンデン返し。
宮地はこれからどうするのだろう。
言いなりになってしまうのでは、面白くない。
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