しましましっぽ

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「殺人者の烙印」 パトリシア・ハイスミス 

2009年04月04日 | 読書
「殺人者の烙印」 パトリシア・ハイスミス      創元推理文庫
 A SUSPENSION OF MERCY/THE STORY‐TELLER  深町眞理子・訳

シドニーとアリシア・バートルビー夫婦は英国サフォーク州の片田舎に住んでいた。
結婚してまだ1年半あまりだが、作家と画家の若夫婦はうまく行っているとは言えなかった。
シドニーはプロットを考んがえる中で、アリシアを殺すことを何度も空想していた。
あるいさかいの後、アリシアは家を出てしばらくひとりになりたいと言い、シドニーも賛成する。
シドニーの空想を感じていたアリシアは、捨て台詞でその振りをすることを提案する。
シドニーはそれを実行して、怪しげな行動を取る。
それを隣人のリリバンクス夫人が目撃していた。
そしてアリシアの両親が娘の行方をシドニーに問い詰める。




シドニーもアリシアのどちらもあまりよく理解出来ない性格の持ち主。
こういう人物にふれると、自分は一般的な普通の人間なんだと思う。
だから、どうしてそんな展開になっていくのか、いらいらした気持ちになる。
犯罪者の心理を楽しんでいるシドニーは最後まで冷静だ。
空想かもしれないがそれがそのまま、本当の犯罪者になれそう雰囲気が怖い。
最後はただ空想では終わらなくなるということか。
しかし、こんな感じで犯罪を犯してしまう人間は珍しくないのかも知れない。

シドニーが言う態度の問題。
他人からどう見られてるか。
犯罪は事実ではなく、周りがどう判断するかなのだと言う。
まあ、何事も人間が作り出していくものなのだから。
結構怖い物語。 
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